熊大医学部を出てタクシーで教育学部へ(広い)。ここで会派メンバーと合流して、教育論の著作、テレビ出演などで有名だという苫野一徳准教授と面談。兵庫の出身で早稲田大卒業、軽井沢風越学園理事などを経て熊本県教育委員会に居る。彼自身の弁によれば“体罰あり、古い体質の”熊本の公教育を、自ら考えさせ、校則なども生徒たちで作るような改革やICT教育の推進を行っているということでした。

翌日にお会いしたが、熊本市は教育長も中央官庁→ベンチャー企業を経てきた人で、従妹のデバネズミ研究といい、中央ないし全国レベルで著名な学者や指導者を戦略的に集めているのかなとも思えます。

 

熊本市は2016年の熊本地震をきっかけに、小中学校のICT環境整備を開始し、今回のコロナ禍休校で全小中学校にオンライン授業を実施、内容の充実に努めたということ。文字通り“ピンチをチャンスに”です。

翌日は、より実践的な話を聞きに熊本市教育センターを訪問、校長経験者でもある本田副所長のお話を聴きました。

成功の秘訣として強調されたのが、LAN環境を整備しないでも大手通信キャリアの基地局でつながるLTE対応のタブレット端末を選択したこと。事前の家庭調査で、約1/3の家庭にインターネット環境がなかったため、その状態で使えるLTE端末を貸し出したそうです。

もう一つは、業務委託でICT支援員19名を投入、わからないときの問合せに留まらず授業にも参画させていること。これはいそくみの好きな論点だが、この支援員たちは元銀行員、インストラクターなどで、子育て後の再就職としてICT支援員を始めている女性が多い(女性9割)だそうです。

子育て等で一度仕事を離れた女性でも、チャンスがあれば再就職で力量を発揮できるのはわかりきっているのに、どうしてこれが拡がらないのでしょうね??

ICT教育を始めた利点として、生徒が積極的に授業に参加し発表するようになったこと、不登校の子でもオンライン授業なら出席しはじめることが少なくないということだそう。

 

まだ始めて数年なので、今後ICT教育のマイナス点(一企業独占になりがち、視力の低下、漢字や英単語を憶えないなど)も出てくるリスクはあるが、教員経験者が現場の反応を見ながら進めているので、種々の問題が顕在化したときに真っ先に解決するのもまた熊本市なのだろうと、安心してお話を聴くことが出来ました。