9月某日

 

 

 わたしの住む部屋のお風呂場には鍵がついている。

 

 けれど、どうしてか、風呂場の外側からしか施錠できない。

 

 使用方法としては、

 

 監禁

 

 以外に思いつかない。

 

 たぶん、工事のミスなんだと思うけれど、とくに気にしていなかった。

 

 が、

 

 たった今、

 

 昼間から湯船につかりつつ本を読むという至福を味わい、

 

 本に夢中になりすぎてのぼせかけ、

 

 さて出ようととしたら、鍵がかかっていた。

 

 「誰が?」「誰もいないはず」「泥棒か?」「いやきっと閉めたはずみで」

 「でもどうすれば?」「携帯で」「携帯もってお風呂入るわけないじゃん」

 「叫ぶ?」「恥ずかしい」「これが監禁か」「最悪、水だけは飲み放題だ」

 

 などと一瞬でぐるぐる考えた。

 

 

 結局、爪で鍵をこじ開けました。

 

 


 




 9月某日

 

 

 今日観たドキュメンタリー映画の中で

 

 元・ヤンキーの金髪の女の子が

 

 「あたしあんたのためならしねるよ」

 

 「兄弟のためにしねる。両親のためにしねる」

 

 と真剣な目で言っていた。

 

 すごいな。

 

 わたしは誰かのためにしねるとか思ったことないし口にしたこともないな。

 

 だからって誰かのためにいきるとか思ったこともやっぱりない。

 

 元・ヤンキーだから本気でそう思えたりするのかな。


 すごいな。 

 

 わたしもなろうかな。いや手遅れだな。

 

 


 

 


 

ようするに恋とおなじ。

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 9月某日

 

 

 ずっとずっとずっと観たくって

 

 でも観る方法がなかった映画を

 

 ようやく暗闇の中で観られた。

 

 片思いが長すぎたので、ようやく逢えた、という気分だ。

 

 映画に。

 

 

 どう考えても

 

 やっぱり好きだった。

 

 

 少し嫌なことがあったとしても

 

 この映画の顔を思い出せば乗り切れる。