「挨拶ばかりでロクに食事も出来なかったでしょう?どこか外へ行きますか」


レセプションの後、ワタナベ夫妻のご厚意で和食の店へ。




IRIweBLOG ~入江ブログ~-スシ食いねぇ!




いわゆる「スシ」が名物の店。
職人のいるカウンター以外はラウンジバーのような内装で薄暗く、
卓上のキャンドルが仄かに周囲を浮き上がらせていた。


寿司ではサーモンロールが美味。
ヒューストンは港町なので、海の幸も新鮮なのだろう。


それ以上に美味しかったのは焼き鳥である。
肉に関してはさすがだなと思った。
ビールも進み、極楽気分。


「遠慮しないで、どんどん頼んで下さいね」


ご夫妻のお言葉に甘え、和紙で出来たメニューを手に思案する中島監督。


「そうですねえ……どれにしようかな」



……ん?何か焦げ臭いぞ。



「うわっ!か、監督っ、燃えてる!メニュー燃えてるっ!」



卓上のキャンドルにうっかりメニューをかざしていたのだ。
火はあっという間にメラメラと燃え広がり、カウンターよりも我々の席の方が明るくなった。
監督はそのメニューをまだ手に持ったまま、「あー、燃えちゃいました」



どんだけ冷静なんだよ。



慌てて駆け寄ってきた店員がエプロンでメニューごと炎を叩き消し、どうにか事なきを得た。


ったく、勘弁してよもう。
アメリカに来てレストラン一軒、灰にするとこだったじゃないの。


なのに監督ときたら、この満面の笑み。




IRIweBLOG ~入江ブログ~-アハハ、ドンマイ




無邪気すぎる。
でも憎めないんだよなあ。
ワタナベ夫妻、ホントすみません。私の監督不行届きでした。



その後、ご夫妻にホテルまで送ってもらい、監督と部屋へ戻る。
時差を含め、今日は何十時間活動したのだろう。長い一日だった。


ご夫妻はお忙しい身なので、明日からは我々のみで行動しなければならない。
放火未遂の監督と二人(笑)。前途多難である。


様々な思いが巡る中、いつしか私は泥のように眠っていた。