「離島でビールを飲む」と聞いて、

あなたはどんな情景を想像しますか?

 

美しいビーチリゾート?真夏の太陽?

 

それらは今回の旅には登場しません。

しかし、最高のビール体験ができました!

 

今回の目的地は、大崎上島(広島県)に今年開業したばかりのMICHISHIO BREWING(ミチシオ ブリューイング)です。(訪問日:2024年12月13日(金))

 

大崎上島は、観光地というよりは“生活の島”。ましてや季節は冬。今回の旅にリゾート成分はほとんど含まれません。

しかし、それ以外の魅力成分に満ちあふれた最高の旅となりました!

これから前編・後編に分けて振り返っていきます。

 

大崎上島への玄関口・竹原港

2024年12月13日(金) 朝8時、羽田空港。これから広島行きの飛行機に乗ります。

 

広島空港から先の道のりは以下のとおりです。本土と橋でつながっていない大崎上島へのアクセス手段は船便しかありません。

 

[A]広島空港→[B]竹原港→(船)→[C]白水港→[D]MICHISHIO BREWING

 

今回は身軽な一人旅。広島空港では発車間際のバスに乗車できたので、予定より早く竹原港に着くことができました。

 

大崎上島の垂水港行きと白水港行きのフェリーの切符売り場です。
行先ごとに異なるフェリーなので注意してください。

今回は白水港行きに乗ることにします。

 

待合室の隣には、お土産品やお弁当が充実した売店があります。

 

お酒も豊富に揃っています!

 

今回の目当て、MICHISHIO BREWINGの瓶ビール(写真中央2種)もありました!

レモンとトマトを大胆にあしらったラベルデザインが、ひときわ目を惹きます。

 

さっそく乾杯したいところですが、自転車で島内を巡る予定があるので我慢…!

 

 

快適なフェリーで「風待ちの島」へ

待つこと1時間弱。白水港行きのフェリーがやってきました。

 

さすがは瀬戸内海のフェリー。全く揺れず快適です。

 

約30分で白水港に到着。着岸時ですらほとんど揺れず、とても穏やか。

 

荷物を置くため宿に寄ることにします。海沿いの道を歩いて向かいます。

 

途中の神社(矢弓厳島神社)で、旅の安全を祈願しました。

大崎上島には「厳島神社」と名の付く神社が複数あり、その歴史的背景を辿るのもまた面白そうです。(→参考サイト

 

 

海と島の歴史資料館 大望月邸」 という邸宅の見学もできました。

かつて大崎上島は、九州・太宰府と京の都を結ぶ航路の中央に位置する「風待ちの島」として栄えていました。経済だけでなく、文化的にも豊かだった大崎上島の歴史を象徴するような邸宅です。

 

 

大崎上島に住む人はみんな優しい!

本日お世話になる「いずみ旅館」に到着。荷物を置いてすぐに再出発します。

 

ここは島の西岸。MICHISHIO BREWINGがあるのは島の東岸なので、島の真ん中を横断する必要があります。

GoogleMAPでは徒歩43分(3.2km)という表示なので「歩きでも何とかなるだろう」と思っていましたが…

宿のご主人に尋ねたら、途中にトンネルがあることが判明…!

 

バス停は近くにありますが、都合の良いバス便はなさそう。というかダイヤが難しくて良く分かりません。バスを使いたいなら予習が必要です。

 

結局、宿のご主人から教えてもらったタクシー会社に電話することに。

すぐに、優しいおかあさんが運転するタクシーが迎えに来てくれました。

おかあさん曰く、大崎上島にタクシーは2台くらいしかないとのこと。利用するには事前予約が無難です。今回はラッキーでした。

 

優しい口調のおかあさん。タクシー業はもともと家業だったそう。家業を継いで、現在は旦那さんと2人でタクシー会社を運営されています。そういえば、さっき電話を取ってくれたのもこのおかあさんでした。

 

帰り道の送迎もお願いできるか尋ねたら、

「夜はねぇ、動いてないんです。私らもねぇ、もう高齢なもんでねぇ。」

と、おかあさん。

夜でもタクシーを呼べるのは当たり前ではない、という当たり前のことを思い出し、都会で麻痺した自らの感覚を恥じました。

 

帰り道を想像して不安になる僕を乗せたタクシーは、あっという間に島の東岸に到着。ここ(天満港)で電動アシスト自転車をレンタルし、周辺を散策する計画なのです。

 

港の切符売り場のご夫婦が自転車の貸し出し対応をしてくれました。

おとうさんがヘルメットのベルトを調整してくれています。

 

ベルト調整を待つ間、おかあさんとお喋りしていると、飼い猫(シロちゃん、♂、8歳)も出迎えにきてくれました。おかあさんに似て、人懐こい猫ちゃんです。

 

宿のご主人も、タクシーのおかあさんも、そして港のご夫婦も、この島の人はみんな口調が穏やかで癒されます。

楽しんできてねぇ~、とおかあさんに見送られながら自転車で出発!

 

このあたりは木江(きのえ)集落といって、大崎上島の中でも歴史深いエリア。

風待ちの港町として栄えてきた当時の面影がそのまま残っている区画もありました。

 

 

造船所の巨大クレーンも島らしい風景

さて、なにはともあれ今回の本命、MICHISHIO BREWINGの場所の下見をしておきましょう。港から少し歩いた道沿いにある、白と水色の丸い看板が目印のお店です。


今は配達でお留守のようですね。散策後に出直すことにします。

 

ちなみに、MICHISHIO BREWINGの建物の全景はこちら。

裏手に見える巨大なクレーンは何でしょう?

 

裏手には港があり、あのクレーンは造船所のものでした。

 

下の写真は別の地区ですが、島内にはこのような造船所がいくつもあります。


大崎上島の主要産業は造船業。

内航船(国内で使う船)の生産量は国内有数だという「造船の島」です。

造船所から聞こえてくる重機の音や溶接の音なども、この島らしさを構成している要素です。

 

 

冬の風物詩!みかんの直売所

また、大崎上島は「柑橘の島」としても有名です。

海沿いの道を北上していくと、傾斜地にみかん畑が広がっていました。

 

食べてみたいな~と思っていたら、みかんのカゴが山積みになっている集荷場 兼 直売所を発見!

 

建物の中では果実の大きさごとに選別する作業が行われていました。

商品価値が低い小粒な実の詰め合わせを一袋100円でゲット!


小粒でも味と香りは最高です!とっても甘い!

 

石地みかん(いしじみかん)という品種で、大きなものはデパートの贈答用として出荷される高級品なのだと、通りすがりのおばちゃんが教えてくれました。

 

冬の大崎上島では、道沿いにこうした直売所が点在しているので、見つけたらぜひ味わってみてください!

 

さて、次回はいよいよMICHISHIO BREWINGを訪問します!お楽しみに!

 

【補足情報】

今回僕は泊まっていませんが、大崎上島には「きのえ温泉 ホテル清風館」という高級ホテルも存在します。温泉総選挙2024 絶景部門 全国1位にも輝きました。一度泊まってみたいな~!

 

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