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IT'S A WONDERFUL LIFE~素晴しき哉、人生!

ヒラウジイサム的マイペースな日々をのんびりと綴ります。
音楽、写真、演劇、絵、映画、ゲーム…多趣味人間。大阪在住。

初めて「バンドがしたい」と思ったのが、20歳の頃。
歌うのは好きだったけど、人前で歌う事はそんなになかった。

カラオケもまだ今みたいにあちらこちらにはなかった時代。
それこそ1曲100円とかで、歌謡曲を大人達が歌いにいくような場所だった。


幼少の頃から音楽は好きだったけど、授業が少々苦手だったのは、合唱する時に周囲の友達と声の高さが違ったから。
明らかに1オクターブ違ったんだけど、当時はどうして自分だけが周りと同じように歌えないのかがわからなかったし、コツがあるのか何なのか…と頭を悩ませたものだった。

でも歌は好きで、親から「うるさい」と言われながらずっと家で歌ってた。


それから時は流れ、
ピアノやったりブラスバンドに明け暮れたりして気ままな音楽ライフを送っていたジブンは社会人となり、こじれた大人社会に巻き込まれ、体こわして心も病みかけて10代後半という最も青春な時代をボロボロに過ごしていた。

その頃、自分を支えてくれていたのが音楽。
とあるバンドの曲が自分に元気を与えてくれた。


それからしばらくして体調も限界となり退職したけれど、
その頃元気づけてくれた音楽を、「自分もしたい」と思った。

当時流行っていたバンド雑誌のメンバー募集コーナーに、「ボーカル希望です」と早速送って、初めて会ったバンドマンが、A氏だった。


「それじゃあ、カラオケ行きましょう。歌が聴きたいし。」


そう言われ、当時やる気だけは凄まじかったジブンは、緊張しながらも精一杯歌った。

バンドの話を少しして、
「それじゃあ、また連絡します。」
そう笑顔で言われて、その日は別れた。

初めてのバンド、初めてのボーカル。
どんな感じなんだろう?
夢や希望はどんどん膨らんでいった。



だけど、連絡がくる事は、なかった。

ショックは大きかった。
趣味のバンドで、お互いが好きな音楽も共通しているし、普通に話もできていたのに…
「歌って、連絡が途絶えた」という事実も本当にショックだった。

「やっぱりバンドボーカルってのは、アマチュアでも上手くないとダメなんだ…。厳しい世界なんだ…。好きなだけじゃダメなんだな…」。


歌への情熱を打ち砕かれたものの、どうしてもバンドをやりたいという「バンド熱」は冷めるどころか強くなったので「じゃあ、ギターをやるか…。」と、安易にギターに転向。(笑)

残っていた給料で安めの黒のレスポールを買って、レッスンに通った。
そして、初のバンドマンデビューはギターとしてだった。

なっさけないくらいのへっぽこギタリストだったので、相当迷惑もかけたと思うし、人の事言えたモンじゃないけれど、、、
実はそこのボーカルがあまり上手ではなく、「え?バンドボーカルって誰でもなれるの…?」とはたまた衝撃を受ける事となる。

歌いたいのを相当ガマンして、苦手なギターを必死にやっていた自分が滑稽に思えた。



そしてその頃、

それまでさんざん連絡をよこさなかったA氏から、突然一通のメールが届いた。

「もしや・・・」
慌てて文面を開くと、

「今度ライブやるんで来てください。」

ひとことの謝罪も無く、自分のバンドの告知をぎっしりと送ってきた。

は?!なんだとこの野郎!…である。(笑)



その日から、ある決意した。
やっぱりジブンは歌が好きだから、歌いたい。
ボーカルになりたい。

だけど、あんな惨めな思いはもうたくさんだ。

歌を聴かせて断られるようなボーカリストにだけは、もうなりたくない。


それから、親のカセットテープレコーダーを借りて(半ばカリパク)、歌っては聴いて歌っては聴いての繰り返し。
自分で歌っている感覚と、実際に聴く歌や声ってこんなに違うものなんだ…って、ガッカリしたりショボくれたり絶望したりを何度も繰り返しながら…今に至ります。


今年から、また新たなバンドを組むので、バンドも17年目。
ボーカル歴は15、6年目。
今もまだまだ、勉強の身です。

悲しいかな、あの時の悔しさは少々トラウマになっているようで、
バンドをやっていても「捨てられたらどうしよう」と思ってしまう。
いつも何かに追われながら練習しまくって歌っている感じです。


そしてつい先日、久々にA氏から連絡がきました。

相変わらず、趣味でバンドを続けているという事と、ちょっとした自慢が添えられていました。

…そっちも相変わらず。(苦笑)


この時期にメールとはいえ、また再会するとはね。
「腐れ縁」とは、この事か。


A氏のバンドの演奏を聴くつもりは、今後一切、ない。
さぞや上手いボーカルなんだろうけど・・・そこだけには負けたくないな。

元来、負けず嫌いな性格じゃないし、勝負事も嫌い。自分自身と闘っていればそれでいいじゃない?という気ままな性格なので、他には勝とうが負けようがホントどうだっていいけど、
そこだけには絶対勝つ。


結果が見える事はないだろうから、
とにかく歌おう。

今日も
明日も
明後日も。