一瞬燃えあがったヴァンプ
Pola Negri（ポーラ・ネグリ）様、1897年1月3日～1987年8月1日、享年90歳。
当時、ロシア帝国領だったポーランド王国でご誕生、バレエダンサーを志すも、
病気で断念。その後、順調に女優として活動を開始。
ポーランドで人気を確立した後、ベルリンへ移り、
Ernst Lubitsch（エルンスト・ルビッチ）作品に出演。
「Madame Du Barry（パッション）」（1919年）はルビッチ監督作品ですね。
成功を期しての、1922年、ハリウッド入り。
エキゾチックな容姿を持つヴァンプとして活躍。
いきなり浮名を流したのが、チャールズ・チャップリン様やルドルフ・ヴァレンティノ様。
お見事な「聖林」物語なのだけど、今一つ、作品がピンとこない。
「The Cheat（チート）しか、拝見していないんですよね。
あれでは、東洋人に対する白人の役だったから、エキゾチックさの演出はなかったし。
でも、確かに、ポーラ・ネグリ様というと、エキゾチックな御容姿はイメージ。
ヴァレンティノ様が亡くなられて、ご遺体をニューヨークからロサンゼルスへ移す間中、
停まる駅ごとに、失神してカメラサーヴィスされたというから、あっぱれ。
婚約していたというのがご本人の弁ですが、それは嘘で売名行為だとも言われたとか。
↓ ルディ様が可愛がってらしたわんこさんと似たタイプのわんこさんですね。
ポーランド訛りが強い言葉も、むずかしかったようで、
一気に登りつめたキャリアが、その頃を境に、下降。
1927年に、グルジアの王子だと主張する軍人と結婚。
あの頃、「貴族と名乗る相手と結婚」って、ありがちな気がするけど、王族！？
この怪しい王子様が、彼女の財産を投機資金に流用、
1929年の株の大暴落で大損→ご離婚。
この結婚では、流産も経験されておられ、たった2年、きつい期間だっただろうと思います。
1932年、RKOの映画の劇中歌「Paradise」が当たり、歌手として全国興行を。
しかし、往年の人気は得られないまま、1934年、フランスへ移り、ドイツ映画の出演。
今度は、ヒトラーのフランス侵攻で、1939年、アメリカに再渡航。
Billy Wilder（ビリー・ワイルダー）監督の1950年「Sunset Boulevard（サンセット大通り）」
ノーマ・デズモンド役のオファーは、始め、ネグリ様にされたというから、
歴史はどう転ぶか解らない。「ティファニーで朝食を」のようなもの？
Gloria Swanson（グロリア・スワンソン）様の体当たりの演技で、不朽の名作となるのだから。
といっても、ネグリ様、女優としての頂点が、ごく初期であっただけで、
1951年には、アメリカ市民権を得、テキサスに住む、女相続人の親友の元で、
亡くなられるまで20年くらい過ごされておられるので、穏やかな老後でらしたのではないかな。
昨日に続き、目出度く、ご長寿を全うされた美女でありまする。
逞しく生き抜いた、ネグリ様。
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