シェフDrS 其の三十八  霜降りシメジ

続いて秋の味覚はまたもやキノコです。

「シモフリシメジ」という霜が降る頃にマツやナラノキの林に生える

人気のあるキノコです。晩秋の雪が降るころにみられるので、

フユシメジなどとも言われます。また漢字では「銀茸」とも書かれるようです。似たキノコにはネズミシメジという毒キノコがあり、

猛毒ではありませんが色や生える場所も類似していますので鑑別が必要です。 今回もキノコ名人から仕入れたので間違いはありません。

シメジは以前、春に梅の木の下に生える「ウメハルシメジ」をここで紹介したことがありますが、シメジの仲間は傘が灰色で柄は白色ですのでどれも外観はとても似ています。しかし方や晩秋の霜の頃、一方はサクラや梅が咲いた春に生えるという点では大きく異なりますね。

シモフリシメジの鑑別は柄と傘の外側がうっすらと黄みがかることだそうです。う~ん難しいですね。

確かに傘の外側にうっすらと黄色味がありますね。

薄塩水につけて虫出しをした後の状態。柄も傘も内部は白いですね。

傘は柔らかめで、柄はしっかりしています。

今回の料理はキノコの土瓶蒸しとしましょう。

材料はキノコのほかに豆腐ですが、今回はエビの茶わん蒸しを入れてみました。飾りは三つ葉のみとしシンプルにいただきます。

土瓶の準備完了。これは茶道具の小炉五徳です。最近茶道では炉は電熱炭置き炉を使いますが、本格風炉でシモフリシメジの土瓶蒸し御膳をぬる燗でいただきましょう。

 

キノコが型崩れをしませんので、ゆっくりと蒸されてからいただきます。

出汁はカツオ節と昆布を半々にしたものです。う~ん。歯ごたえと風味があってとてもおいしいです。 絹豆腐ではなく茶わん蒸しを入れたので湯豆腐よりもどうも複雑な味になりました。

このキノコは人工栽培ができないらしく、天然ものしかありません。

キノコが収穫できる山は皆さん秘密にするそうです。

でも、ヒグマのプーさんと遭遇するのは怖いから私は行きませんよ!

 

もう一品は、大根と大葉の実の卸和えです。

これも風味があって大変においしいです。大葉の実のピリッとした歯ごたえと、その後の香りはぬる燗の日本酒に合います。

秋の味覚と紅葉と日本酒でほっと一息つけました。 感謝!

Bon appetit!

おまけ

こちらは前回シェフDrS39のクロカワキノコ焼きの大根ショウガおろし和えです。

クロカワは見かけ以上にインパクトありました。