第38話:繁盛店の10カ条で目指す事とは | 本田承太郎

本田承太郎

飲食店開業を目指す為に学ぶべき知識。
スキルと資金・経験を積んで
自分の城を持つ為にやるべき10の事。

前回までのあらすじ:藤堂物産で働く本田承太郎はこの会社で10年働くサラリーマン。
飲食店出店プロジェクトを進める本田承太郎は先輩の
高橋に昼食に誘われて、あるカフェでランチをしていました。
そこで本田は、ある変わったサービスに目を付けたのでした。

第38話:繁盛店の10カ条で目指す事とは

本田承太郎が先輩の高橋と食事を終えて
帰る時にお土産として貰ったのは

「オリーブオイル」でした。


トスカーナ産のエクストラ・ヴァージンオイルのラウデミオに
ガーリックを漬け込んで調理用に使用しているものらしいのですが
あまりに美味しく出来たのでお客さんに
要望された事がキッカケで配布を始めたそうです。


本田は疑問に思いました。

お客さんに要望されたからといって
こういう感じで要望に応えるのはどうだろうと。


本田が怪訝な顔をしていると、
先輩の高橋は高説明してくれました。


「承太郎、ここの店長はオープンする前までの職歴で
スタッフの教育にすごく熱心な人だったんだよ。

でも、当時はその成果は全く出なかったらしい。
その時の苦労があって今こうして立派にやれてると言うことかな」



本田が納得いかなかった事はその場では
自分でも理解ができませんでした。

そして本田は食事から戻り、
冷静になって自分が何に納得がいかないのか
よく考えてみる事にしました。


本来、飲食店では美味しい料理を提供することが
最大のサービスでありその料理や時間、空間を楽しんでもらうことが
目的であると考えました。


だから、小手先のサービス品などでお客さんの
興味を引くことに今ひとつ納得がいかず
それで繁盛しているとは考えられなかった事です。


そこで本田承太郎は、
後日先輩の高橋にそのお店の店長にアポを取ってもらい
話を聞きに行くことができました。


本田承太郎は自分の疑問をぶつけてみました。


「店長、ご自分のお店はどうして繁盛してるのだと考えますか?」


「そうですね、忙しい事はありがたいことですけど
まだまだ理想には届いていません。

自分が目指す理想に皆で近づこうとする事が
今の成果に繋がってれば嬉しいな、とは思います」



「なるほど、では具体的にどういった理想なんでしょう」


「それって説明するの難しくないですか?」


「確かにそうですね、でも何かそういう意味でもコツがあるのかと」


「むしろ私は人材育成は苦手な方で、説明するのが下手なんです。
でもスタッフの育成こそが理想のお店に近づける一歩なので
今はそこに力を入れて色々考えて悩んでますよ。」


「お客様よりもスタッフに目を向けるという事ですか?」


「そうではなく、私がよりお客様に目を向けられるように
スタッフを育成するという事なんですよ。

私の中のテーマは【クオリティ】なんです。」



「品質が良いってことですか?」


「もちろんそれも含まれますが、
私が言うクオリティと言うのは水準の事です。

商品力、サービス、環境など全ての水準を高く設定して
水準を超える事はあっても下回る場面がないように
心がけたいと思っています。」



「理想的ですね」


「だから、説明が下手なりに
自分の考えをまとめて項目にしたんです。

そして、朝礼の時に言いたい事を簡潔に伝えられるように
毎日紙に書いて話してたんです。

そうしたら、
いつの間にかそれがスローガンみたいになってて、
スタッフルームに張り出されるようになってたんです。

だから私の力ではなくスタッフの前向きな姿勢が
あったからこそ今があると思っています。」



「そうでしたか、ちなみに10か条って教えてもらえますか?」


そして本田は店長の覚書の10か条を見せてもらい、
その意味も説明してもらいました。


①挨拶・礼儀を忘れるな
挨拶や礼儀は自分の姿勢の意思表示で、
私はあなたにこう感じていますと伝える手段となる為
これを疎かにすると相手に誤解されることになる。

②店舗愛・仲間を大事にしろ
自分たちの目的はお店の繁栄・維持という事を忘れず
同じ目的の為の仲間を大事にする事。
みんな個々の能力は違うが役割というものがある。

③おもてなし、気持ちの精神を忘れるな
おもてなし、気持ちとはマニュアルや基準で決められた事
以上の水準を超えた部分で、自分自身のサービスアクションや
お客さん、お店、仲間の身になって喜ばれる事を考える事

④仲間には声をかけろ・必ず報告しろ
自分たちは万能じゃない。仲間も万能じゃないからこそ
声を掛け合って確認し合うことが大事。
自分で責任を取れない事は処理できたとしても報告が必要。

⑤時間を大事に生きろ
人の時間はお金よりも大事。
人は命を削って時間を使っているのだから
時間を守ること、効率を上げる努力は怠らない。

⑥自己成長・仕事の楽しさを学べ
仕事が楽しくないのは自分が環境を作らないから。
お店の利益に繋がる事の中から自分の成長や仲間との交流、
知識を得たりと自分のメリットになる事を探して追求しながら働く。

⑦物の大事さを知れ、清潔さを保て
備品にも原価がある。お皿1枚割って1時間の時給が消えると思え。
整理整頓ができると仕事も早くなる。
仕事が早くなると評価も上がるし、結果人よりも楽になる。

⑧前向きな発言をしろ
嫌でも前向きな発言をする事で問題の改善方法を考えるクセが付く。
前向きな発言をする人は好かれやすい。
話を聞いて貰えやすい。

⑨品質を保て、水準を下回らない
品質は料理の味だけにあらず。スタッフの提供速度
見た目や盛り付け、規定の量や配膳の仕方や
清潔感空間づくりなど自分たちが目標とする基準を
下回らない様に努力すること。

⑩お土産を渡せ
お店のオリーブオイルをお客様にお渡しして下さい。




「店長、えらい命令口調ですね」


率直な本田の感想でした。


本田は質問を続けます。
「どうしてもよく解らないんですが最後の
お土産を渡す事は必要なんでしょうか?

お客様に満足して貰うことを目指すなら
料理の味やお店での空間づくりに
努力するべきなんじゃ無いんですか?」




「本田さん、もちろんお客様に満足して貰えるように努力は続けます。
でも、実はこれお客様に対するだけのモノでは無かったんです。」


本田承太郎が話を詳しく聞いてみると
店長がこのサービスを始めた背景には
意外な事実と結果があったのでした。

つづく

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