2月に取材した小田急不動産10階建マンションの住民反対運動が本格化しそうだ。住民が守ろうとしている山下公園を訪れたところ、反対ののぼり旗を掲げて散歩されている住民に出会った【2月ブログはこちらから

 

 

訊くと、のぼり旗やチラシが準備され、建設が始まった場合近隣で見かける機会が増えそうだ。事業を実質的に主導する小田急電鉄本社前で抗議しようという声もあるそうだ。

 

反対住民の中には、技術的な専門家もいるようで、環境に著しい変化は生じないとする事業主に科学的根拠提示を求めているなか、事業主が提示を拒否しているらしい。都合の悪いことでもあるのか。不誠実に見える。

 

取材を進めていると、事業用地から豪徳寺側に100メートル程離れた場所で、過去に高層マンション建設をめぐる反対運動があったことが古参住民から頂いた資料で分かった。現ソーワ豪徳寺マンションのことだ。

 

 

小田急事業用地は、ゆりの木通りに面しているが、それに沿ってゆりの木公園遊歩道が東西にはしる。北沢川の暗渠化に伴う工事で昭和53年に完成。交差点名にもあるとおり、れっきとした公園だ。

 

ソーワの高層マンション建設計画が問題化したのは昭和54年。反対運動のために結成された「ゆりの木会」が猛攻した結果、中層高級マンションに落ち着いた。意匠は、周辺環境にマッチしたもので、地元の評判は高い。当時の会報を見ると、住民側と事業主双方が譲った80点の評価で、良い解決と感じていたようだ。

 

しかし、更なる取材で分かったが、住民側「ゆりの木会」の猛攻は、事業主・世田谷区に対する相当激しいものだったようだ。

 

小田急はこの経緯を知っているだろうか。ソーワの一件は、一歩間違えば泥沼化する紛争が双方の努力と妥協で回避された見本と言える。ここに理性が必要だ。