統合失調症の症状の一つに、幻覚妄想(陽性症状と言います)があります。
幻覚は、幻聴が主な症状で、実際にはない、人の声や物音が聞こえる、というものです。
(例えば・・・自分の行動や思考に「そうだそうだ!」「いいぞ!」「それは違う!」などとコメントしてきたり、「○○をしろ!」何度といった命令形式のものやら、助言をくれるというものから、いろいろです)
妄想は、ありえないことを確信している、というものです。
(例えば・・・同僚に嫌がらせをされている、会社や組織に監視されている、見張られている、道行く他人が自分のことを笑っている・・・等々)
で。統合失調症の症状で有名なキーワードは、「電波」
電波を使って嫌がらせをしてくる、TVやエアコンから電波を流される、電波を通じてメッセージを送ってくる・・・
などと、とにかくかなりの割合で、患者さんは「電波がどうの」と訴えます。
しかし・・・
どうやら、最近の若い患者さんというのは、「電波」ではなく、
「Wi-Fiが~Wi-Fiが~・・・」と言うらしいのよね。
知り合いの看護師さんから聞いたお話。
その方は、15~16歳の若い患者さん。
昔は、Wi-Fiなんてものもなかったから、昔じゃ考えられないですね!
その話を医局でしたら、
「そういえばさ~、最近、血統妄想ってあんまり聞かないよね」
って話になって。
血統妄想とは、自分は、高貴な身分、良家の血筋、などと確信しており、特に、「天皇」がキーワードで、天皇陛下の親戚であったり、家柄が天皇の血を引いている、などと言ったことがよく語られるのですが、
う~ん・・・確かにこういった血統妄想、最近はあんまり聞かないな~・・・。
有名人の○○と付き合っている、とか、結婚する、という話はよく聞くけど。
Wi-Fiも血統妄想も、やっぱ時代の流れですねー。
幻覚妄想も、その時代によって、変わってくるものなのですね。