英検1級を圧倒したこの一冊【83】AIを賢く使う英文ライティング | ひとときのときのひと

ひとときのときのひと

広告業界で鍛えたから、読み応えのある文が書ける。
外資系で英語を再開し、アラカンでも英検1級1発合格。
警備業界にいたから、この国の安全について語りたい。

そんな人間が、ためになる言葉を発信します。


まずは英語から。

 AI、たとえばChatGPT。これを使っての英語学習が結構「イケてる」らしい。

 しかし、どこがどんなふうに「イケてる」のかよくわからない。

 そんな、手を出しづらく感じている学習者に、おすすめの本を見つけてしまいました。こちらの新刊、

「AIを賢く使う英文ライティング」

です。

 

 既に本ブログ筆者は下記の投稿で英会話にAIを活用して上達したいという人向けの本↓を紹介していますが、

 

 

 

 この、「AIを賢く使う英文ライティング」は、人工知能を使って英会話ではなく「英語を書く」力を向上させる点に特化した本でなかなかの傑作です。

 

 

 そこで、おすすめ理由と最後に「いまひとつ」と感じたところを共有してみたいと思います。

 

おすすめ理由その1.本質的にはAIの作成する英文を批判的にとらえているものの、認めるべきところは率直に認めているから。

 

 一般に「AIが来た!」となると、英語教育の世界では、もう英会話学校がなくなるのか?とか翻訳者や通訳は一切不要になるのか?といった一方的な観測がささやかれがちです。

 

 もっといえば、「あんなものは邪道であって、使い物になるわけがない」といった否定論者があちこちに現れる。またそんな風潮を期待する向きが出てきたりする傾向があります。

 

 ところが、この本を企画し、著した「英語便」という会社はそうは考えなかったのです。

 

 よしよし、いったんAIに英文を書かせてみて、こちらはそれが本当に「使える文」なのか、社内にいるネーティブにチェックさせて、これを直させてみよう。そういう姿勢で書かれているのです。

 

 したがって、読者としては、例としての和文がどのようにAIに翻訳され、さらに生身の人の手でどのように修正され改善されていくかを具体的に見ることができるようになっているのです。

 

 決して新しいものだから、という理由で排除せずにその機能を客観的に試そうとして、実際にその様子を明らかにしてくれているわけです。その進取の精神にまず、本ブログ筆者は好感を持ちました。

 

 とはいっても、いきなりAIに英文作成させて、できあがった文を人間がたちまちばりばりと直してしまう。そんな乱暴なやり方ではしていません。

 

 まずは、AIに対する英文作成の指示(プロンプト)をしてみて、一回出来上がったところで、その指示を少し変更することによって、英文の質を上げていくところから始めます。

 

 そして、最後にネーティブを中心とするこの会社のスタッフが手で修正していくといったプロセスを取ります。

 

 したがって、これからChatGPTなどを使って英文ライティングしようと考えているビジネスマンやTOEICや英検など資格試験受験者にも、全く同じレベルとまでは言わないものの、かなりAIに対する「使い方」が習熟できるようになっています。

 

おすすめの理由その2.ビジネス向け英語だけでなく、SNSや英検などのエッセイ等を作成することについても、ノウハウを提供してくれているから。

 

 すでに本ブログ筆者は、英検1級1発合格において、ワードやグーグルの翻訳機能や、音声機能を使ってエッセイや面接対策をしていたことを紹介してきました。

 

 しかし、いま自分が1発合格を狙うなら、この本を買ってきて、英検エッセイについてのやり方をまねることをするでしょう。

 

 ここでも、既に紹介したように、AIに安易に任せきりにするのではなく、批判的に使いこなすところが丁寧に紹介されています。

 

 例文の数は少ないものの、一度その使い方を読み取れば、そこから先は受験生が自分なりの活用を無理なくできるようになるでしょう。

 

 ただし、お断りしておきますが、全く英検1級や準1級のエッセイ・面接に関して手も足も出ない方には、あまりおすすめしません。

 

 既にエッセイや面接の対策や勉強を始めているものの、なかなか向上している感じがしないとか、市販されているエッセイ本、面接対策本の丸写しのようなことはしたくない。できるだけオリジナルの文で勝負したい、という人には、うってつけです。

 

 なお、ChatGPTと英検については、こちらもどうぞ↓クリックしてご一読ください。

 

 それでは、最後にやや物足らないと感じた点について触れておきます。

 

 それは、致し方のないことないのかもしれませんが、ネーティブの書く英文が最も正しいという発想に縛ら過ぎているのではないかという点です。「ネーティブ信仰」の沼につかりすぎているのではないか、と言い換えてもいいでしょう。

 

 いまや、グローバルに本当に道具として使われている、英語について、どこか「いやいや本流の英語では、そうは書かない」とみなしてしまうところに、非常に違和感を感じます。もう、そんな時代ではないのではないでしょうか。


 

 

 以上、英文ライティングに関して独学の参考書を求めている方の参考になれば、幸いに思います。

 

 

 

PVアクセスランキング にほんブログ村