会派の中で区の予算の削減提案を作っていた時、「中学で連れて行っている歌舞伎鑑賞は必要か?」という議論が出ました。自分の時(海老名市)は確か小学校の体育館に狂言や演劇が来てくれ、観賞したものだ。そう思うとバスに乗って貸切りで本物の歌舞伎を観劇させる東京の公立教育はゴージャスだなと思うが、主に男性議員がいう「ビデオでいいのでは」とは思えず、いそくみは歌舞伎(ないし舞台)鑑賞を教育の一環として残す派です。

 

演劇の話をすると止まらなくなるが、一期一会でその舞台を、演じる者と観る者が一体となって“気”を作り巻き込まれる感動は、映画やYou Tubeでは決して味わえない。小中学校でやらなくても大人になって観ればいいという意見もあるが、心が柔らかく吸収力があるうちに観たほうが強く心に刻まれることもあるし、名作は子どもの頃に観て、大人になってから観るとまた印象が違う、それもまた興味深い。

二十代の頃に、下北沢スズナリで、髪をかき上げたり、クスっと笑うだけで劇場じゅうの“気”を変えるようなすごい俳優を観た。その後テレビで人気俳優になったが、舞台でのオーラが発揮されていないのが残念(生瀬勝久さんです)。深津絵里、平岳大も映像より舞台のほうが数段輝いて見えた。

すごい舞台人というのは、観ている人に(あ、今眼が合った)と思わせる。キムタクは2万人と眼を合わせることができるそうだ。錯覚かもしれないが、そういう一体感を求めて、演劇好きは小屋に通うのです。

 

このブログの読者はご存知かもしれないが、厚木高校卒業生の脚本家横内謙介氏の舞台「ホテル・カリフォルニア~県立厚木高校物語」は1970年代の地方の県立進学校の青春を描いて、学生演劇でもよく演じられた作品。自分は二十年くらい前に厚木か新宿かどちらかで観て、将来息子が出来たら観せたいと思ったものです。観たキャストのうち六角精児はいまテレビ俳優になっている。

息子がまさに高校生だが、男子校なので「進学の悩みはわかるが女子が校内にいる生活はわからん」というかもしれない。PTAが成績優秀な女生徒を指して「女の子があんなに勉強が出来てどうするのかしら?」という台詞も現代ではジェンダー的に検閲されるかもしれないし、時代により受け手により評価が大きく変わるのも舞台の面白さ。再演を待っています。

 

コロナ禍は興行界にも打撃を与えていますが、文化芸術がこれでヘタレてはならないし、子どもだからと軽んじないで、今この時代のいい舞台や音楽に触れさせてあげたいと思います。