最近読んだマンガは
「蟻の王」（秋田書店）の１４巻、
「アンサングヒーロー」（講談社）、
「バトゥーキ」（集英社）の１２巻、
「QP我妻涼デスペラード」（秋田書店）の
１３巻、そして三田紀房さんの作品である
「インベスターZ」（講談社）。
まだ８巻までしか読めていないのだが、
「アルキメデスの大戦」（講談社）といい、
この作品も読んでいてとても勉強になる。
財前孝志というまだ幼さ残る中学１年生の
少年が、学校内に秘密裏につくられた投資部に
半ば強制的に入部させられることから
物語は始まっていくのだが、
投資や歴史に関する情報、
そして金言が「これでもかっ！」というくらい
てんこ盛りで読み手を全く飽きさせない。
例えばこの箇所などは印象に残った。
「テストオブムービー」という回で、
財前は部の先輩から歓迎会のような形で
強制的につまらない映画を観せられるのだが、
あまりのつまらなさに映画開始から２１分で
映画館から退出。
だが、実はそれは新人を試す為の
投資部恒例のテストだった。
映画館を出た財前は他の部員からなぜ途中で
映画を観るのをやめ、席を立ったのか
尋ねられると、こう答えた。
「こんなもの観ていたら時間の無駄と思った
からです」それに対して部のキャプテン
（部長）は、「それを知りたかったからだ
つまらない映画を途中で止めて出てくるヤツか
どうか……つまり投資家になるための
最も重要な資質損切りがきちんとできるヤツか
どうか」とそのテストの真意を伝えた。
大抵の人はせっかくお金を払ったのだからと、
つまらない映画でも最後まで観ようと
するからだ。
俺もここ横刑で映画が放送されても、すぐに
「つまらない」と判断出来る映画に限っては、
すぐに観るのをやめ離脱する。刑務所の中と
いうのは自由時間が限られているので、
「自分の時間がもったいない」と
感じるからだ。
だが、多くの受刑者は逆に「好きな時に観れる
ものではないので、今の内に観ておかないと
もったいない」と考える。
それは人それぞれの価値観の違いなので、
一概にそれが悪いこととは断言することは
出来ない。ただ単純に俺にとっては
”映画を観たという経験”や
”他の受刑者との共通の話題作り”よりは、
”自分の時間”というものが遥かに大切だと
いうことだ。
また、たまに他の受刑者から「石元さんは
一体どのようにして効率よく勉強しているの
ですか？」と尋ねられることがあるが、
逆に俺はそういった質問をしてくる受刑者に
こう尋ねる。
「今お前がやっている勉強法をまず教えて
くれ」そう尋ねると、まずほぼ全員が
参考書選びに四苦八苦していることがわかる。
なぜ皆が参考書選びにそのように苦戦する
のかというと様々な参考書に触れる機会が
圧倒的に少ないから。
受刑者は本屋にまで足を運んで書籍を
選んだり、その書籍のネット上の評判も
得ることが出来ない。
他の受刑者からの情報と新聞や雑談の広告で
その書籍の良し悪しを判断するしかないんだ。
そうなると当然、自分が思い描いていた内容と
異なる書籍が手元に届く機会も多くなる。
そして多くの受刑者は
「せっかく買ったものだから…」
「お金がもったいなから」と言って、
自分に合わない書籍でも無理に最後の１ページ
まで読もうとする。結果、手に取る書籍、
読める書籍の冊数が減る。確かにそういった
気持ちは理解出来なくもない。
誰もが思うことだろう。
でも俺からしたら、自分の時間の方が遥かに
大事であり、その時間を自分に合う書籍探しに
充てた方がよっぽど有意義な気がして
ならない。
こういったことも”損切り”に通じるのでは
ないだろうか。
続く
～石元太一氏に公平な裁判を～
双葉社より発売中
双葉社より発売中
大洋図書より発売中
大洋図書より発売中
大洋図書より発売中