犬舎からそう離れていない場所に大きなお寺がある。
そのお寺の真裏にそこそこ大きい沼があった。
その沼には蒲(ガマ)が生い茂っていて、アヒルがいたり、ザリガニを獲る子供がいたり、フナやクチボソを釣る釣り人がいたりしていた。
とにかく汚い沼で、ごみが散乱してるし、濁ってるし、良くこんなところに生き物がいるものだと感心してしまうほどだ。
その沼には主がいて、柴犬ほどの巨大なウシガエルがいるのだという。
子供のころ、その主がアヒルを食べてるのを見たと真剣に語っている同級生がいた。
両生類、ましてやカエルで巨大なものはカメルーンなどに生息するゴライアスガエルが有名だが、せいぜい大きいたって4キロにも満たない。それでも十分大きいが、アヒルを食べるほどとは信じ難い。
嘘を付くような子じゃなかったので、子供のころは怖く感じたものだ。
世代交代し、子供たちが受け継ぐようになって数十年たったある日のこと、子供たちで賑わっていた沼も女の子が足を取られて溺れ死んでしまったことから、今から30年ほど前に鉄板フェンスで囲い、中が一切見えなくなり、立ち入ることはできなくなった。
時折底を通るたびに、中にいた生き物はどうしてるかな?なんて考えたりする。
主かどうかは解らないが、ボーボーボー っと大きな声でウシガエルが鳴いている声も聞こえる。
子供たちがいなくなり、フェンスで囲うことにより、中はひっそりと自然が息づいているのかもしれない。
元々ザリガニは繁殖力が強いし、昭和初期に食用ウシガエルの餌として輸入し、逃げたザリガニが繁殖して全国に広がった。30年以上も閉鎖されているのだから中はザリガニだらけ・・・・だと思う。
その沼がまだ開放されていた数十年前の話、幼い友人Aはいつものようにザリガニ捕りに勤しんでいた。
夕方近く、友達も一人二人と帰っていく中、Aだけが残ってザリガニ捕りをしていた。
だんだん暗くなって辺りを見回すと、おかっぱ頭の女の子がしゃがんでAを見ていた。
Aは気にもせず続けていると、女の子が声をかけてきた。
「あっちのほうにいっぱいザリガニおるよ」
Aはたくさん捕りたかったので、興味深々に「どこ?」と聞いて彼女の指差す方へ向かった。
そこは主が良く発見される場所だった。
A 「主がいるよ、ここはだめだ」
女 「ここにはいないよ、大丈夫だから捕ってみて」
半信半疑ながらも網を入れると、捕れるわ捕れるわザリガニの山。
Aは夢中で捕り続けた。
時間も忘れて捕っていると辺りはすっかり暗くなっていた。
ふと見ると女の子が自分の後ろに立っていた。
A 「沼に入って大丈夫?」
女 「ねぇ、もっと捕れる場所知ってる」
A 「いや、もう遅いから帰るよ」
女 「私、帰る場所ないから一緒に遊ぼう」
そう言ってAの手を握ると、ブクブクと沼に沈んでいくのがわかる。
Aは必死にもがいた。しかし、もがけばもがくほど沼では体が沈んでゆく。
女の子はAの腰に掴まり放そうとしない。
A 「や、やめて!誰か助けて!」
ちょうどその頃、夜釣りに来ていたおじさんが自分が汚れるのも省みず沼に入って助けてくれ、事無きを得た。
A 「犬バカさん、あれはあの沼で死んだ子じゃろうか?それとも主が化けて出たんじゃろうか?」
犬 「さぁな。しかし子供の頃の記憶だからなぁ」
そう私があまり信じていない様子で話すとAは突然真顔になり
A 「これでもですか?」
と言ってシャツを脱いだ。
Aのわき腹には女の子が抱きついた手形の痣がしっかり付いているのだった。。。
そのお寺の真裏にそこそこ大きい沼があった。
その沼には蒲(ガマ)が生い茂っていて、アヒルがいたり、ザリガニを獲る子供がいたり、フナやクチボソを釣る釣り人がいたりしていた。
とにかく汚い沼で、ごみが散乱してるし、濁ってるし、良くこんなところに生き物がいるものだと感心してしまうほどだ。
その沼には主がいて、柴犬ほどの巨大なウシガエルがいるのだという。
子供のころ、その主がアヒルを食べてるのを見たと真剣に語っている同級生がいた。
両生類、ましてやカエルで巨大なものはカメルーンなどに生息するゴライアスガエルが有名だが、せいぜい大きいたって4キロにも満たない。それでも十分大きいが、アヒルを食べるほどとは信じ難い。
嘘を付くような子じゃなかったので、子供のころは怖く感じたものだ。
世代交代し、子供たちが受け継ぐようになって数十年たったある日のこと、子供たちで賑わっていた沼も女の子が足を取られて溺れ死んでしまったことから、今から30年ほど前に鉄板フェンスで囲い、中が一切見えなくなり、立ち入ることはできなくなった。
時折底を通るたびに、中にいた生き物はどうしてるかな?なんて考えたりする。
主かどうかは解らないが、ボーボーボー っと大きな声でウシガエルが鳴いている声も聞こえる。
子供たちがいなくなり、フェンスで囲うことにより、中はひっそりと自然が息づいているのかもしれない。
元々ザリガニは繁殖力が強いし、昭和初期に食用ウシガエルの餌として輸入し、逃げたザリガニが繁殖して全国に広がった。30年以上も閉鎖されているのだから中はザリガニだらけ・・・・だと思う。
その沼がまだ開放されていた数十年前の話、幼い友人Aはいつものようにザリガニ捕りに勤しんでいた。
夕方近く、友達も一人二人と帰っていく中、Aだけが残ってザリガニ捕りをしていた。
だんだん暗くなって辺りを見回すと、おかっぱ頭の女の子がしゃがんでAを見ていた。
Aは気にもせず続けていると、女の子が声をかけてきた。
「あっちのほうにいっぱいザリガニおるよ」
Aはたくさん捕りたかったので、興味深々に「どこ?」と聞いて彼女の指差す方へ向かった。
そこは主が良く発見される場所だった。
A 「主がいるよ、ここはだめだ」
女 「ここにはいないよ、大丈夫だから捕ってみて」
半信半疑ながらも網を入れると、捕れるわ捕れるわザリガニの山。
Aは夢中で捕り続けた。
時間も忘れて捕っていると辺りはすっかり暗くなっていた。
ふと見ると女の子が自分の後ろに立っていた。
A 「沼に入って大丈夫?」
女 「ねぇ、もっと捕れる場所知ってる」
A 「いや、もう遅いから帰るよ」
女 「私、帰る場所ないから一緒に遊ぼう」
そう言ってAの手を握ると、ブクブクと沼に沈んでいくのがわかる。
Aは必死にもがいた。しかし、もがけばもがくほど沼では体が沈んでゆく。
女の子はAの腰に掴まり放そうとしない。
A 「や、やめて!誰か助けて!」
ちょうどその頃、夜釣りに来ていたおじさんが自分が汚れるのも省みず沼に入って助けてくれ、事無きを得た。
A 「犬バカさん、あれはあの沼で死んだ子じゃろうか?それとも主が化けて出たんじゃろうか?」
犬 「さぁな。しかし子供の頃の記憶だからなぁ」
そう私があまり信じていない様子で話すとAは突然真顔になり
A 「これでもですか?」
と言ってシャツを脱いだ。
Aのわき腹には女の子が抱きついた手形の痣がしっかり付いているのだった。。。