「Colorful」 -Paine Full-
作:一般成人男性
※6月30日加筆修正
※サブタイトルに「Paine Full」を追加
役表 比率2:2
アッシュ(♂)・・・クロとシロの息子。活発。愚直。
グレイ(♀)・・・クロとシロの娘。聡明。好奇心。
クロ(♂)・・・研究者。アッシュとグレイのお父さん・シロの旦那。賢明。脆い。
シロ/サリエル(♀)・・・小説家。アッシュとグレイのお母さん・クロの奥さん。温和/人間の愛に魅入られた堕天使。悪趣味。
―――――――――――――――――――――
―四人が暮らす家、ダイニングにはクロ。朝食の準備が整っている。
クロ「アッシュ・グレイ、ご飯だよ~。二人とも降りておいで」
―クロが呼びかけると、やがて一人の女の子が降りてくる。
グレイ「おはよう、父さん」
クロ「ああ。グレイ。おはよう」
―続いてドタバタと男の子が降りてくる。
アッシュ「父さんおはよう!」
クロ「相変わらず元気だねアッシュ、おはよう」
―三人が食卓に並ぶとグレイが口を開く
グレイ「父さん、母さんは一緒に食べないの?」
クロ「ああ、母さんはね『籠らないと締め切りが・・・』って言って部屋から出てこないんだ。後で父さんがご飯持っていくよ」
グレイ「そうなんだ・・・残念四人で食べられると思ったのに」
クロ「ごめんね」
アッシュ「忙しいんじゃしかたないよ、冷める前にご飯食べようぜ」
クロ「そうだね・・・じゃあ、いただきまーす」
アッシュ「いただきます!」
グレイ「いただきます」
―――――――――――――――――――――
―ところ変わってきょうだい二人
アッシュ「なあ、本当に最近母さんみないよな」
グレイ「見てないね」
アッシュ「食事の時も出てこないし、おかしくないか?」
グレイ「でも、部屋の前で扉越しだけどさっきお話ししたよ?」
アッシュ「部屋まで行ったのになんで扉越しなんだよ」
グレイ「だってカギがかかってたんだもの」
アッシュ「カギ?」
グレイ「そう、カギ」
アッシュ「なんでまたカギなんか・・・」
グレイ「締め切り前だから気が緩まないようにって自分で父さんにお願いしてかけてもらったんだって」
アッシュ「ふ~ん・・・まあ、母さんならやりかねないな」
グレイ「そんなに心配ならアッシュも母さんのところ行って来たら?」
アッシュ「まあ、それもそうか・・・じゃあちょっと行ってくる」
役表 比率2:2
アッシュ(♂)・・・クロとシロの息子。活発。愚直。
グレイ(♀)・・・クロとシロの娘。聡明。好奇心。
クロ(♂)・・・研究者。アッシュとグレイのお父さん・シロの旦那。賢明。脆い。
シロ/サリエル(♀)・・・小説家。アッシュとグレイのお母さん・クロの奥さん。温和/人間の愛に魅入られた堕天使。悪趣味。
―――――――――――――――――――――
―四人が暮らす家、ダイニングにはクロ。朝食の準備が整っている。
クロ「アッシュ・グレイ、ご飯だよ~。二人とも降りておいで」
―クロが呼びかけると、やがて一人の女の子が降りてくる。
グレイ「おはよう、父さん」
クロ「ああ。グレイ。おはよう」
―続いてドタバタと男の子が降りてくる。
アッシュ「父さんおはよう!」
クロ「相変わらず元気だねアッシュ、おはよう」
―三人が食卓に並ぶとグレイが口を開く
グレイ「父さん、母さんは一緒に食べないの?」
クロ「ああ、母さんはね『籠らないと締め切りが・・・』って言って部屋から出てこないんだ。後で父さんがご飯持っていくよ」
グレイ「そうなんだ・・・残念四人で食べられると思ったのに」
クロ「ごめんね」
アッシュ「忙しいんじゃしかたないよ、冷める前にご飯食べようぜ」
クロ「そうだね・・・じゃあ、いただきまーす」
アッシュ「いただきます!」
グレイ「いただきます」
―――――――――――――――――――――
―ところ変わってきょうだい二人
アッシュ「なあ、本当に最近母さんみないよな」
グレイ「見てないね」
アッシュ「食事の時も出てこないし、おかしくないか?」
グレイ「でも、部屋の前で扉越しだけどさっきお話ししたよ?」
アッシュ「部屋まで行ったのになんで扉越しなんだよ」
グレイ「だってカギがかかってたんだもの」
アッシュ「カギ?」
グレイ「そう、カギ」
アッシュ「なんでまたカギなんか・・・」
グレイ「締め切り前だから気が緩まないようにって自分で父さんにお願いしてかけてもらったんだって」
アッシュ「ふ~ん・・・まあ、母さんならやりかねないな」
グレイ「そんなに心配ならアッシュも母さんのところ行って来たら?」
アッシュ「まあ、それもそうか・・・じゃあちょっと行ってくる」
グレイ「いってらっしゃい」
―――――――――――――――――――――
―シロの部屋の前、ドアをノックするアッシュ。
シロ「は~~い!あれ?クロ?朝ごはんの食器ならさっき片づけたわよ?」
アッシュ「母さん、俺だよ」
シロ「・・・アッシュ!どうしたの~?母さんが恋しくなっちゃったのかなぁ~?」
アッシュ「ちげーよ!最近母さん見てなかったから何してんのかなって思って見に来ただけ!」
シロ「心配してくれたの~?いい子ね~、流石私たちの子供だわ~」
アッシュ「はあ・・・心配して損した。じゃあね母さん、仕事頑張ってね」
シロ「ありがと~頑張って終わらせて心配性のアッシュをいい子いい子してあげるわね~」
アッシュ「いっ・・・いらないよ!」
―――――――――――――――――――――
―その日の夜、クロの部屋。
クロ「君・・・大丈夫だったんだろうね」
クロ「そう・・・か、しっかり頼むよ」
クロ「今後は子供たちに接触するのは控えてくれ、それは僕がやるべきことだから」
クロ「そんな・・・!」
クロ「・・・従います」
―――――――――――――――――――――
―その日の夜、アッシュの部屋。
サリエル「少年」
アッシュ「誰だ!」
サリエル「まあ、そう警戒するな」
アッシュ「どこから入ってきた」
サリエル「ドアから」
アッシュ「何が目的だ」
サリエル「ちょっとお話を聞いてほしくてね」
アッシュ「話・・・?」
サリエル「そう、話。その前に自己紹介をしよう。私はサリエル、人間の愛の美しさに魅了され、堕天した元天使」
アッシュ「堕天使・・・その堕天使が俺になにを話そうっていうんだ」
サリエル「君、最近疑問に思っていることがあるんじゃないかい?」
アッシュ「どうしてそれを・・・」
サリエル「その疑問を解くカギを、君にあげよう」
アッシュ「堕天使がどうしてそんなこと」
サリエル「いっただろう?私はサリエル、人間の愛の美しさに魅了された堕天使。君のお母さんへの愛に敬意を示すまでだよ」
アッシュ「・・・教えてくれ」
サリエル「よろしい、君の母親が最近姿を見せない理由・・・そのカギは、君も薄々気が付いている通り父親が握っている」
アッシュ「父さんが・・・」
サリエル「そう・・・父親だ。ちゃんと、教えたからね。それじゃあ、頑張ってね」
―――――――――――――――――――――
アッシュ「アッシュの日記」
アッシュ「今日も、母さんは部屋から出てこない。けど、一つだけ判ったことがある」
アッシュ「母さんを隠しているのは、父さんだ」
―――――――――――――――――――――
グレイ「グレイの日記」
グレイ「母さんが部屋から出てこなくなって今日で2週間、今日。初めてアッシュが疑問を口にした」
グレイ「アッシュも、会ったのかな」
―――――――――――――――――――――
クロ「クロの日記」
クロ「今日、僕は一つ決心した。」
クロ「しかし、あの人はこれを遊びだと思っている。どうすれば・・・」
―――――――――――――――――――――
―次の日。
アッシュ「なあ、グレイ。ちょっといいかな」
グレイ「いいけど、どうしたの?アッシュ」
アッシュ「やっぱり、母さんが部屋から出てこないのはおかしいと思うんだ」
グレイ「またその話?じゃあ父さんに言って開けてもらえばいいじゃない」
アッシュ「父さんはダメだ!」
グレイ「あら?どうして?」
アッシュ「昨日・・・教えてもらったんだ・・・」
グレイ「誰に?もしかして、堕天使さん?」
アッシュ「なんでそれを・・・まさかグレイ・・・」
グレイ「違うわアッシュ。教えてもらったの、私も」
アッシュ「一緒に、探さないか。母さんを」
グレイ「乗ったわ」
アッシュ「よし、じゃあまず。作戦を考えないと」
サリエル「私に、いい考えがあるよ」
アッシュ「サリエル!?」
グレイ「どこから!?」
サリエル「玄関から。君たちきょうだいそろって私の出どころ訊くの好きだよね、やっぱり双子だからそういうところ似るのかな?」
アッシュ「サリエル、いい考えっていうの教えてくれる?」
サリエル「もう、せっかちさんだな。いいよ、教えてあげる」
グレイ「どうしたらいいの?」
サリエル「君たちにはもう、教えてるよね?カギ」
アッシュ「カギ・・・」
グレイ「アッシュも教えてもらったでしょう?母さんを探すカギは父さんだって。」
アッシュ「うん」
グレイ「わかったわ!だったら答えは簡単、父さんに訊くのよ」
アッシュ「父さんに直接訊いたって教えてくれるわけないだろ、グレイはバカだなあ」
サリエル「バカは君だよ、アッシュ。君たちのお父さんに『直接』訊くだなんて誰も言っていないだろう?」
グレイ「あなたは昔から短絡的すぎるのよ、アッシュ」
アッシュ「ごめん・・・」
グレイ「でね?父さんに直接訊くんじゃなくって、父さんの何に訊くかって話なんだけど・・・。日記に訊くの」
アッシュ「そうか、日記!」
グレイ「私たちって母さんの勧めで昔から日記付けてるでしょ?それをみれば・・・ってわけ!」
アッシュ「俺じゃ思い浮かばなかったなあ・・・」
サリエル「どうやらお嬢さんのほうは頭が回るようだからあとは任せるよ。じゃあね~」
グレイ「あっ、行っちゃった。勝手なやつ・・・。じゃあ詳しいこと言うわね。まずはアッシュが父さんの足止めと時間稼ぎ!」
―――――――――――――――――――――
―ところ変わってダイニング
アッシュ「ねえねえ父さん」
クロ「ん?アッシュ、どうしたんだい?」
アッシュ「父さん最近仕事行ってないよね~、やめちゃったの?」
クロ「うっ・・・痛いところついてくるね・・・」
クロ「いいでしょう、お父さんが最近引きこもっている理由を教えてあげよう」
―――――――――――――――――――――
―クロの部屋
グレイ「んで、その間に私が父さんの部屋を漁って日記を見つける!」
グレイ「・・・とは言ったものの」
グレイ「父さんどんだけ部屋汚いのよ・・・研究者ってみんなこうなのかしら」
―――――――――――――――――――――
―ダイニング
クロ「と、いうわけでお父さんは努力むなしく調査チームを外されてしまったんだよ・・・わかってくれたかな?」
クロ「ってあれ・・・?アッシュ?お~~~い」
アッシュ「・・・あっ!ごめんごめん父さん相変わらず話長いんだから寝ちゃったよ」
クロ「あのねえ・・・自分から聞いておいて酷いぞアッシュ・・・」
―――――――――――――――――――――
―クロの部屋
グレイ「あった!」
グレイ「も~~~疲れた~~~。さて、と?読んでみますか」
クロ「今日からシロさんと一緒に暮らすことになった・・・。楽しみだ。未だに僕が結婚できただなんて信じられない・・・。シロさんに勧められて日記をつけることにしたけど論文以外の文章はどうも苦手だ。それにしてもどうしてシロさんはあんなにも魅力的で美しいんだろう・・・。極めつけには」
―本を閉じる。
グレイ「あ~・・・、忘れてた。うちの両親引くほど相思相愛だった」
グレイ「まあ、いいわ今はそんなこと。次、次」
クロ「今日は家族四人でピクニックに行った。珍しくシロさんの発案で。ここのところ研究室にこもりっぱなしで子供たちにかまってあげられなかったからなあ。子供たちも喜んでくれたみたいで何よりだった。あと・・・」
―本を閉じる。
グレイ「そんなこともあったなあ、懐かしい。」
グレイ「いや、思い出に浸ってる場合じゃない。そもそもこれ何年前の日記なのよ・・・最近の読まなきゃ・・・あ、これか」
クロ「最近、シロさんの体調が良くない。どうしたものか・・・シロさんからの希望で子供達には伏せてあるが子供たちも愚かではない。いずれ気づかれるだろう。どうすれば・・・」
グレイ「あっ、これだ。ここから読んでいけば・・・」
―部屋の扉が開く。
クロ「グレイ、何をしているのかな」
―グレイ、咄嗟に日記を隠す。
グレイ「父さん、母さんが部屋にこもってるからって部屋を全く掃除しないのはダメじゃないの?」
クロ「掃除してくれていたんだね、ありがとう。でも、父さんの部屋に勝手に入るのはダメじゃないのかな?仕事用の器材とかもあるんだよ?」
グレイ「それは・・・ごめんなさい」
クロ「うん、ちゃんと謝れていい子だ。さぁ、父さんも仕事をするから自分の部屋にお帰り」
グレイ「はーい、お父さんお仕事頑張ってね」
クロ「ありがとう、グレイ」
―――――――――――――――――――――
―グレイの部屋
アッシュ「グレイ、父さんの日記見つけられた?」
グレイ「もちろん、これよ」
アッシュ「流石グレイ!俺にも読ませてよ・・・どれどれ?」
クロ「シロさんの容態は悪くなるばかり。医者に見せても原因は不明。もう、子供たちに隠しておくのも限界かもしれない・・・。あぁ、神様」
アッシュ「これは・・・。」
グレイ「母さん、体調を崩していたんだわ」
アッシュ「続きを・・・」
グレイ「うん」
クロ「数日間正体不明の病と闘っていたシロさんだったけど。限りなく・・・死に近づいている。医学の心得がない僕でもわかる、シロさんは永くない。もう、子供たちに打ち明けて迫りくる時間を家族四人で過ごそう。そう、考えていた時。僕は出会ってしまった、彼に」
グレイ「彼・・・?誰なんだろうここ最近家には誰も来ていないはず・・・」
アッシュ「グレイ・・・この日記、このページで最後になってる」
グレイ「しかもこの日付、一か月前よ」
アッシュ「ということは一か月前に母さんはもう・・・」
グレイ「じゃあ、父さんは!?」
クロ「見てしまったんだね、二人とも」
グレイ「父さん!」
アッシュ「待てグレイ!そいつは父さんじゃない」
グレイ「えっ・・・」
サリエル「よく気が付いたねアッシュ君、あれはもう君たちのお父さんなんかじゃない。家族を守るために魂を売り渡した・・・美しい愛の奴隷だよ」
アッシュ「どういうことだ・・・」
グレイ「奴隷・・・?」
クロ「気づかれてしまっては、僕にはどうしようもできない・・・訊きに行かないと・・・僕はどうすれば・・・」
アッシュ「待て!父さんと母さんをどこにやった!」
グレイ「アッシュ!」
サリエル「2人とも!」
サリエル「良いことを教えてあげるよ。君たちの両親を救う方法」
アッシュ「そんな方法があるのか・・・ここまで、ここまで堕ちてしまっているのに・・・」
サリエル「私は、サリエル。人間の愛に魅せられて堕天した天使。美しい愛情を前に嘘はつかない」
グレイ「教えて、サリエル。父さんたちを救う方法」
サリエル「その両親を想う美しい愛情に敬意を払って、教えましょう」
サリエル「君たちのお父さんは悪魔と契約している。悪魔が君たちのお父さんの最も大切なものを守ることを条件に、その他で最も大切なものを差し出して、ね。そして契約したのはつい最近、あなたたち最近変わったことは?」
アッシュ「サリエルが・・・来た」
サリエル「そう、私は美しい愛には味方するが悪魔に歪められた愛には味方しない。つまり、わかるかな?」
グレイ「父さんが守ろうとした最も大切なものは・・・母さん」
アッシュ「そして、代わりに悪魔に差し出されたのが・・・俺たち」
サリエル「賢い子たちだ、あの父親の体に今宿っているのは。父親の魂じゃない、悪魔の魂だよ」
アッシュ「父さんを救うには・・・どうすればいい・・・サリエル!!」
サリエル「このナイフを、君にあげよう。このナイフは純銀でできている、悪魔の弱点は『銀』これで心臓を突き刺してやればいい。君の役目だ、アッシュ君」
グレイ「アッシュ・・・お願い・・・」
アッシュ「うん」
サリエル「勇敢だね、美しい。じゃあ、私はこれで・・・。あぁ、そうだ君にも一つプレゼントをしよう」
グレイ「これは・・・」
サリエル「君のお父さんの、消えた一か月分の日記だよ」
―――――――――――――――――――――
―シロの部屋
アッシュ「父さん!!!」
アッシュ「いや・・・この悪魔!!お前さえ殺せば、俺たち家族は救われるんだ!」
クロ「アッシュ・・・ダメじゃないか、そんな粗暴な言葉遣いをしちゃ・・・」
アッシュ「悪魔のくせに。父さんの顔と言葉をつかうな!それは父さんのものだ!」
クロ「アッシュ、君は昔から一度頭に血が上ると意地でもいうことを聞かない子だったね」
アッシュ「うるさい!!」
クロ「落ち着いて父さんに話してごらん。そんな危ないナイフなんて置いて、ね?」
アッシュ「うるさい!!!!」
クロ「さあ、おいで。アッシュ」
アッシュ「父さんを騙るな!!この悪魔が!!!」
グレイ「アッシュ待って!!」
―――――――――――――――――――――
―シロの部屋の前、ドアをノックするアッシュ。
シロ「は~~い!あれ?クロ?朝ごはんの食器ならさっき片づけたわよ?」
アッシュ「母さん、俺だよ」
シロ「・・・アッシュ!どうしたの~?母さんが恋しくなっちゃったのかなぁ~?」
アッシュ「ちげーよ!最近母さん見てなかったから何してんのかなって思って見に来ただけ!」
シロ「心配してくれたの~?いい子ね~、流石私たちの子供だわ~」
アッシュ「はあ・・・心配して損した。じゃあね母さん、仕事頑張ってね」
シロ「ありがと~頑張って終わらせて心配性のアッシュをいい子いい子してあげるわね~」
アッシュ「いっ・・・いらないよ!」
―――――――――――――――――――――
―その日の夜、クロの部屋。
クロ「君・・・大丈夫だったんだろうね」
クロ「そう・・・か、しっかり頼むよ」
クロ「今後は子供たちに接触するのは控えてくれ、それは僕がやるべきことだから」
クロ「そんな・・・!」
クロ「・・・従います」
―――――――――――――――――――――
―その日の夜、アッシュの部屋。
サリエル「少年」
アッシュ「誰だ!」
サリエル「まあ、そう警戒するな」
アッシュ「どこから入ってきた」
サリエル「ドアから」
アッシュ「何が目的だ」
サリエル「ちょっとお話を聞いてほしくてね」
アッシュ「話・・・?」
サリエル「そう、話。その前に自己紹介をしよう。私はサリエル、人間の愛の美しさに魅了され、堕天した元天使」
アッシュ「堕天使・・・その堕天使が俺になにを話そうっていうんだ」
サリエル「君、最近疑問に思っていることがあるんじゃないかい?」
アッシュ「どうしてそれを・・・」
サリエル「その疑問を解くカギを、君にあげよう」
アッシュ「堕天使がどうしてそんなこと」
サリエル「いっただろう?私はサリエル、人間の愛の美しさに魅了された堕天使。君のお母さんへの愛に敬意を示すまでだよ」
アッシュ「・・・教えてくれ」
サリエル「よろしい、君の母親が最近姿を見せない理由・・・そのカギは、君も薄々気が付いている通り父親が握っている」
アッシュ「父さんが・・・」
サリエル「そう・・・父親だ。ちゃんと、教えたからね。それじゃあ、頑張ってね」
―――――――――――――――――――――
アッシュ「アッシュの日記」
アッシュ「今日も、母さんは部屋から出てこない。けど、一つだけ判ったことがある」
アッシュ「母さんを隠しているのは、父さんだ」
―――――――――――――――――――――
グレイ「グレイの日記」
グレイ「母さんが部屋から出てこなくなって今日で2週間、今日。初めてアッシュが疑問を口にした」
グレイ「アッシュも、会ったのかな」
―――――――――――――――――――――
クロ「クロの日記」
クロ「今日、僕は一つ決心した。」
クロ「しかし、あの人はこれを遊びだと思っている。どうすれば・・・」
―――――――――――――――――――――
―次の日。
アッシュ「なあ、グレイ。ちょっといいかな」
グレイ「いいけど、どうしたの?アッシュ」
アッシュ「やっぱり、母さんが部屋から出てこないのはおかしいと思うんだ」
グレイ「またその話?じゃあ父さんに言って開けてもらえばいいじゃない」
アッシュ「父さんはダメだ!」
グレイ「あら?どうして?」
アッシュ「昨日・・・教えてもらったんだ・・・」
グレイ「誰に?もしかして、堕天使さん?」
アッシュ「なんでそれを・・・まさかグレイ・・・」
グレイ「違うわアッシュ。教えてもらったの、私も」
アッシュ「一緒に、探さないか。母さんを」
グレイ「乗ったわ」
アッシュ「よし、じゃあまず。作戦を考えないと」
サリエル「私に、いい考えがあるよ」
アッシュ「サリエル!?」
グレイ「どこから!?」
サリエル「玄関から。君たちきょうだいそろって私の出どころ訊くの好きだよね、やっぱり双子だからそういうところ似るのかな?」
アッシュ「サリエル、いい考えっていうの教えてくれる?」
サリエル「もう、せっかちさんだな。いいよ、教えてあげる」
グレイ「どうしたらいいの?」
サリエル「君たちにはもう、教えてるよね?カギ」
アッシュ「カギ・・・」
グレイ「アッシュも教えてもらったでしょう?母さんを探すカギは父さんだって。」
アッシュ「うん」
グレイ「わかったわ!だったら答えは簡単、父さんに訊くのよ」
アッシュ「父さんに直接訊いたって教えてくれるわけないだろ、グレイはバカだなあ」
サリエル「バカは君だよ、アッシュ。君たちのお父さんに『直接』訊くだなんて誰も言っていないだろう?」
グレイ「あなたは昔から短絡的すぎるのよ、アッシュ」
アッシュ「ごめん・・・」
グレイ「でね?父さんに直接訊くんじゃなくって、父さんの何に訊くかって話なんだけど・・・。日記に訊くの」
アッシュ「そうか、日記!」
グレイ「私たちって母さんの勧めで昔から日記付けてるでしょ?それをみれば・・・ってわけ!」
アッシュ「俺じゃ思い浮かばなかったなあ・・・」
サリエル「どうやらお嬢さんのほうは頭が回るようだからあとは任せるよ。じゃあね~」
グレイ「あっ、行っちゃった。勝手なやつ・・・。じゃあ詳しいこと言うわね。まずはアッシュが父さんの足止めと時間稼ぎ!」
―――――――――――――――――――――
―ところ変わってダイニング
アッシュ「ねえねえ父さん」
クロ「ん?アッシュ、どうしたんだい?」
アッシュ「父さん最近仕事行ってないよね~、やめちゃったの?」
クロ「うっ・・・痛いところついてくるね・・・」
クロ「いいでしょう、お父さんが最近引きこもっている理由を教えてあげよう」
―――――――――――――――――――――
―クロの部屋
グレイ「んで、その間に私が父さんの部屋を漁って日記を見つける!」
グレイ「・・・とは言ったものの」
グレイ「父さんどんだけ部屋汚いのよ・・・研究者ってみんなこうなのかしら」
―――――――――――――――――――――
―ダイニング
クロ「と、いうわけでお父さんは努力むなしく調査チームを外されてしまったんだよ・・・わかってくれたかな?」
クロ「ってあれ・・・?アッシュ?お~~~い」
アッシュ「・・・あっ!ごめんごめん父さん相変わらず話長いんだから寝ちゃったよ」
クロ「あのねえ・・・自分から聞いておいて酷いぞアッシュ・・・」
―――――――――――――――――――――
―クロの部屋
グレイ「あった!」
グレイ「も~~~疲れた~~~。さて、と?読んでみますか」
クロ「今日からシロさんと一緒に暮らすことになった・・・。楽しみだ。未だに僕が結婚できただなんて信じられない・・・。シロさんに勧められて日記をつけることにしたけど論文以外の文章はどうも苦手だ。それにしてもどうしてシロさんはあんなにも魅力的で美しいんだろう・・・。極めつけには」
―本を閉じる。
グレイ「あ~・・・、忘れてた。うちの両親引くほど相思相愛だった」
グレイ「まあ、いいわ今はそんなこと。次、次」
クロ「今日は家族四人でピクニックに行った。珍しくシロさんの発案で。ここのところ研究室にこもりっぱなしで子供たちにかまってあげられなかったからなあ。子供たちも喜んでくれたみたいで何よりだった。あと・・・」
―本を閉じる。
グレイ「そんなこともあったなあ、懐かしい。」
グレイ「いや、思い出に浸ってる場合じゃない。そもそもこれ何年前の日記なのよ・・・最近の読まなきゃ・・・あ、これか」
クロ「最近、シロさんの体調が良くない。どうしたものか・・・シロさんからの希望で子供達には伏せてあるが子供たちも愚かではない。いずれ気づかれるだろう。どうすれば・・・」
グレイ「あっ、これだ。ここから読んでいけば・・・」
―部屋の扉が開く。
クロ「グレイ、何をしているのかな」
―グレイ、咄嗟に日記を隠す。
グレイ「父さん、母さんが部屋にこもってるからって部屋を全く掃除しないのはダメじゃないの?」
クロ「掃除してくれていたんだね、ありがとう。でも、父さんの部屋に勝手に入るのはダメじゃないのかな?仕事用の器材とかもあるんだよ?」
グレイ「それは・・・ごめんなさい」
クロ「うん、ちゃんと謝れていい子だ。さぁ、父さんも仕事をするから自分の部屋にお帰り」
グレイ「はーい、お父さんお仕事頑張ってね」
クロ「ありがとう、グレイ」
―――――――――――――――――――――
―グレイの部屋
アッシュ「グレイ、父さんの日記見つけられた?」
グレイ「もちろん、これよ」
アッシュ「流石グレイ!俺にも読ませてよ・・・どれどれ?」
クロ「シロさんの容態は悪くなるばかり。医者に見せても原因は不明。もう、子供たちに隠しておくのも限界かもしれない・・・。あぁ、神様」
アッシュ「これは・・・。」
グレイ「母さん、体調を崩していたんだわ」
アッシュ「続きを・・・」
グレイ「うん」
クロ「数日間正体不明の病と闘っていたシロさんだったけど。限りなく・・・死に近づいている。医学の心得がない僕でもわかる、シロさんは永くない。もう、子供たちに打ち明けて迫りくる時間を家族四人で過ごそう。そう、考えていた時。僕は出会ってしまった、彼に」
グレイ「彼・・・?誰なんだろうここ最近家には誰も来ていないはず・・・」
アッシュ「グレイ・・・この日記、このページで最後になってる」
グレイ「しかもこの日付、一か月前よ」
アッシュ「ということは一か月前に母さんはもう・・・」
グレイ「じゃあ、父さんは!?」
クロ「見てしまったんだね、二人とも」
グレイ「父さん!」
アッシュ「待てグレイ!そいつは父さんじゃない」
グレイ「えっ・・・」
サリエル「よく気が付いたねアッシュ君、あれはもう君たちのお父さんなんかじゃない。家族を守るために魂を売り渡した・・・美しい愛の奴隷だよ」
アッシュ「どういうことだ・・・」
グレイ「奴隷・・・?」
クロ「気づかれてしまっては、僕にはどうしようもできない・・・訊きに行かないと・・・僕はどうすれば・・・」
アッシュ「待て!父さんと母さんをどこにやった!」
グレイ「アッシュ!」
サリエル「2人とも!」
サリエル「良いことを教えてあげるよ。君たちの両親を救う方法」
アッシュ「そんな方法があるのか・・・ここまで、ここまで堕ちてしまっているのに・・・」
サリエル「私は、サリエル。人間の愛に魅せられて堕天した天使。美しい愛情を前に嘘はつかない」
グレイ「教えて、サリエル。父さんたちを救う方法」
サリエル「その両親を想う美しい愛情に敬意を払って、教えましょう」
サリエル「君たちのお父さんは悪魔と契約している。悪魔が君たちのお父さんの最も大切なものを守ることを条件に、その他で最も大切なものを差し出して、ね。そして契約したのはつい最近、あなたたち最近変わったことは?」
アッシュ「サリエルが・・・来た」
サリエル「そう、私は美しい愛には味方するが悪魔に歪められた愛には味方しない。つまり、わかるかな?」
グレイ「父さんが守ろうとした最も大切なものは・・・母さん」
アッシュ「そして、代わりに悪魔に差し出されたのが・・・俺たち」
サリエル「賢い子たちだ、あの父親の体に今宿っているのは。父親の魂じゃない、悪魔の魂だよ」
アッシュ「父さんを救うには・・・どうすればいい・・・サリエル!!」
サリエル「このナイフを、君にあげよう。このナイフは純銀でできている、悪魔の弱点は『銀』これで心臓を突き刺してやればいい。君の役目だ、アッシュ君」
グレイ「アッシュ・・・お願い・・・」
アッシュ「うん」
サリエル「勇敢だね、美しい。じゃあ、私はこれで・・・。あぁ、そうだ君にも一つプレゼントをしよう」
グレイ「これは・・・」
サリエル「君のお父さんの、消えた一か月分の日記だよ」
―――――――――――――――――――――
―シロの部屋
アッシュ「父さん!!!」
アッシュ「いや・・・この悪魔!!お前さえ殺せば、俺たち家族は救われるんだ!」
クロ「アッシュ・・・ダメじゃないか、そんな粗暴な言葉遣いをしちゃ・・・」
アッシュ「悪魔のくせに。父さんの顔と言葉をつかうな!それは父さんのものだ!」
クロ「アッシュ、君は昔から一度頭に血が上ると意地でもいうことを聞かない子だったね」
アッシュ「うるさい!!」
クロ「落ち着いて父さんに話してごらん。そんな危ないナイフなんて置いて、ね?」
アッシュ「うるさい!!!!」
クロ「さあ、おいで。アッシュ」
アッシュ「父さんを騙るな!!この悪魔が!!!」
グレイ「アッシュ待って!!」
^―アッシュは、純銀のナイフの切っ先をクロに向け、雄たけびを上げながら猛進する。
アッシュ「(叫び)」
クロ「ぐっ・・・アッシュ・・・?」
サリエル「よくできました、アッシュ君」
グレイ「あぁ・・・アッシュ・・・父さん・・・」
クロ「シロさん・・・」
アッシュ「サリエル・・・?その姿・・・まさか!」
サリエル「(笑い)今更気が付いても遅いよアッシュ君、全く君の短絡さときたら!!」
グレイ「違ったの・・・父さんが契約していたのは・・・悪魔じゃなかったの」
サリエル「私だよ、契約していたのは。愛する妻が病床に臥せり、日に日に弱っていく姿を必死に助けようとする君たちのお父さんの姿に心をうたれてねぇ・・・あれは美しかったなあ」
アッシュ「なんで・・・」
サリエル「気になったんだよ、君たちのお父さんは妻を愛する心と同じくらい強く君たちのことを愛していた。二つを天秤にかけたとき、彼はどちらをとるのか・・・ってね」
グレイ「父さん・・・」
サリエル「全くの誤算だったよ。君たちのお父さんは、二つを救う選択肢を選んだ!!全く・・・素晴らしく美しい愛だ!!」
サリエル「そうして私が君たちのお母さんになりかわり、平和な日常がひと月も過ぎた後。彼から『この生活を終わりにしたい』と言われたんだ。『子供たちに真実を打ち明けて、終わりにする』ってね。だけど、彼は悪魔と契約した身だ。ただ終わりにするんじゃ面白くないだろう?だから私が君たちの前に現れたのさ」
アッシュ「自分が・・・愉しむためにか・・・」
グレイ「あなたは美しい愛情の前では嘘をつかないんじゃなかったの!?それなのに私たちに言った言葉は真っ赤な嘘だったじゃないの!」
サリエル「私は堕天使・・・悪魔サリエル。最も美しい愛情の前で嘘はつかない。君たちの愛情より、あの一人の男が家族を想う心のほうが美しかったというだけのことだよ」
サリエル「さあ、幕引きだ。最後に一つだけ、私も堕天したとはいえ天使だ。慈悲を与えよう。父親と、最後に会話をさせてあげよう」
クロ「(呻き)」
アッシュ「父さん!」
クロ「(呻き)アッシュ・・・グレイ・・・二人とも無事かい?ごめんな、父さんが弱かったばっかりに・・・悪魔に魅入られてしまったよ・・・」
グレイ「父さん・・・そんなことない、父さんは私たちを悲しませないように一人で頑張ってくれてたんでしょ。毎日、朝早くに起きてご飯作ってくれて・・・」
アッシュ「父さんのご飯、母さんのと同じくらいおいしかったよ・・・俺たち、わからなかった」
クロ「僕は、シロさんと結婚して・・・君たちという子供に囲まれて・・・幸せだったよ。アッシュ、君は父さんと違って活発で、強い男の子だ。君の素直さはその真っすぐな瞳に宿っている。忘れちゃいけないよ、その目に映った真っすぐな道を。君の頑固さは僕譲りだね。残念だなあ、もっと格好よくなるアッシュを見られないなんて」
アッシュ「父さん・・・」
クロ「グレイ、君は聡明な子だ。流石僕たちの子だね。アッシュは真っすぐだけど頑固さが玉に瑕だ。その時はグレイ、君が隣にいてしっかりと手綱を握ってあげるんだよ。忘れちゃいけないよ、無くしてはいけない大事な心を。残念だよ段々と綺麗になってシロさんに似ていくグレイを見ることができないなんて」
サリエル「お涙頂戴って好きじゃないんだよね。ねえ、お父さん。君が対価として私にちょっとずつ支払ってたもの。今全部貰っちゃうね?ま・・・聞こえてない、か」
クロ「アッシュ・・・グレイ・・・本当によく・・・よく・・・」
クロ「よくも僕を殺してくれたな」
クロ『あれ・・・僕は何を言っているんだ・・・』
アッシュ「父さん!!」
グレイ「父さん!!」
クロ『あぁ・・・二人とも・・・ダメじゃないかそんなに騒いだら・・・後でちゃんと褒めてあげないとな・・・僕は・・・この子たちのお父さん・・・だか・・・ら・・・』
サリエル「最高だったね、君たちのお父さんの最後の言葉『よくも僕をころしてくれたな』だってさ!悪魔と契約した人間として最高の死に際だったよ(高笑い)」
グレイ「違う」
サリエル「はぁ?君たちもしっかり聞いただろう!?」
グレイ「あれは父さんの言葉じゃない。私、読んだの。父さんの最後の日記」
グレイ「あなたはさっき私たちのお父さんは『二つを救う選択肢を選んだ』っていったわよね。父さんが私たちを救う代わりに渡した対価、それは・・・自分の人生」
サリエル「(笑い)そうだよ、愛のために自分を差し出すなんてね。永い間生きてきたが初めてだよ。私が問いかけをした時、君たちのお父さんなんて言ったと思う?」
―回想 対峙するサリエルとクロ
サリエル「さぁ、愛するものを守るために君は何を差し出す?」
クロ「妻も・・・子供たちも守れるなら、もう僕に賭けるだけの価値があるものはありません。だから・・・人生で、いいですか?」
――――――――
サリエル「あれは何度思い出しても・・・イイモノだった・・・」
アッシュ「そんな・・・じゃあ父さんは・・・」
グレイ「父さんは自分として生きながら。あなたの思った通りの時間、あなたに身体を乗っ取らせていた。そしてあなたがこのゲームを楽しめるように父さんを操っていたのよ」
サリエル「流石、聡明なグレイちゃんは違うね」
アッシュ「お前・・・どこまで!!!」
グレイ「アッシュ!!待って」
サリエル「おぉ、賢明!今止めていなかったら私はアッシュ君を殺していた」
アッシュ「くっ・・・」
グレイ「私、もう一つわかったことがあるの」
サリエル「へぇ?」
グレイ「あなたは父さんと契約して憑りついた悪魔、そして悪魔は憑りつく契約を交わす代わりに対価の他にもう一つ必要なものがある。アッシュ、分かったよね」
アッシュ「必要なもの・・・解った・・・!」
グレイ「その必要なものは依り代!そしてその依り代は、あなたが今まで成り代わっていた母さんの身体!!!」
サリエル「ま!待て!!!!なーんてね、あの少年が自分の母親を刺せるわけないだろう!」
グレイ「やるのよ、アッシュ!私たちの母さんは、もうそこにはいない!!」
シロ「アッシュちゃん」
アッシュ「もう、まがい物には!騙されない!!!」
サリエル「が・・・この・・・」
アッシュ「母さん・・・ありがとう・・・」
サリエル「ふっ・・・その愛・・・美しい・・・見事だ・・・」
アッシュ「俺は・・・刺したんだ・・・父さんと、母さんを・・・」
グレイ「アッシュ・・・」
グレイ「もう、終わったの。終わったのよ・・・」
アッシュ「うん・・・うん・・・」
―――――――――――――――――――――
アッシュ「アッシュの日記」
アッシュ「俺の家で起こった事件は、終わった」
アッシュ「終わったんだ」
アッシュ「この日記をつける、という行為は最後まで続ける。僕たちが両親から受け継いだ大切な『家族の証』だから。これからはグレイと・・・二人で生きていく。両親から受け継いだ、日常を携えて」
グレイ「グレイの日記」
グレイ「私たちきょうだいは、新しく住める場所を探して旅をすることになった。『元』でも、悪魔憑きの家族は嫌われるから、だれも私たちを知らない場所へ」
グレイ「両親から受け継いだ、家族みんなそれぞれの色が詰まった日常を携えて」
グレイ「これからは、この・・・四色しかないけど、カラフルな日常が続いていきますように」
END
グレイ「父さんは自分として生きながら。あなたの思った通りの時間、あなたに身体を乗っ取らせていた。そしてあなたがこのゲームを楽しめるように父さんを操っていたのよ」
サリエル「流石、聡明なグレイちゃんは違うね」
アッシュ「お前・・・どこまで!!!」
グレイ「アッシュ!!待って」
サリエル「おぉ、賢明!今止めていなかったら私はアッシュ君を殺していた」
アッシュ「くっ・・・」
グレイ「私、もう一つわかったことがあるの」
サリエル「へぇ?」
グレイ「あなたは父さんと契約して憑りついた悪魔、そして悪魔は憑りつく契約を交わす代わりに対価の他にもう一つ必要なものがある。アッシュ、分かったよね」
アッシュ「必要なもの・・・解った・・・!」
グレイ「その必要なものは依り代!そしてその依り代は、あなたが今まで成り代わっていた母さんの身体!!!」
サリエル「ま!待て!!!!なーんてね、あの少年が自分の母親を刺せるわけないだろう!」
グレイ「やるのよ、アッシュ!私たちの母さんは、もうそこにはいない!!」
シロ「アッシュちゃん」
アッシュ「もう、まがい物には!騙されない!!!」
サリエル「が・・・この・・・」
アッシュ「母さん・・・ありがとう・・・」
サリエル「ふっ・・・その愛・・・美しい・・・見事だ・・・」
アッシュ「俺は・・・刺したんだ・・・父さんと、母さんを・・・」
グレイ「アッシュ・・・」
グレイ「もう、終わったの。終わったのよ・・・」
アッシュ「うん・・・うん・・・」
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アッシュ「アッシュの日記」
アッシュ「俺の家で起こった事件は、終わった」
アッシュ「終わったんだ」
アッシュ「この日記をつける、という行為は最後まで続ける。僕たちが両親から受け継いだ大切な『家族の証』だから。これからはグレイと・・・二人で生きていく。両親から受け継いだ、日常を携えて」
グレイ「グレイの日記」
グレイ「私たちきょうだいは、新しく住める場所を探して旅をすることになった。『元』でも、悪魔憑きの家族は嫌われるから、だれも私たちを知らない場所へ」
グレイ「両親から受け継いだ、家族みんなそれぞれの色が詰まった日常を携えて」
グレイ「これからは、この・・・四色しかないけど、カラフルな日常が続いていきますように」
END