前年、天皇賞秋、突然のごとくに覚醒したジャスタウェイ。

 

3月、ドバイで『世界一』の走りを見せ、日本に凱旋した。

 

 

そして、凱旋パレードとして出走してきたのが安田記念だった。

 

 

父ハーツクライ、母シビル。社台の白老ファーム産。

 

半姉スカイノダンは24戦4勝、22戦が芝1200m戦というスプリンター、北九州記念2着。

 

母シビルの4番仔として、初めて生まれた牡馬。

 

 

馬主は『銀魂』のアニメ脚本家である大和屋暁氏。ジャスタウェイは、『銀魂』に登場する無表情な顔を持つ爆弾。時には料理の材料、看板、目覚まし時計など様々な状態で登場する不思議なキャラを持つアイテム。それが、競走馬ジャスタウェイの名の由来だった。

 

 

2歳7月、2歳新馬戦が開始され早々にデビューしたジャスタウェイは、2着に5馬身差をつけて圧勝。

 

栗東・須貝尚介厩舎。関西では『クラシック候補』とまで騒がれた。

 

その後、重賞で2,4,4着。アーリントンカップを勝ち重賞初制覇。

 

NHKマイルカップ6着、ダービー11着、天皇賞秋6着。G1制覇ははかなき夢と終わった。

 

 

4歳になって、3,5,8,2,2,2着。1600m、1800mでの重賞で勝ちにいま一歩の状態だった。

 

5番人気で出走した天皇賞秋、1番人気はジェンテイルドンナ。

 

鞍上・福永祐一でさえ驚いた勝ちっぷり。ジェンティルドンナに4馬身差の圧勝。

 

天皇賞春・秋合わせて148回の歴史の中で唯一の2勝馬による載冠。

 

 

ジャスタウェイの中で、何かが変わったのか?

 

 

5歳になって、3月、中山記念。世界の強豪馬が集まるドバイへ飛ぶための前哨戦。

 

得意としない雨の中、アルキメデスに3馬身半差、快勝。

 

 

 

3月29日、ドバイデューティフリー(G1)・芝1800mに、日本馬ロゴタイプ、トウケイヘイローとともに出走。

 

天皇賞秋の圧勝ぶりが伝わってか、1番人気だった。

 

 

トウケイヘイローが逃げる3番手を追走。

 

直線、後続にトウケイヘイローがつかまるや、一気に抜け出し、2着ウェルキンゲトリクスに6馬身4分の1の差をつけて圧勝。タイムも従来の記録を2秒以上更新する1分45秒52。

 

 

もはや誰も止められない『世界』のジャスタウェイとなった。

 

 

国際クラシフィケイションによる評価は130ポンドとなり、日本競馬史上初の現役世界単独第1位となった。

 

 

1999年、エルコンドルパサー(外国産馬)の134ポンドに次ぐ、歴代では日本調教馬2位。

 

オルフェーヴルの129ポンドを抜いて日本馬1位。

 

 

 

わずか半年、世界の色が全く変わったジャスタウェイ。

 

 

驚きは、ジャスタウェイ自身か?

 

 

ただ、ひたすら走ったら、他の馬が目の前から消えた。

 

 

ただ、それだけ。

 

 

日本に帰り、安田記念。

 

 

ただ、ひたすら走るだけ。

 

 

全ての馬を引き連れ、凱旋パレードのごとくゴールできれば、

 

 

それに越したことはないッ。

 

 

(つづく)