2024年12月、岡山県・笠岡諸島をめぐるアイランドホッピングツアー(モニターツアー)の参加者として六島を訪れました。5年ぶり3回目の上陸です。
六島は、瀬戸内海ど真ん中に浮かぶ超小規模離島。人口は50人以下です。
そんな小さな島にもかかわらず、六島浜醸造所というお洒落なクラフトビール醸造所&ビアカフェがあるという、奇跡のような島です。
※5年前に訪れた際のブログも、ぜひご覧ください↓
六島のビールの魅力に迫る!(全9回シリーズ)
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回
下船して桟橋を降りると「おかえり」の看板がお出迎え。
観光客を含めて「いらっしゃい」ではなく「おかえり」で迎えてくれるのが、この島の温かみやおおらかさを象徴しています。
海沿いの道を歩いていると、漁師の理明さんと5年ぶりの再会!
大きな声で呼び掛けてくれて、とても嬉しかったです!
下船から徒歩数分で、六島浜醸造所に到着!
このロケーションの素晴らしさは5年前から変わりません。
ブルワーの井関さんとも再会!!
ここで飲むビールは、今回も最高に美味しかったです。
天国にきました🍺#六島浜醸造所#岡山県 #笠岡諸島 #六島 #クラフトビール pic.twitter.com/cxPC5RkW2D
— しま彦(離島ビール倶楽部) (@island_beer) December 14, 2024
井関さんがガイド役となり、灯台へ続く小路を案内してくれました。
六島といえば、白い灯台と水仙の花が有名です。
(写真:©岡山観光WEB)
下の写真は5年前(2020年1月12日)に僕が撮影したものです。当時はこれで5分咲きくらいだったので、満開時はさぞ見事な光景でしょう。
水仙の見ごろは2月頃。今回は時期が早いので、まだ咲いていませんでした。
5年前と比べて、水仙の密度がまばらで、茶色い地面が見える割合が多かったです。井関さんによると、最近は野生のイノシシが増え、水仙の球根が掘り返される被害が深刻なのだそうです。
現在の六島の人口は50人以下。
島民よりもイノシシの方が多くなってしまいました、と井関さんは危機感を募らせます。
このあたりは水仙が群生していたエリアですが、まるで耕運機で掘り返されたような無残な状態に…。
問題はイノシシによる害だけではありません。
少子高齢化に伴い、この小路の草刈りを担える島民が少なくなってしまいました。
美しい景観。快適な散策。
ふらっと訪れた旅人がそれらを楽しめるのは、継続的に人の手が入っているからこそ。その事実にあらためて気づかされました。
離島で飲むビールの魅力とは、島の自然や人々との触れ合いなどの中で飲めるという「総合体験」にあると僕は思います。
六島浜醸造所は、ビール自体の美味しさはさることながら、「総合体験」が抜群に魅力的なのです。色んな島を旅してきましたが、こんなに美しく、人々がおおらかで、温かみを感じられる場所は他にありません。
(写真:2020年1月 しま彦撮影)
海が近いのに、美しく保たれている家。おおらかさと凛とした雰囲気が共存する六島の人々の暮らし。これもビールを美味しく感じさせてくれる要素の一つです。
これまで、離島ビール倶楽部では
「離島でビールを飲むと美味しい!最高!」
という旅人目線で情報を発信してきました。
このスタンスはこれからも変わりません。
しかし、そうした最高の体験は、
島の人々の継続的な営みに支えられていることを忘れず、尊敬と感謝の気持ちを胸に、発信を続けていきたいと思います。
人口50人以下で高齢化も進む六島では、島民だけですべてを担うことは難しくなってきており、島外の関係人口を大募集しています。
移住者も切実に募集中。移住に興味がある人もない人も、以下の動画はぜひ見てみてください。六島の魅力がよく伝わってきますよ。
移住を検討している人向けには、「六島の教科書」という島のルールや学校、医療環境などを分かりやすくまとめた資料も公開されています。
これからもずっと、六島で最高のビールが飲めますように。離島ビール倶楽部としても何か役に立てることがないか、日々考えています。