館長の悩み!「アザラシのゼロ距離展示」について

 

せっかく世界一ユニークな「アザラシのゼロ距離展示」を開発したのに、認知度が低いがゆえにそのスゴさがまだまだ世に知られていない!

 

普段はお客様が行き来している観覧スペースをゴマフアザラシたちが好き勝手に歩きまわり、お客様の足元を我がもの顔でウロウロするその光景は伊勢シーパラダイスでしか見る事の出来ない、体験することが出来ない大変貴重な展示方法です。

この「アザラシのゼロ距離展示」はアザラシが生息する海岸にお客様がお邪魔するかのような「野生観察プレイ」で楽しむ展示で、お客様がアザラシたちに気を使い、アザラシたちを驚かさない様に空間共有をしてゼロ距離観察を体験します。結果として、お客様に対して上から目線になったゴマフアザラシたちがお客様の足を轢きながら歩きまわる世界一斬新な展示方法となっております。

世の中のあらゆるものの「展示」は「人間に興味を持って見てもらう為のもの」だと考えております。例えば同じアザラシの展示でも同じ空間を共有するゼロ距離展示の方がガラス越しでの展示方法よりもより興味と親近感を持って見て頂けます。ゴマフアザラシたちと空間を共有する非日常的なゼロ距離展示を「体験」することで、通常の展示よりもより深くゴマフアザラシを知ることが出来、また記憶に残ることでより自然環境への関心を高め、環境保全に繋がる展示だと考えております。

おそらく世界で初めて海獣類とのふれあいを実施した伊勢シーパラダイス(旧二見シーパラダイス)。

海獣類とのふれあい展示のパイオニアとして歩んで来ましたが、他の水族館から同じコンセプトでの追従を受け、パイオニアとしての意地をかけて実施したのが「アザラシ海岸柵無しゼロ距離展示」でした。

ですが、世間にはまったくと言って良いほど認知されていません。

当館は魚類も含めて、インタラクティブ(双方向・相互作用)な展示として「生きものもお客様もお互いが楽しめるゼロ距離展示」にこだわってきました。人間の方から一方的に生きものに近づくのではなく、生きものから自分の意思でお客様に近づいて行くことを目標に展示方法を考えているのが伊勢シーパラダイスの特徴です。

インタラクティブ(相互作用)な展示はまさに人間と生き物との関係性の理想的な縮図です。

作 館長