貧血とは?
貧血(ひんけつ)とは、血液中の赤血球やヘモグロビンの量が正常よりも少ない状態を指します。
赤血球は体中に酸素を運ぶ役割を担っています。
貧血になると酸素供給が不十分になり、さまざまな症状を引き起こします。
猫の貧血の原因
猫における貧血の原因は多岐にわたりますが、腎臓病との関連が特に深いです。
主な原因は以下の通りです。
慢性腎臓病と貧血
腎臓は赤血球を生成するためのホルモン、エリスロポエチン(EPO)を産生します。
腎臓病が進行すると、エリスロポエチンの分泌が減少し、赤血球の生成が不足します。
腎臓病に伴う貧血は、特に慢性腎臓病(CKD)の猫でよく見られる症状です。
- エリスロポエチンの減少:腎臓がダメージを受けると、エリスロポエチンの産生が低下します。これにより、骨髄での赤血球生成が減少し、貧血が進行します。
- 尿毒症:腎臓の機能が低下すると、老廃物が体内に蓄積し、尿毒症を引き起こします。尿毒症により赤血球の寿命が短くなり、貧血が悪化します。
栄養不良
腎臓病の猫はしばしば食欲不振に陥り、必要な栄養素を十分に摂取できなくなります。
特に鉄やビタミンB12、葉酸など、赤血球の生成に必要な栄養素の不足が貧血を引き起こすことがあります。
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その他の原因
- 寄生虫感染:ノミやダニ、内部寄生虫による血液の損失や赤血球の破壊が原因となることがあります。
- 慢性の炎症や感染症:長期にわたる炎症や感染症も赤血球の生成を妨げ、貧血を引き起こします。
貧血の症状
猫が貧血になると、以下のような症状が見られることがあります。
- 元気がない:活発さが減少し、いつもより動きが鈍くなります。
- 食欲不振:食事をあまり食べなくなります。
- 息切れ:少しの運動でも息切れしやすくなります。
- 歯茎や舌の色が淡い:正常なピンク色から白っぽくなることがあります。
貧血が見られたら
人間や犬と比べて、猫は貧血がかなり進行しないと症状に現れません。
そのため、貧血の症状が見られた場合は、速やかに獣医師に相談することが大切です。
貧血は腎臓病の他にも多くの病気のサインであるため、正確な診断と適切な治療が必要です。
ケアのポイント
- 定期的な血液検査:貧血の早期発見のために、定期的な血液検査を行うことが推奨されます。特に腎臓病の猫は定期的な検査が重要です。
- 栄養管理:バランスの取れた食事を与え、必要な栄養素を十分に摂取させます。特に、鉄分やビタミンB12が豊富な食品やサプリメントが有効です。
- エリスロポエチン補充療法:腎臓病によるエリスロポエチンの不足が原因の場合、エリスロポエチン製剤を投与することで赤血球の生成を助ける治療が行われます。
- 獣医師の指示に従う:貧血の原因に応じて、適切な治療を受けることが重要です。腎臓病の治療と並行して貧血の管理を行うことで、猫のQOL(生活の質)を向上させることができます。
まとめ
猫の腎臓病と貧血は密接に関連しており、適切なケアと早期の対応が猫の健康維持に欠かせません。
貧血の症状を見逃さず、定期的な健康チェックと栄養管理を行い、愛猫の健やかな生活をサポートしてください。