不安。

テーマ:

 6月某日

  


 この数日

 

 誰ともまともに口をきいていなくて 

 


 

 ファミレスで

 

 「喫煙と禁煙がございますが」

 

 と聞かれて

 

 「禁煙で」

 

 と答えたつもりだったのに

 

 

 口をぱくぱくしていただけだった。

 

 

  

 声を出すのを忘れた。

 


 

 


 

 


好みのタイプ。

テーマ:

 6月某日

 

 

 どうしてか

 

 おかっぱ頭の女の子が好きだ。

 

 ボブじゃ駄目だ。

 

 ちょっと丸顔だとなおいい。

 

 前髪はもちろん厚めで。

 

 そして

 

 なるたけあんまり笑わないのがいい。

 

  

  


 などということを

 

 小一時間考えていた。

 

 

 

 




 6月某日

 

 

 よく眠るので

 

 よく夢を見るのである。

 

 


 八人のフランス人が

 

 大きな人(ビッグ・ジョン)に追いかけられている夢を見た。

 

 八人のフランス人は金網に閉じ込められているのだけれど、

 

 ビッグ・ジョンは足が遅いからみな全速力で走って逃げる。

 

 「金網を越えよう」

 

 と誰かが言ったのに、

 

 金網を越えたのはシルビア(銀髪の女性・二十代)だけだった。

 

 ビッグ・ジョンは残された七人ではなく

 

 シルビアを追いかけはじめる。ビッグ・ジョンは

 

 捕まえることのできる確率、なんて考えない。

 

 シルビアは小さなビルに逃げ込み、窓のそばで息を潜める。

 

 ビッグ・ジョンの足が窓の外を通り過ぎる。

 

 絶対ビッグ・ジョンは中をのぞく、


 夢を見ているわたしは知ってる。

 

 「シルビア、目だよ! 目を狙うんだ!

 

  のぞき込んだ瞬間に、何か尖ったもので!」

 

 わたしは叫ぶ。けれどわたしとわたしの夢はちょうど

 

 映画と観客のような形なので(いつもそうなので)

 

 わたしの声はシルビアに届かない。

 

 そして再び通り過ぎるビッグ・ジョンの足。

 

 胸をなで下ろすシルビア。

 

 と、その瞬間、窓の外にビッグ・ジョンの目!

 

 「だから言ったじゃん!」

 

 というところで興奮しすぎて目が覚めた。

 

 

 疲れた。

 

 

 

 

 


 

 

完璧な一日

テーマ:

  6月某日

 

 

  今日は一日好きなことしかしないと決めて

 

  映画見て

 

  美術館行って

 

  回転寿司食べて

 

  お茶飲んで

 

  また映画見た。

 

  

  ひとりで。

 

  

  たいていのことはひとりでも楽しい。

 

  ひとりのほうが、と思わないようにはしなくちゃいけないけれど。

 

  孤独癖はきっともう直らないけど。 


 

  午後4時過ぎの回転寿司屋は

 

  外国の人ばかりだった。