アリババLSTの講演から | MVM 代表 石田希世士のブログ

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『農産物業界のEXCELLENT COMPANY』を目指す経営者のブログです。

オリンピックで束の間、気分が高揚しましたが最近の感染拡大と大雨が続く日々にげんなりと・・・しかし、そんな悠長なことも言ってられません。

 

緊急事態宣言地域が拡がることで販売環境は変わり、国内産地に対する長雨の影響は大きい。今年の秋商戦も異変がありそうです。

 

話は変わりますが、先週にある勉強会で中国アリババ傘下の小売店向け経営支援プラットフォーム、LST(ling Shou Tong)の講演を聞きました。

 

とても興味深いビジネスモデル。遅まきながらアリババが提唱していた”ニューリテイル”の意味がようやく理解できたような気がします。

 

中国の地方都市には約600万店舗もの小規模・零細小売業(以下パパママストア)があり地方に住む8億人の生活を支える存在です。

 

しかし、ほとんどの店舗が店主の”勘と経験”による商品仕入れなどで経営効率が悪く赤字に喘いでいる。そこにアリババが目をつけLSTを開発した。

 

アリババ社曰く、米国の巨大ECのように弱肉強食の論理で弱小の小売店をなぎ倒し自社が成長することは企業理念に反する。

 

アリババLSTはパパママストアと自社のお互いが繁栄する、共同共栄のビジネスモデルである事を強調していました。

 

パパママストアはLSTと契約すると経済界の巨人アリババが持ちうる多くの経営資源(ビッグデータ・AI・仕入れメーカー・EC・物流・金融など)を初期投資のPOSレジ以外は無料で利用でき経営改善を図る事が出来る。 

 

パパママストアの契約義務はPOSデータ(販売情報)をアリババに提供することのみ。不要であればアリババから商品を仕入れしなくともよい。

 

アリババ側は販売する商品のマージン以外にメーカ側から販売データの提供や広告代などで収益を上げる仕組みのようです。

 

また、クラウドPOSから吸い上げた販売データーをAIに取り込み、ECでお馴染みのレコメンド機能(おすすめ商品の提案)の精度を上げているとの事。必然、パパママストアからの仕入れが多くなる・・・。

 

ビッグデータ・AIを活用し仕入れの精度が上がり不良在庫が劇的に減った。自社仕入れより(スケールメリットのある)アリババから仕入れる方が商品が安く模造品や偽物が紛れることがなくなった。

 

また、ECの販売でオムニチャネル化し売上が向上した、物流費や借入金利が安くなった・・・などLSTを導入した事で多くのパパママストアにDXが進み儲かる小規模・零細小売業”ニューリテイル”として蘇っているようです。

 

パパママストア約150万店が傘下にあるLSTの経済圏は日用品の販売市場としては中国本土最大規模となっています。

 

日本企業ではUHA味覚糖やアパレルのストライプインタナショナルなどがアリババLSTを活用し中国市場を攻略しつつあるようですね。

 

MVMグループとして昨年から日本食の輸出ビジネスに力を入れていますが、巨大市場である中国は近くて遠い存在です。

 

香港やシンガポールは自由貿易でアクセスは容易ですが、競合が激しくレッドオーシャン化している。当たり前の事ですが、どの海外市場も攻略するのは甘くありませんね。

 

中国の場合はうまく市場にアクセスできれば大きなビジネスチャンスがあるように考えます。アリババLSTなどのプラットフォーマーは市場にアクセスする選択肢の一つとして検討すべきでしょう。 

 

また、今回の講演でDXについても考えるところがありました。パンデミック発生後、弊社なりにDXを進めていますが、ここまでリモートワーク下でも経営効率を落とさないという目的で進めてきたところがあります。

 

しかし、これからは中国の”ニューリテイル”のようにDXにより大きな経営改善を図り売上・利益の向上を目指したい。

 

アリババLSTから学ぶべき点は多いと思います。