去った10月3日(土)に沖縄コンベンションセンターに於いて、「雇用・就労支援フォーラム」が開催されました。
今回で第10回を数えた沖縄県中小企業家同友会主催の「雇用・就労支援フォーラム」では、~障害のある方が地域で働き、地域で暮らすために~と銘打って、元厚生労働省事務次官の村木厚子様を講師にお招きしてのご講演がありました。
村木様は、障害者雇用の現状の報告から始まって、過去から現在に至るまでの行政を交えた障害者雇用の取組み、支援施策、環境の変化等について、多くのデータとともにご講演されていました。
気さくな印象の村木様は、穏やかな口調で、障害者を取り巻く環境やご自身の現場での経験を淡々と話されていましたが、障害者を雇用し共に働く環境づくりに対しての真摯で熱い思いが伝わってきて、表現できないような感謝の想いに包まれました。
私の実家は7名家族で、そのうち、父と長男である兄は既に他界しましたが、7名のうちの4名が障害者で、お嫁さんも含めると2名のろうあ者と3名の聴覚障害者です。
私は、家族の半数以上が障害者であるという環境の中で、子供の頃から家族の耳としての役割が当たり前のこととして育ってきました。
今でこそ、手話サークルや手話教室は各地域で開かれていますが、地域で手話教室が行われていることを知って、私が初めて手話を学び始めたのは30歳になってからでした。
その頃、私が受講していた手話教室は、ひとつのカリキュラムが終了すると、そこで解散というものが多くて、なかなか次につながらないというものでしたので、手話を習得して、兄や姉とたくさんの会話をしたいという昔からの想いを実現するためには、継続して手話が使える環境が必要であることを実感しました。
そのような中、いつの頃からか、税理士の資格を取得して事務所を構えるようになったら、兄を講師にして手話サークルを開きたいという思いを持つようになりました。
2~3か月ほど前に、弊所のHPをみて遠方のうるま市からAさんが無料の税務相談に来られました。
Aさんのご子息が、事業所得に係る業務や税務申告についての相談をしたいということでしたが、ご子息は身体に障害をお持ちで、移動がままならないということでしたので、代わりに相談に来たとのことでした。
私の周りにいる、身体に障害をお持ちの方々は、手先の器用な方が多いのですが、Aさんのご子息は、口に筆をくわえて写真に写った人物の似顔絵を描かれて、それを販売して行きたいという想いをお持ちでした。
「似顔絵」は、ネット販売で展開して行きたいということでしたので、業務を展開していく上での効率的な手法を思いつくままにAさんと確認し、税務申告に係る手続き等を指導させて頂いて、また、何かありましたらお声掛けくださいとお伝えして、その日の相談を終了しました。
先のフォーラムでは、障害者の方々に「雇用」の機会を広げるためには、家族を含め地域や企業のタイアップが必要であるということも提唱していました。
障害をお持ちの方々にも、ご自身の「想い・夢」を叶えるための手段として事業を展開して行きたいというということもあるので、「雇用」を「事業」に置き換えて、~障害のある方が地域で働き、地域で暮らすために~は、経営や税務に係る相談拠点も求められてくるのでしょう。
聴覚障害者の方々を対象として、手話を交えての経営や税務に係る相談も、そのあり方の一つではないかという想いが湧いてきています。
兄や姉とたくさんの会話をしたいという昔からの漠然とした想いが、地域や社会への貢献に繋がっていくことを考えると、一日も早く手話を習得したくなりました。
とは言え、やはり、小さな積み重ね。
これからも、皆と協力、模索しあいながら、税務相談の一つのあり方を実現すべく、少しずつ歩んでいきます。
最後までお読みいただいて、ありがとうございました。