さて、前回、乞うご期待と言っていた「かつしか落扇指南所おさらい会」が終わって早二週間がたちました。

 

おいでいただいたお客様にはご満足いただけたでしょうか?

 

入蔵も、友人知人多数にご来場いただきました。

 

入蔵は、皆さんが色々と苦労をして、時間の都合を付け、要に応じてご同伴の方の手配もしてくださり、体調も整えてきてくださっていることを知っています。

 

心から感謝いたしております。

 

もちろん、プロのような技術があるわけではない我々の落語です。

 

そういった完成度の高い「噺」を求めてご来場いただいた方がもしいらしたら申し訳ありませんでした。

 

でも、様々な立場、状況下で日々生活している我々素人の「お客さんに楽しんでいただこう」との心からの願いが皆さんに伝わっていたらいいなあと思います。

 

以前にも書きましたが、我々は素人ですから「まず、自分が楽しむ」ことを第一に考えています。

 

でも入蔵は「かつしか落扇指南所」の面々の落語が大好きです。なぜなら、うちのメンバーの場合は「自分が楽しむ」=「お客を楽しませる」になっているからです。

 

どんな習い事でも、ふつうは「その道のプロ」に寄せていく努力をするものではないでしょうか?

 

悪くはありません。もしかしたら本来「そうあるべき」なのかもしれません。

 

でも、入蔵は前述した指南所の素人っぽい「楽しませたい」雰囲気が大好きです。

 

もちろんプロは「最高の技術でお客を楽しませよう」と思っているに違いありません。

 

でも、その技術が「ほのぼのとした自然な和やかさ」を少し損じている場合があるような気がします。

 

料亭料理にも家庭料理にも、各々の良さがあって、どちらが上か下かその「必要性」や「価値」などを軽々しく論じられないのと同じような気がします。

 

かつしか落扇指南所のブログにおさらい会の報告が書かれています。ご興味のある方はそちらをご覧ください。記事の筆者は金朝さんです。文章のプロです。

 

文章で入蔵が勝てるわけはありません。

 

でも、入蔵は金朝さんが記事の中で触れていない、あるいは触れていても、少し違う感想を入蔵の視点から書いておこうと思います。

 

入蔵が思うに今回の会の目玉は第三部の「牡丹灯籠 『お札はがし』『栗橋宿』」のリレーだったと思います。

 

かつしか落扇指南所のおさらい会では出囃子はCDではなく囃子屋フッキーさんの生三味線です。

 

フッキーさんは入蔵には考えられないくらいに体力気力のある方で、開口一番からトリまで、通しで一人不休で三味線を弾いてくださっています。

 

このリレー落語の前にフッキーさんは自らのご提案で長唄「鷺娘」の一節を唄ってくださいました。怪談のリレーですから出囃子はありません。

 

鼓に模した太鼓の「テン」という一音に続き、渋く、つややかなお声で「妄執の雲晴れやらぬ朧夜の恋に迷いしわが心」と照明を少し落とした場内に長唄が唄いだされると場内は一気に牡丹灯籠の語る時代の空気に包まれていきました。

 

第二部の最後に扇好師匠の高座があり、師匠は新宿末広亭の昼トリをお勤めになるために会場を一時後になさいました。

 

ですから、お客様の中には三部をご覧にならずにお帰りになった方もいらっしゃいました。

入蔵は少し残念だったなあと思います。

 

こういう怪談と滑稽話とどちらが難しいということについてはいろいろとご意見があると思います。やはり落語では「笑いを取る」ということが一番難しいのかもしれません。

 

でも、素人で落語を稽古している身としては、話の筋をきちっと記憶して語らなければならない噺は稽古の負担が大きいです。その点で難しいです。

 

入蔵には無理かもしれません。常助さん、葉月さんともに熱演でした。

 

さて、今回は休演がいつもより多かったおさらい会でした。

 

第五部の入蔵推薦の梅助「転失気」の次に上がる予定だった一升さん(演題 武助馬)も休演になりました。

 

一升さんの次に上がる予定だった今度さんが「一升さんは遠くの方に旅に行かれまして休演です」というと客席には笑いがおきました。

 

指南所のブログをご覧になった方はご存知のように遠くとは「西の方」でした。

一升さんはおさらい会の一週間ほど前に亡くなったのです。

 

でも、このような伝え方でよかったと入蔵は思いました。穏やかで優しい一升さんもきっと許してくださっていると思います。

 

一升さんはとても生真面目な方できちんと稽古をしないとうまくできない、渋い噺をお好みでした。「松山鏡」しかり「武助馬」しかり。

 

愛用の自転車でどこにでも出かける方で、人格、身体ともにお健やかな方でした。

 

入蔵のようなものが馬齢を重ね有為の方が亡くなるのは本当につらいです。

 

体調不良で、他の場所での高座を全てお休みして、この会に出演したじゅく然さんが、それを感じさせない、いつもの和やかな高座をお勤めになって第32回かつしか落扇指南所おさらい会はお開きとなりました。

 

以上ご報告いたします。

 

入蔵は1214日(土)に葛飾柴又の寅さん記念館無料休憩室で13時から15時まで開催される素人落語会に出演いたします。

 

演目はおさらい会と同じ「天災」です。

 

おさらい会での入蔵の「天災」がどうだったかについては、自慢話(!)を別記事で書く予定(あくまで予定)です。

 

記事が書かれなかった時に備えて「聞いておこう」と思った方は寅さん記念館においでください。

 

無料ですが、噺の途中での人の出入りがあるのと、人数があまり入れないことをあらかじめご承知おきください。

 

では、また(^^)/