事前に連絡もせず、ふと耕野へと車を走らせた。「伊達やさん」に到着も、お目当ての人の姿はそこにはなく、とりあえず、へそ大根とパンを買って店を出た。
耕野にはもう何度も通ってはいるが、目的の場所以外は行ったことがない。そこですこし散策することにした。
まったく無目的に徘徊でもよかったが、とりあえず周辺の寺社や祠、石碑石仏などを見て回る。そういえば耕野地区の中心部に位置する桃泉寺にはまだ行っていなかった。
参道の坂道を登ってゆくと途中に猫供養塔を発見。
STONE SCULPTURE-猫神様耕野
蚕を守る意味での神格化した猫神様と、家畜や愛玩動物の供養塔とは厳密に言えば違うのかもしれないが、そんな学術的カテゴライズはあまり意味をなさないような気がする。昔の人々の営みの中で育まれた祈りの気持ちの結晶であろう。
比較的新しい作りと見受けられる。他ではあまり見られない字彫りと小さな猫のレリーフの組み合わせがおもしろい。

その後国道349号沿いのカーブする場所に佇む春日神社へ。
STONE SCULPTURE-猫神様春日
こちらには「蚕養神」と刻まれた石碑が。福島の梁川一帯からこの耕野にかけて、養蚕文化が盛んだった歴史を裏付けるものだが、丸森町内各地にみられる蚕神、猫神様の分布を考えればもっと残っていてもよいような気がする。

阿武隈川を渡り、対岸から耕野を見渡す。この視点はなかなかいい。何事も近すぎたり中に入ってしまうと盲目的になりやすい。少し離れてみる時間を持つことは重要だ。普段なるべく客観的見地を念頭にものごとにあたってはいるが、ふと気がつくととても視野が狭い言動をしている自分に気付くことがある。
STONE SCULPTURE-阿武隈川3
常に変化してはいるのだろうが、大きな環境の変貌もなくこのロケーションは維持されてきたのだろう。
STONE SCULPTURE-阿武隈川1
損なわれることのないよう願う。
STONE SCULPTURE-阿武隈川2
阿武隈川の河原に降りたのは初めてではないが、石が多い場所はお初。最初は気分に任せてふらふら石の上を歩いていた。そのうち、彫刻の材料となりうる石を探しはじめた。どの石でも可能ではあるが、柔らかい堆積岩のほうが加工しやすい。しばらく見ていたがどうも普通の川原石、安山岩のようなモノが大半だった。結局材料は諦めた。
次に探したものは穴やくぼみのある石。
STONE SCULPTURE-石笛
そして発見。さっそく唇をつける。かなり難しいが、鳴った!自分で制作した石笛も意味があるが、本来の自然石の石笛というのも意義深いものがある。
帰り際に流木を発見。なかなかいい形だったので持って帰る。拾った時はさほど感じなかったが、広い河原から車に戻ってみると、かなり長いことに気付いた。車には無理なく入ったのだが…。
STONE SCULPTURE-流木
部屋に入れるととても長いことに驚く。2mはゆうに超える。さて、何に使おう…。

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