「The Search(あの日の声を探して)」(2014)見つかる声、失われる心・・・ | 時は止まる君は美しい

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巡りあった美しい人達の記憶を重ねます・・・
B面ブログ「扉・鎧戸・宵の口」も始めました。

 

生きること、出来ること・・・

 

ミシェル・アザナヴィシウス監督作品。(フランス・グルジア)135分

ベレニス・ベジョ様アブドゥル・カリム・ママツイエフ様アネット・ベニング様

 

 

1999年第二次チェチェン紛争の勃発により、ロシアからの侵攻が行われた。

民間人へも、容赦ない殺戮が行われる。

ロシアからの独立派と、残留派に分かれた争いは、それぞれの勢力、ロシア軍、

共に、多数の犠牲者を出したことで知られています。

ひとつの国の中で国民が分かれて、殺し合う。

 

 

ロシア軍の介入や、自爆テロの多発等、

「普通」に暮らしていても、すぐ横に「死」存在する世界。

ちょっと、実感として想像し辛いものがあります。

 

 

わずか9歳の少年ハジですら、目の前で両親が殺された時、

逃げなくては殺されるという事が、はっきりわかっている。

姉も殺されただろうと、赤ん坊の弟を抱えて、見つからないよう逃げるハジ。

 

 

 

このままでは、弟も自分も共倒れすることも、解るんですね。

見知らぬ家の玄関先に、弟を置き捨て、街へと向かう。

 

 

そこで、彼を保護するのが、赤十字。しかし、両親を失ってから、

をも失ったハジとのコミュニケーションはとれない。

赤十字から逃げ出した彼を、フランスから調査に来ているEU職員のキャロルが保護

話しは再び赤十字に戻り、キャロルは助言を求めに行く。

そこで出会うのは、ハジと面会していたヘレンだが、多忙すぎて追いつかない仕事に、

イラつくヘレンは、結局、現実的に何の役にも立っていないEUの職員である、

キャロルに毒づいて、結局、言い合いのような形に。

 
 

ひとまずハジとの生活を始めるキャロル。二人の物語と並行して、

ロシア強制入隊させられた青年コーリャが、ナイーブ一市民から、

狂気の兵士へと変貌していく様が描かれます。

 

 

 

 

自分が生きる為には殺さなくてはならない世界の中、をされ、失うしかない

最後、ようやく心が通じ合い、ハジがを出し、キャロルは彼を引き取る決心を。

 
 
 

 

ヘレンに報告に行くと、そこに驚く偶然が訪れる。

ヘレンが知り合っていたのが、先に、赤ん坊の弟を保護出来ていただった。

 

 

 

 

ハジは家族と再会出来る。

一方、死体が散乱する中、遺体から金品強奪するコーリャ。

 

 

彼が手にしたビデオカメラには、ハジの両親惨殺される映像が遺されて。

「アーティスト」の監督、アザナヴィシウス様とはぴったりとこないものはある中、

赤十字で、人手も時間も足りず、キレながら行動し続けるアネット・ベニング様が、

現実的に、心を直撃して下さいました。