先日「ミューズ」について触れましたが
もう少し、具体的にお話しします。
ファッション業界で「ミューズ」という言葉がメジャーになったのは
シャネルのデザイナー、カールラガーフェルドが使用してから。
その後、彼が起用するモデルや女優は必ずと言っていいほど
注目を浴びるようになります
80年代のミューズ、イネス・ド・ラ・フレサンジュ
90年代のミューズ、クラウディア・シファー
(現在の写真)
カール以前には、ジバンシーが
オードリー・ヘップバーンをミューズにしていたことも有名ですね。
デザイナー達は、次のコレクションの作品を作りだすために
芸術に触れたり、旅に出たりなどして、インスピレーションを得ています。
そして、それを具現化するためにイメージモデルとしての
ミューズが存在します。
そのミューズがどんなライフスタイルを送るのかをイメージし
彼女がオフを過ごす時、旅に出る時、仕事をする時
パーティーに出る時、あらゆるシーンを想定して作り上げていきます。
そして、最後にマリエ(ウェディング)で締めくくります。
つまりは、パリコレのプレスショーを通じて
私たちは、ミューズの生き方を、まるでストーリーのように
見せつけられるわけです
なので、そのライフスタイルに共感した方々が
ブランドのファンとなり、顧客として支えてくれていたのです。
最近のブランドでは、そのライフスタイルが見えにくくなりました。
ブランドの顔が見えず、流行にフォーカスした
生活の一部分しか垣間見えません。
私たちは一日中遊んでいるわけでも、
一日中お出かけしているわけにも行きませんからね
でも、老舗のメゾンはそのことにすでに気が付き、
また徐々に元の姿を取り戻そうとしていますね。
今度こそ、日本においてファッションの成熟期が来ようとしています