高校生になって初めてしたアルバイトは「本屋」だった。
やたらと蛍光灯が明るいチェーン店だった。
最初は母にパートで働かないか?というお誘いがあった
らしいが、なぜか高校2年だった私に話が回ってきた。
うちの近所だし、本は大好きだし、週1回でもいいと
いうことだったのでやることにした。
(高校時代の私はバスケットボール部と茶道部の
兼部で忙しく、毎日くたくただったのだ)
今はどうか知らないが、当時本屋の時給は安かった。
コンビニとファーストフードと本屋はバイトとしては
あまり収入にならなかった。
でも、たくさんの本に囲まれた空間というのは、
居心地がよく、時に刺激的で、私は満足していた。
本も割引価格で買えるのもありがたかったし。
レジ打ちをしたり、店内の本棚にはたきをかけたり、
漫画にビニール袋をかけて、雑誌を紐でしばり、
返品作業や注文作業、そして空いた時間には
せっせと本のカバーを折った。
新しく来た雑誌や本を並べる仕事が好きだった。
けど小心者なので、注文の本が届いたとお客さんに
電話する仕事だけは苦手だった。
高校2年の一年間だけ働き、受験生だからという理由で
早々と辞めたけど、結局大学生になれず、浪人中に
また週一で半年くらいだけ働いた。
最近、その本屋の前を通ったら、ディスカウントショップ
になっていた・・・。なんか寂しい。