戦禍とピアノ

アンティークは装身具やリネンなら持ち運びもしやすくたくさん流通しているが、家具、それも使う人が限られる楽器だと、なかなか引き取り手に苦労するようです。

 

ここ1年ほどお預かりしている話。東玉川に住んでいた八十代のご婦人より、音楽家のご主人が使っていたというアップライトピアノの利活用を相談されています

昭和6年購入、今はないMONDLICHIT(モンテリヒト)という国産メーカー品で、鍵盤は象牙。

 

空襲で家が半焼したときに奇跡的に焼け残った、ご家族にとってはラッキーアイテムで、100万円以上かけて修理・調律をしてあるという。高齢者施設など、弾きながら昔を懐かしんで頂ける場所に寄付したい、とご意向だったのですがこれがなかなか見つからない。

では子ども、若者施設では?

半ば骨董品であるだけに、児童施設などで子供たちがねこふんじゃった♪を弾いたり、音大生の練習用にも向かないだろう。

古民家や洋館で、公共施設やカフェに利活用されている場所に…とも思い交渉したこともありますが、そういう古い家にはもとからピアノがあったりします。

世田谷区にもずいぶん探してもらったが、公共施設には、やはりメンテナンスの手軽さから電子ピアノを入れるのが主流だそうで。

スタンウェイとかなら古くても引き取り手があるのかしらね?

 

タケモトピアノの明るいノリのCMを見るたび、このルートでもなし、どこか「ぜひ使いたい」と言ってくれる施設がないかと気になっています。

せっかくなので90年を経てきたピアノの音色を聴いてみたいですよね?戦禍で焼け残ったピアノには、意味があると思うのです。

世田谷区内でなくとも、利活用してくれそうなお話があればお寄せ下さいね。

 

 

 

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