男女の関係はなぜうまくいかないのか(17) | シロナガスクジラのブログ

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エリック・クラプトンは、イギリスのサリー州リプリーで生まれた。1944年、当時15歳だった母のパトリシアは、イギリスに駐屯していたカナダ空軍の兵士と関係を持ち、翌年エリックを産む。相手が既婚者だったため、両親の家で育てるが、やがて子供を残してリプリーを離れた。エリックは祖父母によって息子として育てられることになる。

 

エリックは薄々感づいていたし、周囲の大人もそのことに気づいていたが、誰もハッキリとは事実を伝えなかった。そして9歳の時に、別のカナダ人兵士と結婚していた実母のパトリシアが、息子と娘を連れてエリックの前に現れる。

 

エリックは若く美しい母に会えて嬉しかったようだ。思わず、「お母さんて呼んでもいい?」と尋ねてしまう。気まずい雰囲気の中でパトリシアは、今まで通り祖母をそう呼ぶように言った。エリックは酷いショックを受ける。母親に拒絶されたと感じたのだ。

 

母親に対する失望は憎しみに変わった。以降、エリックは無愛想になり、周囲の大人の愛情を拒否するようになる。

 

音楽とギターが彼にとっての救いとなった。それでも心の奥底に潜む怒りと、自分には価値がないという思いは消えなかった。それが女性への不信感や、ヘロインやアルコールに依存する遠因となるのである。