先日、西野亮廣さんの書いた『ゴミ人間』という本を読んでいて(再読)、気が付いたことがあったのでココに残そうと思いまして…


時間について。


僕はブログでも公表しておりますが、元競艇記者で、京都にある「競艇ニュース社」という会社に3年間、お世話になっておりました。


競艇記者には、締切時間というのがあります。何時までに原稿を仕上げなければいけないという。もう25年ぐらい前の話なので、当時のことなんてほぼ覚えていないのですが(笑)、だいたい2時間弱ぐらいだったかな?


16時ぐらい、その日のレースが終わる少し前に、施行者様(競艇場)から翌日の出走表の概定版が出て、それを元に予想新聞のフォーマットに合わせた文字数で原稿を仕上げます。現場記者席から電話回線を使ってのワープロ送信をしていたのですが、そのリミットがだいたい18時だった気がします。


早ければ早いに越したことはありません。でも、僕は予想が作業になるのが嫌で、内勤者のことをあまり考えず、目一杯の時間を使わせてもらっていました(笑)


優勝戦だけは自然に気合いが入るのか、いえ、レース分析の枠が大きいこともあって少し多めに時間がかかるのですが、それでもあまりじっくり考える時間などありません。


仕事と呼ばれるもののほとんどは、たぶんそうですよね。お客様や自社の都合に合わせることが必須で、その時間に追われると思います。


記者の仕事も例外ではなく、時間との戦いの中、「半ば作業的に流れるように予想をこなしていく」という側面は必ずあって、後になって、「もう少し考える時間があれば…」と嘆きたくなることはあるんですよね。そうそう、思い出してきました(笑)



話を戻します。


西野さんは『ゴミ人間』の中で、「自分には十分な時間があった」とおっしゃっておられました。


多くの絵本作家はまず「生活がかかっている」が前提にあるので時間や予算の制限の中で絵を描くことになるのに対し、西野さんは彼ら(多くの絵本作家)とは違い、「十分な時間がある」ことを強みとして捉えていて、そこは見習うべきだなと思いました。


そう、僕の予想が日刊紙や競艇専門紙のそれと明らかに違うのはココだな、と。


通り一遍のメリハリのない予想ではなく、熟慮したレース選択と、細かなエンジン気配を根拠とした「儲かるための予想」は、時間があるからできるんですよね。


「時間がない時間がない」と何度も言っておりますし、実際に時間を作るのに苦労しているのも事実なのですが(笑)、時間をかけることができるのを強みとし、時間をかけてこその予想をこれからもしていくぞ!という新たな決意表明をしたく、書かせて頂きました。



今回、約25年前のことを振り返っていて、編集部トップの檜村賢一さんをはじめ、お世話になった先輩のことを思い出し、懐かしむことができました。


当時は今以上に自分勝手な若造の僕に対し、諸先輩方は温かく、優しく接して頂いたことを思い出して、涙が出てきました。


今さら急に、1人1人に連絡を取ろうにもほとんどの人の連絡先を知りませんし、何か特別な用事やきっかけでもなければ、わざわざ調べるのも怪しく思われるかもしれませんし、逆に不信感を持たれるのも嫌なので、ココにコソッと書かせてもらうことにします。



この業界で知らない人はいないであろう檜村賢一さんはズバ抜けた知識量と的確な解説で、今も尚、インプットとアウトプットを繰り返しておられますので、どう逆立ちしても追い付くことはできないという競艇業界の重鎮です。それだけでなく、僕にとってはすごく面倒見の良い偉大な先輩で、手足の指では数え切れないほどご馳走して頂きましたし、退社後もいろいろお世話になりました。本当にありがとうございました。


もう名前を出しても問題ないと思うので、その他の先輩方についても振り返ってみます(笑)


その当時の編集長は藤野悌一郎さんとパーフェクト予想でおなじみの榊原哲夫さん。お二方ともに経験豊富で、それぞれ味のある方でしたね。


藤野さんには入社初日に飲みに連れて行って頂き、3件目の場末のスナックのようなお店では衝撃の事実を目の当たりにしました(笑)


榊原さんとは津への出張時、膳所(ぜぜ)駅で待ち合わせをし、新車のマークIIで快適なドライブを楽しめただけでなく、道中には取材のイロハや癖のある選手への対処法などをたくさん教えて頂きました。ただ、帰りの晩メシは僕が車代として支払わせてもらうことが多かったような(笑)


西島さんは、周囲を巻き込む話術に長けていて抜群の存在感を発揮していました。持病の薬を独特の飲み方で飲む姿は今も鮮明に覚えています(笑)


稲川さんは児島一筋で、やや癖のある予想ながらも常にユーモラスな発想と、蛭子さん顔負けの4コマ漫画を描く才能がおありで、優しさが滲み出ている人柄だったなー。


ジミーちゃんことニュースNo. 1の熱男・中谷さん。最高のキャラクターで、記者仲間からだけでなく、あの今村豊元選手からも愛されていました。オンボロの軽四で榊原温泉に連れて行ってくれましたね。ありがとうございました!


服部さんは、年齢的に近いほうだったこともあり、また少し物静かな感じが個人的には好きで、よく雰囲気の良いスナックに連れて行ってもらいました。びわこをドル箱水面として舟券成績はおそらく社内トップ。予想も的確で見習うところの多い先輩でした。


たしか、立命館大学現役卒だった阿江さん。あまり競艇自体に興味がなかったのか?周囲から厳しい批判を浴びながらもマイペースを貫き、とにかく予想よりも女子選手に夢中だった記憶しかありません(笑)


同い年で1年先輩の榊さんは、記者としての記憶は曖昧ながら、入社時から一番近い位置にいた先輩で、内勤時の流れるように仕事をこなす手捌きは絶品でしたね。個人的にも近い距離でお世話になった先輩だったので、できることならまた会いたいなぁ。社内恋愛で結婚されたニュースNo. 1の美女・Uさんとも(笑)


鈴木隆史さんは、ピット専属記者だったこともあり、あまり関わる場面はなかったのですが、ほぼ同郷(蒲郡)だったこともあり、気に掛けて頂いてました。解説者としてご存じの方もおられるかと思いますが、とにかく話術と表現力に長けていて、面白く熱い先輩でしたね。


松長さんは、僕がニュースを辞めるほんの少し前に、同業他社から編集長として移籍してこられました。絡んだ期間は一番短かかったのに、退社直前にいろいろとお話しする機会に恵まれたおかげで、唯一、今でも年賀状のやりとりをしている先輩です(笑)



今、ホント久しぶりに当時の僕の先輩のことを思い出して、懐かしさを味わいながら、冗談抜きで個性たっぷりのメンバーに恵まれていたんだなぁと、再認識です。


いやー、感謝感謝!


いつの日か、お会いできるタイミングがあればうれしいですね。いえ、子育てが落ち着き、僕自身の目標が達成できた時には積極的に動こうと思います。