本年(2015年)4月1日より、入管法の改正があり、「投資・経営」の在留資格の名称が「経営・管理」に変わりました。
これに伴い、対象となる法人が外資系企業のみであったものが、日系企業もその対象とされました。
このことから、いわゆる500万円以上の投資、出資が必要なくなったと思われる可能性があります。
しかし、この500万円以上の投資は、従業員2名以上の事業規模の事業が、この在留資格に求められているところ、従業員がいずに経営者のみであっても500万円以上の投資をしている場合には、事業規模として、従業員2名以上の規模とみなすという意味で要件となっています。
つまり、その対象となる事業の規模をはかるための意味合いがあります。
また、「経営・管理」の在留資格が認められるためには、その事業の経営権を握っている必要があります。
例えば、「経営・管理」の在留資格を求める外国人の方が、その友人が資金を出し、本人1人が取締役、代表取締役となり経営をする会社の場合を想像してみて下さい。
この場合、その外国人が経営上の重要な判断をしようとするときに、出資者である友人が反対しても、確かに代表取締役として自らの判断を実行することはできますが、株主総会で友人が株主として否決していまうことも考えられますし、更には、取締役を解任してしまうこともできます。
これでは、経営権を握っているとは言えなくなります。
外国人の方が1人で事業の経営を行う場合には、投資金額の要件は、従来通りあるものと考えるべきです。
資本金が数十億あるような上場企業、大規模会社の場合、500万円の出資は、あまり意味のないことであるため、この場合には、投資、出資の要件は、考慮しなくとも構わないと考えるべきでしょう。
「経営・管理」の在留資格を検討する際には、一つ一つの要件の意味するところを充分に検討し、具体的な案件に当てはめる必要があります。