1.変化球がダメ、の時代は終わった?
「カーブは肘を痛めるから投げるな」
という時代は過去の話。
近年は、中学生でも多彩な変化球を投げる投手が
増えてきました。
軟式でも硬式でも、肩肘痛の障害発生率に
尽きましては、さほど差がありません。
[野球人口の問題もありますが…]
つまり変化球を投げる事が悪い訳ではなく
障害発生までの経過を診ていきますと
その種類に問題があるのでは?という
推測と根拠が見えてきましたので、
その解説をしていきたいと思います。
2.リリース期での推進力
直球系【ストレート・カットボール・
ツーシーム・スプリット・高速スライダー】
を投球する際のリリース期では、
パワーを最大限に発揮する為に推進力が加わる。
その為、一連の動作かけて
無駄なく、大きな動作を行う事が可能
直球:肘伸び切る チェンジアップ:肘曲がる
変化球のうち
“フォーク・チェンジアップ・カーブ・ナックル等”は、感覚的な表現を用いれば
『リリース期に抜く』というイメージがある。
『抜く』という動作はリリース期において
力を半減するor抑制するという事である。
《技術的なパフォーマンスで言えば、
緩急をつける為には必要であるが、その分野は
私の論ずる事ではない為、ここでは省く》
力を抑制すれば、重力や空気抵抗により
ボール回転数は減少し変化は大きくなるが、
実はその分、身体全体でも抑制をかけている事を
忘れてはならない。
高校級・大学生・プロともなれば、
自在に身体をコントロールできるようになるが、
成長段階の中学生や小学生でそこまで
理解し実践できる選手は皆無である。
以上の事を念頭に入れていただき、
臨床24年間で治療家・石藤として
肩肘障害に携わってきた選手の症例を元に、
次回解説させていただきます。