偽痛風の治療に関して | 薬剤師のためのEBMお悩み相談所-基礎から実践まで

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こんにちは、黒田です。






偽痛風の症例を経験・・・したのはいいのですが、この疾患の治療について系統立てて勉強したことがないことに、いまさらながら気が付きました。ちょっと問題だと思うので、この機会に総説を読んで知識をつけたいと思います。


 

読んだ総説

直接、偽痛風について検索するとよさそうな文献がなかったので、これを含むより広範な概念であるピロリン酸カルシウム結晶沈着症 (CPPD) で調べました。見つかったのは文献1.以下、ここから治療に関して重要な事項を抜粋してまとめます1)


総論

 

  • 治療には非薬物療法と薬物療法がある
  • 無症候性CPPDには通常、治療を必要としない
  • ほとんどの治療法は比較試験によって確立したものではなく、臨床経験に基づくものである
  • 急性発作では冷却、安静、関節内長時間作用型グルココルチコイド注射によって発作時間が短縮するかもしれない
  • NSAIDとコルヒチンは有効と考えられるが、毒性によって投与を制限されがち
  • 再発性の急性CPP結晶性関節炎の予防には、低用量のNSAIDまたはコルヒチンを連日投与する
  • 慢性CPP結晶性関節炎では通常、継続的な治療を要し、NSAID、コルヒチン、低用量経口グルココルチコイドが使用される
  • 慢性CPP結晶性関節炎において上記治療が禁忌の場合、メトトレキサートまたはヒドロキシクロロキンが用いられることがある




NSAID

  • CPPD治療におけるNSAIDの効果は体系的に評価されておらず、多くは痛風における使用成績から推定されたものである
  • 薬物選択については詳細に検討されておらず、経験にもとづくが基本的にどの薬物も有効と考えられている




グルココルチコイド

  • NSAIDやコルヒチンが禁忌となりやすい高齢者では、CPPDの頻度が高いのでグルココルチコイドはCPPD治療に汎用される
  • 一般に、少量で有効である
  • 筋注、静注、経口などの投与経路で有効である
  • 慢性CPPD関節炎に経口投与する場合、目安としてプレドニゾロン換算で30mg/dayから開始し、その後漸減する




コルヒチン

  • 急性CPPDに用いる場合、急性痛風と同様に発作開始から12-24時間以内に服用するともっとも効果的である
  • 3-4日以上継続する急性CPP結晶性関節炎に対しては、使用を避けたほうがいい
  • 一般的な投与法は、毎時0.5mg、または疼痛が緩和されるまで2時間ごとに1mgを内服
  • 再発性CPP結晶性関節炎においても、発作の頻度を減少させる試験結果がある




ヒドロキシクロロキン

  • 慢性CPP結晶性関節炎に対する前向き試験では、圧痛または関節腫脹の30%以上改善を評価項目としたときのNNT=2であった
  • 上記試験では、重大な副作用は認めれなかった






痛風と違って、血清ピロリン酸カルシウム濃度を減少させる薬物がないため、そういう治療は出来ませんが、それ以外は痛風と同じような治療をすればよいようです。どの治療薬も一長一短ありますが、副作用に注意すれば長期使用することもできそうです。



では、また次回に。




Reference

  1. Rosales-Alexander JL, et al. Calcium pyrophosphate crystal deposition disease: diagnosis and treatment. Open Access Rheumatol. 2014 May 8;6:39-47. PMID: 27790033