私は、以前「事故はなぜ起きる」という本を書いた。
人間の錯覚や、知覚の危うさについて述べている。
この本に対しては、結構、辛辣な批評を頂いたりもした。
・
テレビに出演したり、書籍を出版すると避けられないのが批評。
もっと言って! と嬉しくなるモノから、エラくハラが立つモノまで・・・それはそれは様々である。
ただ、鑑定人というのは鑑定書を出せば必ず反対意見が出されるものだ。
鑑定書の内容だけならまだイイが、人格攻撃に至るまで・・・・・相当にえげつない。
最高学府を修了した頭のイイ弁護士が書いたものであるから、かなり辛辣な内容である。
通常、世間様で生きていると、相手と譲避しあい、肯定しながら生きていく。
それが全く通用しないのが裁判で、相手の全否定がスタートだ。
折り合いをつける日本社会で、ここまで否定し合う仕事は珍しい。
そういった、人格攻撃に慣れすぎたせいか、少々の批評には傷つかなくなった。
鑑定人に厚かましい人間が多いのはそういった事情である。
・