必要 / 不必要

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1月某日

 友達のお芝居を観にいく。

 チケットを取ってくれたお礼を言おうと、

 彼女が出てくるのを劇場の外で待っていた。

 彼女が、

 観に来たたくさんの人に挨拶されたり、

 ファンらしき人に何か貰ったり、

 友達と話をしていたりするのを見ていたら、

 ああ、なんだか、

 彼女はいろんな人に必要とされているのだなあ、

 なんて、

 メランコリックなことを考えた。


 ただ机の前に座って、いつも独り言呟きながら

 パソコンのキーボードを叩いているだけのわたしは、

 果たして

 必要

 なのだろうか?

          なんてね。


 必要 / 不必要

 は、わたしにとって永遠のテーマ、

 です。

それはそれは素敵

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 雨の降るベランダで慌てて洗濯物を取り入れながら、わたしはふと周りを眺める。
 降り始めたばかりの細かな雨のシャワーに濡れ、庭の木々も草も隣の家の屋根も、美しく光っている。雨が降ると、まるで町がペンキ塗りたてみたいにぴかぴかになる。
 雨って綺麗だけど、洗濯物が乾かないのが嫌だわ。そう呟いて、その言い方が母親にそっくりなことに思わず苦笑する。
 洗濯物をすべて取り入れて窓を閉めようとして、庭に立つツツジの木の下に埋めたべタのことを思い出す。ほんの数週間前に死んでしまった、赤いひれを持つ小さな魚。水の入ったグラスの中で、ベタは、それはそれは素敵に踊った。
 「あの子のお墓も濡れちゃうのね」
 わたしが呟くと、いつのまにか足元にやってきていた猫が、わたしのくるぶしに体を擦り付けた。
 「でもあの子は水が好きだったから、喜ぶかもしれないね」
 そう言ったら、猫は、にゃあ、と鳴いた。

変な気持ち

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 雨だ、と彼女は叫んで、ベランダへと走っていった。たぶん洗濯物を取り込みに行ったのだろう。手伝ったほうがいいのかな。でも、きっと男の僕には見られたくないものもあるだろうし。思い直して、僕はじっとしていることにする。膝に座っていた猫は白状にも、にゃあ、と一声鳴いて、僕を残し彼女のあとを追った。
 僕のために温めていたミルクが、しゅうしゅうと音を立てながら白い湯気を上げている。僕は、慌ててキッチンへ向かい、ミルクパンのかけられていたコンロの火を止める。コンロを離れるときは火を消しなさいって、お母さんに習わなかったのかな。まったくそそっかしいんだから。
 そそっかしい彼女。
 僕が傍にいてあげないと、火事になっちゃうかもしれないよ。
 そう思ったら、なんだか少し嬉しくなった。「火事になるかもしれない」のが、嬉しいだなんて。
 変な気持ち。
1月某日

 遊園地再生事業団+ニブロール

 「トーキョー/不在/ハムレット」という舞台を見に行く。

 

 タイトルが、ものすごく好き。
 
 ストレートで、ひねくれていて、繊細で豪快で、柔らかくて硬質なお芝居だった。



 舞台は好きで、結構観る。

 昔は底抜けに明るいお芝居が好きだったが、

 今は、こういう少し硬いお芝居が好きだ。



 劇場の暗闇は、わたしには特別な場所だ。

 映画館は、最近上映中も非常口ランプが(ほんのりとだが)

 光っているところが多い。

 完璧な暗闇は、なかなか手に入らない。

 舞台には、それがある。

 完璧な暗闇。完璧な暗転。


 


 

ただそれだけなのに

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 雨が降ってきた。
 私は空を見上げる。コップの中に満ちている水道水を、折った茎の先から吸い上げる。雨とは違う味がする。これはこれで美味しいし、透明なグラスは綺麗で、そこに飾られている自分がどこか誇らしい。ただ、雨の味をもう味わうことはないのだな、と思うと、残してきた根っこのことが気になった。私の一部だったものは、また次の季節に葉をつけ花を咲かせてくれるのだろうか。
 「あ、いた」
 窓ガラスにぶつかってはじけた雨粒が、私を見て、言った。
 声がやけにこだましていたので、私はどの雨粒が言ったのかしら、と一粒一粒の雨を眺めてみる。と、そこかしこから、「あ、いた」「いたね」「いたよ」と言う小さなささやき声が聞こえてきた。
 「それ、私のこと?」
 私が尋ねると、
 「そうだよ」
 「君を探してる鳥がいるよ」
 と、雨粒たちは口々に答えた。
 鳥。私をくわえて空を飛ぶ夢をかなえてくれた鳥だ。
 私のこと忘れてなかったんだな、そう思ったら、ただそれだけなのに心の中がふんわりと暖かくなった。
 もう一度会えるかな。会えなくても、忘れないよ、きっと。

『温室栽愛』

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 『コスモポリタン』という女性誌の2月号で、

 「今読まなきゃ本133」という特集をやっていて、

 その中にわたしの書いた小説が入っていました。

 『温室栽愛』(幻冬舎刊)、去年の夏くらいに出した本です。

 嬉しかったので、お知らせ。

 

オーラ写真を撮った。

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1月某日


 「オーラ写真」なるものを撮りに行った。

 仕組みなどは良く分からないのだけれど、

 ポラロイドカメラらしきもので撮った写真に、オーラが写るという。

 わたしのオーラは

 過去が青で、現在が緑で、未来が黄色だった。

 オレンジ色も時々混じって、マーブルを描いて、それはそれは綺麗。

 なんだか嬉しいな。

 いろいろな意味があるのだが、簡単に言うと、

 青 → 寛大、平穏

 緑 → 治療、教え

 黄色 → 元気、知性

 ということなのだそうです。

 ちなみに心臓の辺りは、黄色と緑で、「ユーモアと楽天さで人の心を癒す」

 と言われた。

 癒しは、わたしの目指す最もたるところ! であり、かなり良いオーラ!


 連れて行ってくださったデザイナーさんは、オーラすべてが真っ赤だった。

 エネルギーと創造性に満ち溢れたオーラ、とのこと。


 これは楽しい。

 俄然オーラに興味が。
 
 オーラについて知ってる人、教えてください。