IFRSの近況 | 会計を知れば世の中が見えてくる

会計を知れば世の中が見えてくる

会計とは企業活動のモノサシであり、企業活動を規制するルールです。独自の視点から、会計やビジネス、経済をめぐる諸問題について情報発信していきます。


テーマ:

最近のIFRS(国際財務報告基準)は、強制適用の話は足踏み状態

ですが、任意適用は着々と進んでいる模様です。


週刊経営財務によると、最近新たに富士通、セイコーエプソン、

伊藤忠テクノソリューションズが相次いてIFRSの任意適用を表明し、

その結果、IFRSを適用ないし適用予定の企業は42社に上るとの

ことです。


同じく経営財務によると、この42社というのは、会社数で言えば、

東証の26年3月末現在の全上場会社数3407社に対して1.23%に過ぎ

ませんが、時価総額で言えば、全体の12.68%に上るとのことです。


IFRSを推進する人々は、IFRSの強制適用が当面難しくても、任意

適用が少しでも進めば進歩、前進だと思っているのでしょうか。


私が常々苦々しく思っているのは、IFRSの任意適用が進むことに

よって、日本の上場企業の企業間比較がますますやりにくくなる

ことです。


会計基準が果たすべき最も重要な機能は企業間の比較可能性の

の確保のはずです。


ところが、わが国では現在、日本基準、米国基準、IFRSという3つの

会計基準が並び立つ異常な状況になっています。


IFRSは一般の日本人にとってなじみのない基準であり、これを全面

適用することは日本の投資家にとって不利益ですが、企業間の

比較可能性という観点から言えば、IFRS強制適用よりも任意適用

の方が更に不利益な状況です。


日本銀行の資金循環統計によると、わが国の家計の金融資産は

2013年12月末時点で1645兆円、うち現預金は874兆円に上ります。


これに対して、2013年12月末の東証全体の株式時価総額は477兆

5097億円です。


つまり、わが国の個人金融資産は株式市場に大きな影響を与える

潜在的な力を持っているということです。


こうした国内の豊富な投資資金を切り捨ててまで、会計基準制度

改革はいったい何を目指そうとしているのか、私にはよくわかりま

せん。


それでもIFRSが必要な理由を合理的に説明できる人がいるなら、

是非ご説明をお伺いしたいものです。




大畑伊知郎さんをフォロー

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります