命の経済 | MVM 代表 石田希世士のブログ
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『農産物業界のEXCELLENT COMPANY』を目指す経営者のブログです。

欧州最高峰の知性と呼ばれるジャックアタリ氏(仏哲学者)の著書”命の経済”を読了。コロナ後の世界観を考える多くの示唆に富んだ内容でした。  

 

アタリ氏は断言します。仮に治療薬やワクチンの開発によりコロナが終息しようとも、我々がパンデミック以前の世界に戻ることは考えられない。 

 

アフタ-コロナは新しい世界観あるいは価値観の下で我々は生きていかなくてはならない。

 

そして、新しい世界観において重要なことは、国民の命・健康は国の負担(コスト)ではなく財産であると理解する事

 

今回のコロナパンデミックが終息しても、昨今の温暖化等の環境変化で近未来に次の感染症が生じるリスクは高まっています。

 

同じ轍を踏んではいけない。

 

重ねますが、これからは国民の命や健康を守る事を最重視する経済や社会のシステムへ構築すべきとアタリ氏は進言しています。

 

そして、そのような未来を予想しています。

 

タイトルである”命の経済”は国民の命・健康を守るために必要且つ強化すべき経済活動の部門を命名したもの。

 

具体的にはヘルスケア(医療・病気予防・健康)・食糧・教育・IT・文化&娯楽などです。 

 

これまではどの国においても長い間”命の経済”が軽んじられたきた。その象徴的な分野がヘルスケアでしょう。

 

医療業界では以前からパンデミックが予見されていたのにも関わらず、どの国も十分な準備が出来ておらず大きな混乱が生じてしまった。

 

パンデミック初期に世界中でマスクを奪い合いあった事は記憶に新しく、現在においても病床や人材は足りていません。 

 

日本においても医療インフラの脆弱性と欠陥に気づかされた一年だったと思います。

 

アタリ氏は我々食品業界についても言及されています。今回の感染症は食用を禁じられた動物との関係が疑われています。

 

近年、人が新たに罹るようになった病気の75%が動物を食べたり、動物と接触したことに原因があるそうです。

 

そして、なにより現代社会は肉食が過ぎる。 

 

それゆえ、工業化された集約畜産、狭い環境での動物の飼育そして不衛生な肉処理場というウイルスの温床というべき場所が世界のいたるところではびこっているというわけです。

 

アタリ氏が提案する食の在り方は、少肉多菜・少糖多果・地産地消です。

 

健康増進のため肉や砂糖は控え野菜や果物を多く摂る事。産地と消費地が近ければ安価で鮮度の良い商品が流通し環境にも優しい。

 

”命の経済”の大きな柱である食品業界、その中でも我々の生業である青果業(果物・野菜)如何に重要な立ち位置にあるか分かります。

 

アタリ氏が予想する通り、食の分野が成長産業となればこれまで以上に様々な資金や優秀な人材の流入が期待できそうです。

 

そして、”食と健康”をテ-マとした研究は産学連携のもと益々活発になっていくものを予想します。この分野でのスタ-トアップも次々と出現してくるでしょう。 

 

既にシリコンバレーでは健康と環境保全をミッションとした様々なフードテック企業が続出していますね。 

 

植物性人口肉のメ-カであるビヨンドミ-ト社やインポシッブルフ-ド社などはまさしく”少肉多菜”とサスティナビリティを実現する企業です。

 

”命の経済”を支える我々の使命と責任は大きい。しかし我々の将来は明るく大きな可能性を秘めている・・・”命の経済”の読後感です。