Isanan の駄文ブログ

… 自作小説(?)やら何やらの駄文を、気が向いたときにだらだらと書き連ねて行くブログです


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 松明の明かりが小さくなり、そして見えなくなるのをあなたは見送った。あなたは大木の根元にできた空間に闇の中一人取り残された。

 伝説によれば秘宝の力で巨万の富を得た者もいれば絶大な権力を手中に収めた者もいた。だがこれらの者達の末路は悲惨なものであった。一時は栄華を誇ってもやがて周囲の反感や嫉妬を買い、遂には失墜、没落して追い立てられる身になり果てた。そして伝説の結末では、秘宝を手にした者はその魔力で得た物をすべて失い、何処へとも無く行方知らずになってしまうのだった。このような終わり方ゆえに呪いの詳細はよく伝わっていなかった。あるいはこの結末自体が呪いの産物か、または望みを叶えるという魔力が必然的に呪われた結果をもたらすものなのかもしれない。

 あなたは予備の松明を取り出し火をつけようとした。だがその手を止めた。遠くから光が近付いてくるのが見えたからだ。あなたは少女がまた戻ってきたのかと思った。しかしそれは違った。近付いてきたのは、闇に連なって爛々と輝く魔物の目だった。


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 そう言って少女はまたすぐに出発しようとした。だが今度はこれにそのまま従うわけにはいかなかった。

「どうしてですか?こんな危険な森、早く脱出した方が良いですよ。あ、大丈夫です。今度はちゃんと出口に着きますから。さあっ。」

再び腕を引張って少女は同行を求めたが、あなたはそれを制した。そして自分の目的は秘宝を探すことであり、一緒に森から出ることはできないと伝えた。

「秘宝を探すって…、そんな、絶対やめた方が良いですよ!危険過ぎます。闇の森をさまよおうなんて。私も秘宝とその魔力の伝説は聞いたことがあります。でも、あれの魔力は手にした者の望みを叶えるためでは無く、その者に呪いを授くためにあるのだと。そう伝わっていました。そんな危ない物のためにこんな危険な場所を行くなんて、やめましょうよ。それよりも私と一緒に…。」

少女はもう一度あなたの腕をつかんだが、あなたはその手を振り払った。

「そんな…、どうして自分から好き好んで危ない目に会おうとするんですか?見つけるまでに命を落とすかもしれないし、見つかっても呪われるだけかもしれないのに。それなら…、私もう知りません!」

少女はあなたの手から松明をひったくった。そして森の中へと一人だけで立ち去っていった。


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 あなたの行こうとした先はくさび型にせり出した岩壁に遮られて左右に分かれていた。少女はそこを左に行けと言っているようだった。あなたはその言葉に従ってみることにした。

 そちらに進むと地面は非常に崩れやすく、大小様々な岩が転がっていて歩きにくいことこの上なかった。岩壁は上部が張り出し、垂直と言うより逆傾斜になって覆い被さるようにそびえ立っていた。足元を注意して歩いていると、あなたの頭に何かが当たった。小石が落ちてきたようだ。あなたは立ち止まって上を見上げた。そのとき目の前を掠めるように岩が落下してきた。上の方から轟音が響いてくる。崩落だ。あなたは大急ぎで引き返した。石つぶてが降り注ぎ、岩が間近に落ちて鈍い音をたてた。あなたはその中を走り抜けようとしたが、石につまづいて転倒した。頭を抱えて地面に伏せ落石の雨を必死に耐える。石が体を打ち大岩の地面に落ちる音が体に響いた。

 やがて崩落はやんだ。幸いにして直撃を受けずに済み、大きな怪我を負うことはなかった。あなたは顔を上げた。そこには黒髪の少女が立っていた。どうやら元の場所まで戻ってきたようだ。少女は笑みを浮かべながらあなたを見下して言った。

「どうだ、言った通りだろう?この森は危険だと。」


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 少女は近付いてくると無遠慮にあなたの姿を睨(ね)めまわした。

「知らずに入ったのなら当然のこと、知ってて入ったのならなお一層のうつけ者だろう。ここは危険な場所だ。何故森に来た?」

答える義務はなかったが、あなたは答えた。秘宝を求めてだと。それを聞くと少女は笑みを浮かべたが、それはいかにも軽蔑したような笑顔だった。

「ふん、秘宝だと?この森のどこにあるかも分からない、単なる言い伝えに過ぎぬかもしれない秘宝のことか?どんな望みを抱いて来たのか知らないが、やはりおまえは馬鹿だ。」

これ以上話していても時間の無駄のようだ。あなたは少女を無視して先へ進むことにした。

「待て。」

後ろから少女の声が響いた。

「もし秘宝探しを続けるつもりなら、そこは左に行った方がいいぞ。」


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 闇の中で松明の明かりに照らし出されたのは黒髪の少女だった。少女は冷たい視線をあなたへと向けた。

「この闇の森に足を踏み入れる者がいるとは…。」

その声には刺すような響きがあった。

「どうやらおまえは相当な愚か者のようだな。」


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