イノベーターズのジレンマ(INOVATOR'S DILENMA) | MVM 代表 石田希世士のブログ

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『農産物業界のEXCELLENT COMPANY』を目指す経営者のブログです。

先週にビジネス書の名著『イノベ-ションのジレンマ』を書かれたクレイストンクリステン教授が亡くなったとの悲報を聞きました。

 

以前から癌患者として闘病生活を続けておられたようですが、67歳の若さで逝去されました・・・研究者としての円熟期でこれから一層の活躍が期待されていただけに大変残念です。

 

『イノベ-ションのジレンマ』は日本語タイトルであって原書の正確なタイトルは『イノベ-タズジレンマ(INOVATOR'S DILENMA)』・・・経営者必読の良書。

 

業界に革新をおこし既存企業のシェアを奪ってきた新興企業(破壊的イノベ-タズ達)が大きく成長すると、次に来るイノベ-ションには対応出来ず新たな新興企業に打ち負かされてしまう。

 

ジレンマに陥ったイノベ-タズ達は決して慢心したわけではない、優れた人材もいるし自社が成長するための研究そして努力も怠らなかった・・・。

 

なんだか日本の経済界全てがイノベ-ションのジレンマに陥っているかのように思いますね。

 

日本は高度なモノづくりの技術で世界経済に革新を起こし80年代には米国に次ぐ超経済大国に成長した。

 

しかし、90年代半ば以降のデジタル技術によるイノベ-ションに対応出来ず凋落の一途にあることは私が説明するまでもないでしょう。

 

実は、この経済現象はいろいろな業界で起こっています。勿論、我が青果業界においても・・・。

 

青果業界ではかつては青果市場が流通の支配的な立場にあった。

 

しかし、小売業界でス-パ-マーケットなどの量販店が台頭し、個人商店が衰退するとともに、商社や場外業者が直接に量販店や産地と取引するようになり青果流通をリードする立場となった。

 

大仰な言い方になりますが、我々青果商社は旧来の流通を破壊するイノベ-タだったわけです。しかし、こんどは我々が次の新興イノベ-タに追い詰められつつある。

 

新興のイノベ-タとは?・・・・それは例えばネット企業でしょう。

 

本来なら商品に関する知見とノウハウを擁する我々青果商社が業態変化してネットビジネスに進出してもよかったのですが、どこも動かなかった。

 

なぜなら量販店に対応するビジネスモデルにどっぷりと囚われていたからでしょう・・・これがイノベ-ションのジレンマたるもの。

 

我々は顧客である量販店、リアル店の変わりゆくニ-ズや要望に合わせ進化を続ける、クリステン教授の云う”持続的イノベ-ション”を追求することのみに集中してきました。

 

ですから、顧客である量販店の販売先(消費者)に直接アクセスするのは躊躇して当然。

 

また量販店が苦手とする多品種少量・短期間限定の商品、いわゆるロングテ-ルと言われる商品などには触手が伸びませんでした。

 

一方、ネット企業はそのロングテ-ルを見事に強みに転じ、また流通の中間コストを減らし大きくシェアを伸ばしています。

 

まだまだ小売業界における主導権はリアル店にあると考えますが、5G、AIなどデジタル技術の進化は速くネット企業の競争力が高まっていくことは視野に入れる必要がありますね。

 

あと、私は既存業界の勢力図を一変する破壊的イノベ-タとしてビヨンドミ-ト社やインポシブルフ-ズ社などの植物性人口肉の企業に注目しています。

 

ビヨンド社などは赤字で100億の売上もない規模ながら時価総額は約8,000億円とバブルかもしれませんがとてつもない期待値がついています。 

 

ちなみに日本の食肉業界のメジャ-である日本ハムは売上1兆円企業ながら時価総額は5,000億円に満たない。

 

危機感からなのか日本ハム社などの大手食品企業も植物性人口肉ビジネスに進出し始めましたが、本業とのバランスをどうとっていくのか? 

 

またビヨンド社などの破壊的イノベ-タであるスタ-トアップ企業とどう戦っていくのか、あるいは共存の道をはかるのか・・・我々にも参考になるケ-スと考えています。