　今年も暑かった。なぜ盆の終わったあとの１７日、昔ながらの山道作りである。年々高齢化、いや亡くなったり作業不能者も増え、少人数のため暑さが作業に響く。

　私有財産は永遠に宝物であり、子々孫々までつながっていくものだと信じてきた我々世代である。しかし、山畑、山林に経済的価値がなくなると、どこにその土地があるのかさえ知ろうとしない。

　だから行く人のない山道は、荒れ放題である。最近の豪雨により山崩れも、強いて言えば山に人が入らなくなった結果である。

　山道は「水はけ」をどこに設けるかが重要である。落ち葉を片づけながら、水路を考えながら登りあげる。上からのチームと合流して作業完了である。

　話は変わるが、今年も「古道再生人：松本潤一郎」さんが参加してくれた。彼は余所から来られた方だが、今も山道作りをしている集落があると聞いて３年ほど前から参加している。今年は仲間３人を誘われて作業してくれる。

　作業は午前中で、夕方になってから公民館で直来が始まる。山の神の掛け軸を飾り、一杯飲む会である。

　作業を一緒にし、汗を流してからの一杯の効能は最高である。初めからうち解け、話に花が咲く。こんな時のお願いは素直に受け止められるのが不思議だ。

　参加してくれた潤一郎さんの夢を聞き、またこちらからお願いをする。手詰まり感の町おこしに光明が差した思いとなる。

　台風シーズンを前にしての山道作り完了。その安心感がこのような雰囲気を作ってくれるようである。赤ら顔の「山の神」が我々を見守ってくれているようである。

　画像は、山の神の掛け軸。髭が潤一郎さん、禿頭が７８歳の私である。

風祭に