軽井沢文化遺産保存会でご一緒している増淵先生から定期刊行物を受け取りがてら、世田谷美術館にご案内しました。今開催しているのは「横尾忠則 連河の画」展。
https://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/special/detail.php?id=sp00223
(6月22日まで) 内部はほぼ全作撮影OKです。
昔の、故郷で採った同級生たちとの集合写真を起点に、同じ大盤サイズのバリエーションの油絵が並んでいる。
ポップで色鮮やかでも透明感を失わず、どこかシャガールの絵に似た幻想的な感じがする。底から光を放つような、気分が明るくなる絵の数々です。
横尾氏は成城在住、かつて山田耕筰が住んでいた(息を引き取ったのもその家)古びた洋館を、横尾ピンクとも言うべきホットピンク色に塗って住み(昔はベージュでした)、アトリエの方は国分寺崖線の斜面に、ガラス張りのモダンな建築が建てられている。どちらも深い木々に囲まれたミステリアスな場所で、あそこからこのようなトロピカルな絵が生み出されるとは、ちょっと意外でした。
連作とは趣を異にしているのが、安倍晋三元総理の暗殺のショットから描き起こされた2作。襲撃犯山上徹也の手に安倍さんの魂(晋三=心臓)が奪われています。
襲撃犯はまさか自分が巨匠に描かれるとは思ってなかった・・・いや今でも知らないかもしれません。
ホームページで横尾氏の言葉として「絵の方が僕をどこかに連れて行く、僕はただ描かされる」とあるが、わかる!自分も今そんな感じです。新宿南口のデッキ上に休憩スペースを設ける提案を描いていたら、ソファにうちの息子が座っている。
成城の古い洋館のパースを描いていたらボールを追いかける少年が出てきて、窓から少女がのぞいている。
帰りに増淵先生が「いい美術館だけどバス停から遠い」…はい、そうなんです。オンデマンドバス(月、水、金運行)なら砧公園入り口まで行くので、次は曜日を合わせて参りましょう。