うちが国分寺崖線沿いに住んだ決め手は、不動産業者が「この辺はお寺さんの森や区の保存林だから、再開発されることはありませんよ」と言ったことも大きかった。以来20年余り、遊びに来る友人知人が「軽井沢みたい。東京23区とは思えない」という風景に親しんできました。
ところが、先日地元会議に出ていたら
「喜多見不動尊がなくなる。持ち主である慶元寺が区に売ったのだ」というではあーりませんか。
ここは、明治初期からある小田急線のすぐ脇の小さなお堂だが、公道から昔は修業用だったという湧水の小さな滝が見え、緑の中を急な階段をお堂まで上がっていく雰囲気のある一角。階段は中高生の運動部がトレーニング用に使っていた。
階段を上るとお堂とお稲荷さんがあり、更に奥に防空壕のような横穴があった(近年、この横穴に日中戦争の死者とされる頭蓋骨が置き去られる、という事件もあったそうだ)。
この土地のすぐ脇を、成城から喜多見へと降りる「不動坂」か通り、お堂の管理人Kさんが飼うニワトリを見に来る小学生がよく立ち止まっていた。
緑地は区が保全するものの、宗教施設は行政が管理出来ないのだろう、仏像などは慶元寺に移設、お堂は取り壊しだという。
慌てて行ってみたが、既に入口は閉鎖され、Kさんもお引越しされたようでした。
寺社は永遠だと信じていた。
「不動坂」という名称も、やがてその意味がわからなくなるのだろうか。
不動坂からはまだお堂のてっぺんが見えます。息子が帰って来るまでそのままで…

