クラシック第2弾、最高峰レース・ダービー。
馬主、調教師、騎手、あまたのホースマンが夢見る『ダービー制覇』。
ファンにとっても、やっぱり一味違う。ダービーは取りたい馬券。
微妙に察知するのか?ダービーに出走する馬たちの目の輝きは、ひと際違った。
6戦5勝、2着1回。皐月賞を勝ち、ダービーで『2冠』を狙うイスラボニータ。
父フジキセキ、母イスラコジーン。
負けたのは2歳時、新潟2歳S、ハープスターの2着のみ。
皐月賞では、好位差し、同じ脚質の1番人気トゥザワールドと覇を争い、中団前に控えトゥザワールドの後ろから見事、差し切った。
ダービーこそは・・・・・・とリベンジ狙うトゥザワールド。返り討ちにしてこそ、ダービー制覇は現実のものとなる。
鞍上は新馬背から乗り続ける蛯名正義。武豊と同期。
武豊のような華々しさはなかったが、関東のトップジョッキーとして人気を集めてきた。
1996年、バブルガムフェローの天皇賞秋で初G1制覇。
24のG1制覇を果たしてきたが、まだないダービー制覇。
2012年、フェノーメノでディープブリランテのハナ差2着。もはや、『悲願』となった。
イスラボニータを得て、『今度こそ』、狙うは勝ちしかないッ。
皐月賞1番人気2着、トゥザワールド。
父キングカメハメハ、母トゥザヴィクトリー。全兄は重賞5勝、トゥザグローリー。
『良血』の誉れ高いトゥザワールド。
6戦4勝、2着2回。戦績的にはイスラボニータとの違いは、皐月賞1,2着の差だけ。
何よりも大きな、わずかな差だった。
臆することはない。自らの走りをすれば、勝てない相手ではない。
後方一気、皐月賞は届かず4着だったワンアンドオンリー。
父ハーツクライ、母ヴァーチュ。
7番人気で勝ったラジオNIKKEI杯2歳Sのころから、切れ味に磨きがかかった。
弥生賞では最速の上がりでトゥザワールドにハナ差まで迫る2着。
皐月賞でも最速の上がりを見せた。
ワンアンドオンリー=『唯一無二』の切れ味でどこまで食い込む、か!すべては流れ次第。
鞍上は勝負師・横山典弘。最高峰レース・ダービーで、いかにワンアンドオンリーに『唯一無二』のレースをさせるか?
ワンアンドオンリーが所属する栗東・橋口弘次郎厩舎。橋口師は定年まで残り2年。
ダービー2着は4回、ダンスインザダーク、ハーツクライ、リーチザクラウン、ローズキングダム。勝っても不思議でない有力馬を擁しながら、2着に甘んじてきた。
『お世話になってきた橋口先生。がんばるしかないと感じていた』と語る横山典弘、ワンアンドオンリーで勝負をかける!
桜花賞2着から参戦する牝馬レッドリヴェール。
4戦3勝、2着1回。ハープスターとはハナ差勝ち、クビ差負け。
決して実力で劣るとは思えない牝馬。
最大の弱点があった。体質の弱さから、一度の走りで疲労が溜まり続けてレースができない。
新馬戦1着、3カ月弱、札幌2歳S1着、3カ月余り、阪神ジュベナイルフィリーズ1着、4カ月余り、桜花賞2着。
これがレッドリヴェールのローテーションなのだ。
桜花賞から少しでもレース間隔を空けるはため。ダービー出走ための理由はそれしかなかった。
それでも、桜花賞から2カ月弱の出走。はたして出走態勢は整ったのか?
注目は、それ一点。
ディープインパクト産駒、トーセンスターダム。
新馬戦・京都2歳S・きさらぎ賞、デビューから3連勝で注目された逸材。
2億5000万円、セールで落札された馬。
武豊とともにクラシック制覇に出たが、皐月賞3番人気11着。
ダービーで見せるか!ディープインパクトの飛ぶが如く切れ味。
6月1日、ダービー。
1.サウンドオブアース
2.ワンアンドオンリー
3.マイネルフロスト
4.アドマイヤデウス
5.トゥザワールド
6.ショウナンラグーン
7.ウインフルブルーム 出走取消
8.スズカデヴィアス
9.アズマシャトル
10.ベルキャニオン
11.ハギノハイブリッド
12.エキマエ
13.イスラボニータ
14.タガノグランパ
15.サトノルパン
16.レッドリヴェール
17.トーセンスターダム
18.ワールドインパクト
1番人気イスラボニータ、2番人気トゥザワールド、3番人気ワンアンドオンリー。
4番人気レッドリヴェール、5番人気トーセンスターダム。
ゲートが開き、まず飛ばしたのはダート中心に走り、重賞含め3連勝中のエキマエだった。
トーセンスターダムが2番手を行き、内枠白帽、サウンズオブアース、なんとワンアンドオンリーが前に行った。
1,2コーナーを回り、外からイスラボニータが3番手に並び、ワンアンドオンリーはその後ろ、5番手に下げたが、意表をついた好位策。
横山典弘の勝負は、『鬼脚』を捨てたか?
ワンアンドオンリーの外に並ぶのはタガノグランパ。
その後ろにマイネルフロスト、ベルキャニオン、中団に馬群が密集した。
その馬群の中にいたトゥザワールド。
後方に牝馬レッドリヴェール。馬体は桜花賞より8㌔減り410㌔。
最後方に並んで行くのがサトノルパン、ショウナンラグーンだ。
ただ1頭7,8馬身離して先頭を行くエキマエ。
1000m通過・59秒6、エキマエだけがハイペースで行く。
離れた後続、トーセンスターダムは平均ペース。
3,4コーナー中間、ズルズルッと下がり始めたエキマエ。
故障か!
思わぬ先頭となったトーセンスターダム。
4コーナーを回って直線に入った。
粘るトーセンスターダム・武豊!
外からジリジリと迫るのはスラボニータ・蛯名正義!
まだ追わないッ。手応えに余裕を持った蛯名、目の前に迫るダービージョッキー!
外目に持ち出して、差してきたのはワンアンドオンリー・横山典弘だ!
坂を駆け上がって、内いっぱいを粘るトーセンスターダム。
内へ寄れた。
内ラチへぶつかった!
一気に下がるトーセンスターダム!
先頭に立ったイスラボニータ!
並びかけてきたのは、ワンアンドオンリーだ!
完全に抜け出した2頭。
3番手に上がってきたのは、12番人気マイネルフロスト・松岡正海!
16番人気、タガノグランパ・菱田裕二が懸命にマイネルフロストに迫る!
大外からようやく差してきたトゥザワールド!
先頭争いは一騎打ち。
『2冠馬』へ向けて、イスラボニータ!ダービージョッキーへ、蛯名正義!
勝つために、勝つために、勝負師・横山典弘。
橋口弘次郎師をダービー・トレーナーをとするために。
ワンアンドオンリーの『鬼脚』よりも、好位策にかけた!
火花散るイスラボニータ、ワンアンドオンリー!
勝つッ!
思いが強かったのは、
『唯一無二』の戦い、これ一戦にかけた、
ワンアンドオンリーだ!
ゴール前、イスラボニータを競り落とし、ゴールを切った。
ダービー馬・ワンアンドオンリーの誕生。
1着ワンアンドオンリー
4分の3馬身
2着イスラボニータ
1馬身半
3着マイネルフロスト
クビ
4着タガノグランパ
クビ
5着トゥザワールド
(つづく)
耐えろッ、馬群で我慢しろッ!
そして、