男女の関係はなぜうまくいかないのか(22) | シロナガスクジラのブログ

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黒川伊保子氏の著書を読んだ人は、同じような印象を持ったかもしれないが、トリセツシリーズでは性生活について触れられず、まるで夫婦の間には、子作り以外のセックスが存在しないかのような感じがする。

 

よく読めばその理由はわかる。著者によると、脳の生殖戦略上、同じパートナーとの性行為は長続きしないからだ。

 

女性脳の生殖戦略は、けっこう残酷だ。(中略)基本的には、オスを警戒し、排除しようとする本能がある。そうして、遺伝子的に厳選した相手にだけ、その警戒バリアを解き、発情する。これが恋の正体。(中略)やがて、子どもが自分の足で歩くようになると、脳は、「次の生殖相手」を探す気満々になる。よりよい遺伝子を求めて、脳はあくなき人生の旅をしている。(中略)最初の結婚を貫けないことも、婚外の恋愛をすることも、脳の機能性から言えば、いたしかたない。「生涯、一人の伴侶と添い遂げる」なんて、脳科学上、かなり無理があるのだもの。(『不機嫌のトリセツ』黒川伊保子・河出書房新社2021年)

 

そうだとしたら夫婦がセックスレスになったとしても不思議ではない。一定期間を過ぎると、男女共に違う相手を求めがちなのだから。著者は、その対策は専門外なので他をあたってね、と暗に言っているのだろう。

 

古い社会通念では、もともと男性は浮気性で、女性はそうでもないとされていた気がするが、大きな違いはないようだ。

 

ラジオの「テレフォン人生相談」を聞いても、「妻が浮気したのですが、不倫相手から慰謝料をとれないでしょうか?」という夫からの相談が少なくない。ある調査結果でも、女性の浮気は明らかに増えているそうだ。