分散投資のリスク低減効果① では、どのように分散させたらよいかご説明しました。
もう1度おさらいすると、以下の3つの方法で分散させれば良い、といいうことでしたね。
(1)同じアセット・クラス内での分散
(2)異なるアセット・クラスで分散
(3)異なる国(地域)に分散
では具体的にどのような金融商品を購入すれば良いのでしょうか?
自分で個別の株式や債券を買っても良いのですが、どのような銘柄を買えば良いのか初心者の方ではまずわからないでしょうし、知識や経験のある方でもかなりの労力がかかります。
そこで利用したいのが投資信託です。
多少、手数料がかかりますが、プロが運用してくれて、多くの銘柄に分散投資されていますので(1)の「同じアセット・クラス内での分散」は手軽にできます。
(2)の「異なるアセット・クラスでの分散」も、株式、債券、不動産、商品(金や原油など)など、アセット・クラス別の投資信託がいろいろとありますので、それらを組み合せて購入すればOKです。
(3)の「異なる国(地域)に分散」も、アメリカ、ヨーロッパ、日本、新興国など様々な国や地域に投資している投資信託がありますし、1つの投資信託で世界中の国々に投資できるものもありますので、それらを使えば、容易に「地域分散」ができます。
ところで、投資信託で思い出した方もいらっしゃると思いますが、効率的市場とインデックス・ファンド のテーマで何度かお話しましたように、アクティブ・ファンドは長期的にはインデックス・ファンドの運用成績を上回るのがかなり難しいので、インデックス・ファンドを中心にして運用するのが良いと思います。
また、上記のような分散運用を1つの投資信託でやってくれるものもありますが、それらの多くは投資信託を組み合せて運用しています(ファンド・オブ・ファンズと呼ばれるもの)。
したがって、そのファンド・オブ・ファンズの購入者は、そのファンドの手数料とファンドが購入するファンドに支払う手数料を2重に支払うこととなるため、支払い手数料が割高になってしまう、という欠点があります。
運用割合を管理するだけなら、そう手間もかからないので(基本的には1年に1度の見直しでOK)インデックス・ファンドを利用して、なるべく自分自身で運用することをお勧めします。
ただし、自分で運用すると、つい欲に負けて余計な売買をして、結果として損をする場合も多いので、欲に負けそうな方は、このような分散投資をしてくれる投資信託を購入するのも良いかもしれませんね。