先月末、新宿発の夜行バスに乗るべく、半年滞在した湯島のマンションを出た。湯島天神と神田明神にご挨拶。ついでに湯島聖堂にも。時間もあることだし、御茶ノ水から電車には乗らず、歩いて向かった。これまで通勤していた道を進み、将門公首塚へ立ち寄り、皇居へ。大手門から入って少し散策。天気が思わしくない。ついにぱらぱらと降ってきた。台風が迫ってきていた。徒歩を諦め行幸通りを東京駅へ。復元された東京駅舎がせまる。屋根材にはなじみのある雄勝のスレート材。
駅に着いたものの、新宿に電車ではあっという間。つまらない。外は時折強風が吹きつけ、雨も断続的。やっぱり歩いて新宿へ向かおう。丸の内の小洒落た町並みをテクテク。いろんな店が並ぶ。最先端のモノばかりが集められ、趣向凝らされた、絵に描いたような空間。ワタシにとってあまり意味のある空間ではない。何も、ない。
小雨の中、皇居のお堀沿いを南から西へと進む。東側とはまた違った雰囲気がある。雨のたそがれ時、西へ向かった。四ッ谷を過ぎ、新宿へ着いた頃には風雨は強まっていた。
雨風をしのぐのと時間を潰すのに適当な場所を探そうとしていた時、行き交う人々の大半が同じ紙袋を抱えていることに気付く。
今話題の「ビックロ」である。せっかくなので入った。
印象は、なにかと「うるさい」。特に視覚的に。そういうお店なのでしょう。
家電製品の脇にTシャツが売られていたりと、コラボの相乗効果があるのかはわからないが、お客に溢れてはいた。ユニクロというブランドにさして興味もなく、家電も取り立てて今必要ない自分はお客ではなく雨宿りの野次馬でしかなかったが、せっかく来たのだからと、電池を購入。店員がビニール袋に入れようとしたので、「ビックロ」と表記された紙袋のほうを指名。電池よりもこの紙袋のほうをネタとして欲しかった。その時だけは…。
その後、乗車時間までマックで過ごす。外は暴風、カラーコーンが吹っ飛んでいた。初めて役立った携帯のワンセグで情報を注視。新幹線や在来線はストップあるいは見合わせが多数。首都高一部閉鎖など、ほとんどの交通網に台風の影響が出ていた。半ば諦めモード。今夜はネカフェか漫喫か、などと考えつつも、バスの集合場所へ向かった。
様々なバス会社のバスが列を作り、お客が結構な人数たむろしていた。時々立っていられないほどの風が吹く。台風直撃の暴風雨の中でも、高速バスは止まらない。意外や高速バス強し。
バスは台風の進路に沿って北上。が、揺れはさほど感じない。それよりも窮屈な体勢で熟睡できず。
最後のトイレ休憩のSAを出てからはずっと起きていた。福島県境あたりだろうか、空が白みはじめるかわたれ時。
STONE SCULPTURE-夜景
車窓から、空を眺める。まだ星ははっきり見えた。そういえば東京の夜空でちゃんと星を見てただろうか。

台風と共に移動したにもかかわらず、予定の刻に仙台へ到着。
田舎者にとって巨大都市に見えた仙台も、9ヶ月の東京生活によって受け取り方は変わってしまっていた。
今度は在来線で南下。仙台から遠のくに従い、町並みは徐々にまばらに地味になり、そしてついにはただただ広がる田んぼと、遠くそびえる山々だけという景色へと変貌。しかしワタシにとっては、ある。否、あるとかないとか以前。全てにすきまなく充ち満ちている。
みちのくの大地が静かにやさしく迎えてくれた…ような気がしたのは勘違いだが、その妄想にしばし浸りつつ、家路についた。

台風の中でもオチョコにならないオランダの傘

立体型 目もと温快アイマスク

三角コーン/伸縮式カラーコーン 工事現場.駐車禁止