日本に選挙制度が導入されてから史上初かもしれない。
・NHK党が選挙ポスターの掲載場所を市民に販売
(そのうち風俗店のポスターは風営法違反となり別のに交換)
・某男性候補者が女性のヌードポスターを選挙ポスター掲示板に貼り出し、警察から青少年保護育成条例の警告を出される(ポスターはすべて回収)
選挙が奇抜な言動、表現をしたい人達のおもちゃになっていて納税者として呆れます。
特に考えさせられたのはヌードポスターの件。
(最初聞いた時は後藤輝樹氏がまた自分の裸をポスターにしたのかと思ったのですが、河合悠祐氏が女性のヌードポスターを掲載したと知りました。後藤氏には失礼しました)
ネットでどんなポスターなのか見ましたが、もちろんあれを町中という公共の場に掲載することには反対します。
みなさんがよく言う「子ども達に見せられない」もその通りですが、大人でもヌードは見たくない人、家で一人で見るならいいけど町中では見たくない人もいます。
「子どもが見なければ町中に貼ってもいい」という問題ではありません。
しかしここで疑問なのは
・過去に股間の部分のみを隠した自身のヌードポスターを選挙ポスターにして掲載した後藤輝樹氏、
「アベノマスク」をブラジャー代わりにして上半身裸になった写真を掲載した新藤加菜氏は警察からの警告を一切受けず、
今回の河合氏のポスターは警告を受けた。
その判断基準はどこにあるのか?
正直なところくだらないですが、選挙ポスターに警察が介入するのです。
条例違反と判断する基準は社会に明示する必要があります。
また、選挙とは関係ないですが電車の中のグラビア雑誌の吊り広告はどうなのでしょうか?
少なくとも私が普段乗る電車では見かけなくなってきましたが、法律で規制されてはいないから路線によってはまだあると思います。
私が10代のときはグラビア雑誌の広告が普通に吊られていたので、毎朝のように目に入ってきました。
正直なところ見たくありませんでした。
だからなるべく上の方を見ないようにしていましたが、それでも満員電車の中では首を動かせる範囲も少なくて、どうしても目に入ってしまう事が多々ありました。
今から考えれば、未成年も乗る電車の中に扇情的な煽り文句付きの水着姿の女性の写真は載せるべきではありません。
しかし今も電車という公共の場でそういったポスターを掲載したら鉄道会社が警察から青少年保護育成条例違反の警告を受けた、といった話は聞いたことがありません。
河合氏を擁護するつもりはありませんが、どこまでがセーフでどこからがアウトなのでしょうか?
グラビア雑誌の広告は、今も紙の新聞の下部に掲載されています。
大人の私が見ても目を逸らしたくなる内容です。
「小中学生には新聞を読ませると社会の事が勉強できていい」と、私が小中学生のときにも言われていましたが、このような広告を載せる限り私は紙の新聞は子どもに読ませたくありません。
しかし学校の宿題で新聞って使いますよね?
今はどうか知らないけど、私が小学校のときは「同じ日付の朝刊を学校に持ってきてクラスで見せ合い、新聞社によって内容が違うことを学習する」という授業もありました。
そう考えると「子どもには小学生新聞や中高生新聞を読ませればいい」では片付けられません。
私みたいにグラビア雑誌の広告を見て気分を悪くする大人もいるのですし、紙にせよデジタルにせよ新聞から性的な広告は廃止して欲しいです。
「子どもの目にも触れてもいい(女性の肌の露出の)表現」ってどこまでがセーフでどこからがアウトなのか、本当に疑問です。
過去にはVチューバーの露出の多い服装や、
露出の多い服装をした女子高生のキャラクターのポスターがファンではない一般人から問題視され、
ファンがそれに反発してXでバトル(誹謗中傷と炎上)が繰り広げられる、という事態が多発してきました。
①【VTuber戸定梨香の千葉県警交通安全動画】
https://www.tokyo-np.co.jp/article/135429
VTuberの戸定梨香さんが千葉県警の子ども向け交通安全動画に出演した際、ミニスカートにへそ出しのセーラー服という露出の多い服装だったため、フェミニスト議員連盟から抗議を受けました。
VTuberの運営側は反論しましたが、交通安全動画は非公開になりました。
そこからVTuber側vsフェミニスト議員連盟、と言うかどちらかに味方する人達、要するに「表現の自由戦士」のオタクvsフェミニストのバトルが勃発しました。
私はこれを見ていて
・これは「表現の自由」とか「露出の多い格好をする是非」の問題ではなく、警察が公開する子供向けの交通安全動画に露出の多い格好をした出演者は相応しくないという、TPOや公共のマナーの問題なのではないかと思いました。
小学校1年生も夏休みの宿題か何かで視聴することを想定すると、この服装は刺激が強すぎると思います。
もしこれが小学校の交通安全講習に警察から1日署長の女性タレントがへそ出しのミニスカポリス姿でやって来た、というシチュエーションだったら擁護派も少なかったのではないか?
保護者や地域住民から抗議が何件も来て、それがニュースになって「非常識なタレントだな」で終わっていたと思います。
②【温泉むすめ不適切キャラ設定問題】
困難を抱える少女や若い女性を支援する女性活動家が、出張先で見かけたという「温泉むすめ」のキャラクターの設定に抗議。
「温泉むすめ」とは全国の温泉地をイメージした何十人ものキャラクターなのですが、うち何人かに
「夜這いを待つ」
「他の温泉むすめのスカートめくりをする」
「高校生(実際には高校生に見える温泉の神様)が飲酒をする」
といった不適切な設定があることを批判しました。
また彼女は、温泉むすめのような萌え絵を性搾取や性差別と地続きだと批判しました。
一連の抗議に表現の自由戦士のオタクが反発しバトル勃発。
私は以下のように思っています。
・上に書いた不適切な設定はやめるべき
(そもそも温泉むすめは制作者が温泉地の許可を得ずに勝手に作ったキャラクターであり、キャラ設定に温泉地は関与していません。
温泉地の名誉のために明記しました)
・萌え絵が性搾取や性差別を引き起こす原因かどうかは分からない。
そうだという研究結果が出てない限りは、私は萌え絵を表現する自由・愛好する自由は擁護したい。
だからといって私が萌え絵が好きだという意味ではない。
・温泉むすめ目当てではないが、ある温泉地に行った時に偶然駅に温泉むすめのパネルが飾ってありました。
ミニスカートの子だったけど、露出が多すぎたので子どもを含む不特定多数が行き交う公共交通機関にこのパネルを飾るのはなんか違うな、と思ってモヤモヤしました。
・しかし、その温泉むすめが別のポスターでは女子大生の読むファッション誌に載っていそうなオシャレな冬服で載っていて、露出も少なかったため「可愛いな」と好意的に受け止めました。
・結論「結局はTPOの問題、子どもも居る公共の場で露出の高い服装をするのが問題なだけであり、ファンしかいない場で露出の高い温泉むすめを愛好するのは悪いことではない」
温泉むすめは制作者が温泉地の許可を得ずに作った温泉地PRキャラクターである。
(実際に温泉地がキャラをPRに使っているケースもあれば、使っていないケースもある)
だからこそ温泉地の風評を落とさないためにも、不適切なキャラ設定は廃止してほしいし、そもそも設定するべきではなかった」
③【大阪駅に掲載された「じゃんたま」と「咲」のコラボ広告問題】
https://bunshun.jp/articles/-/59127?page=1
広告に描かれた女子高生の露出が高すぎる、と元国会議員がツイッターで指摘したらオタクや表現の自由戦士達から叩かれて炎上。
これも、子どもを含む不特定多数が行き交う公共の場で掲載するには不適切だったというだけで、作品自体が否定されたのではありません。
①から③(他にも細かい事例はあるんでしょうが割愛)を見ると、公共の場に掲載していい露出系はどこまでが許容範囲なのか、社会的な合意が形成されてないのが分かります。
もちろんそういうものは時代によって変わりますし、人々の価値観の変化に柔軟に対応するためにも安易に法律や条例で細かく具体的に指摘するのは反対です。
とはいえ今回の選挙ポスターの事例もあります。
具体的にいえばヌードポスターが子ども達の通学路に掲載されたままになるという事態を防ぐためにも、今の青少年保護育成条例みたいな必要最低限の法律や条例による規制は必要です。
とはいえ、どこまでがセーフでどこからがアウトなのか本当に分かりません。
河合氏やヌードモデルのファンからすれば「後藤輝樹と新藤加菜と電車の中吊りは良くてこれはダメなのはなぜだ?」ってなりますよね?
(常識で考えて理解しろよ、と私は思いますが)
私的には上に書いた戸定梨香、温泉むすめ、じゃんたま×咲のコラボ広告の露出の高さは公共の場に掲載するのはアウトなのですが、世間的にはセーフみたいですよね?
「Xで一部のフェミニストが大騒ぎしてるだけ」みたいな扱いを受けています。
「一部のフェミニスト」の中に私は入ってないのですが、萌え絵自体には許容のスタンスを取っている私まで一緒にされたくはありません。
また、電車のグラビア吊り広告も最近では減っているとは言え、まだあるところにはあると思います。
これも私的にはアウトですが世間的にはセーフです。
結論は出ませんが、モヤモヤします。