ラッセル・アレン(Russell Allen/1971年7月19日~)は、アメリカ合衆国のヴォーカリスト。プログレッシブ・メタル・バンド「シンフォニー・エックス」のメンバー。他にも様々なプロジェクトに参加している。

 

 

 

1971年7月19日、ラッセル・アレンが生まれる。アメリカ合衆国カリフォルニア州ロングビーチ出身。

 

5歳の頃に初めて聴衆の前で歌唱を披露した。
幼少期は、ウィリー・ネルソンなどのアウトロー・カントリー・ミュージシャンを好んでいた。
 

高校に進学すると、ヘヴィメタルやハードロック、プログレッシブ・ロックに傾倒。アイアン・メイデン、ディオ(レインボー)、レッド・ツェッペリン、ディープ・パープル、ピンク・フロイド等を好み、アマチュア・バンドでライヴをこなしていた。
ヘヴィな音楽に興味を持つ一方、地元のヴォーカル・グループではサイモン&ガーファンクル等のポピュラー音楽も歌うなど、幅広い音楽をハイスクール時代に体験した。

 

 

1995年、ラッセル・アレンは例年通り、ニューヨーク市で開かれたレイ・ギランの追悼コンサートに出演。そのパフォーマンスを見たシンフォニー・エックスのメンバーがギタリストのマイケル・ロメオにラッセルことを話したところ、ロメオもラッセルに興味を抱きオーディションに至る。ニュージャージー州ミドルタウンのプログレッシブ・メタル・バンド「シンフォニー・エックス」(Symphony X)は、前年にヴォーカリストが脱退して後釜を探していたのだった。オーディションの結果、バンドはラッセルにヴォーカルとして加入を打診。ラッセルは当初、シンフォニー・エックスのネオクラシカルでありプログレッシブな独特な音楽性に戸惑いを覚えたが、ロメオや他のメンバーの才能に感銘を受け加入を決断した。これにより揃ったシンフォニー・エックスのラインナップは、ラッセル・アレン(Vo)、マイケル・ロメオ(G)、マイケル・ピネーラ(Key)、トーマス・ミラー(B)、ジェイソン・ルロ(Ds)。

同年、ラッセル加入後の2ndアルバム『The Damnation Game』を発表、1stアルバムから完成度が格別に上がり、シンフォニー・エックスの認知度はより高まった。

 

 

1996年11月、3rdアルバム『ザ・ディヴァイン・ウィングス・オブ・トラジディ』(The Divine Wings of Tragedy)をリリース。ネオクラシカルメタルの対極的な存在と言われていたグルーヴ・メタルの要素を取り入れるも、ロメオの作曲センスにより様式美と攻撃性を両立させた。後に名盤と名高い作品となった本アルバムは、しかし母国アメリカでの評価やセールスは上がらず、アルバム自体もアメリカ国内での正規リリースがなされていないままだった。

 

 



1997年8月、ルロが個人的な理由によりシンフォニー・エックスを一時離脱。バンドはサポートとしてトーマス・ウォーリング(Ds)を迎えて4thアルバム『トワイライト・イン・オリンポス』(Twilight In Olympus)をリリース。本作はプログレッシブ・メタル的方向性に舵を切り、壮大で荘厳な楽曲が多い。

 

 

アルバムのプロモーションに伴うツアーで翌年初来日を果たした。

 

 

1998年6月に初来日公演を催行。その後ワールドツアーを行う。
これと前後してレーベルを「ゼロ・コーポレーション」から「インサイド・アウト・ミュージック」に移籍、これにより母国アメリカでも配給可能となった。

同年、インサイド・アウト・レーベルからの第一弾リリースとしてコンピレーション・アルバム『プレリュード・トゥ・ザ・ミレニアム』(Prelude To The Millennium -Essentials Of Symphony-)を発売。このベスト・アルバムには1stアルバム『シンフォニー・エックス』に収録されていた楽曲“Masquerade”がアレンのヴォーカルで再録されたことが話題となった。

 

同年、ベーシストがミラーからマイケル・レポンド(B)へと交代している。

 

 

2000年、前回のツアーが契機となってルロ(Ds)が復帰。

同年、バンド初のコンセプト・アルバムでもある5thアルバム『ファイヴ-新・神話組曲』(V:The New Mythology Suite)をリリース。アトランティスの物語、古代エジプト神話、占星術を扱った壮大なアルバムとなっている。本作においてアレンは曲作りにも参加、多くの曲で歌詞を共作している。

 

 

その後、『ファイヴ-新・神話組曲』を演目の主体としたヨーロッパ・ツアーを行う。

 

 

2001年、『ファイヴ-新・神話組曲』を擁してフランスで行ったライヴの模様が、ライヴ・アルバム『ライヴ!!イン・ヨーロッパ 2000-2001』としてリリースされる。

 

 

2002年には、6thアルバム『ジ・オデッセイ』(The Odyssey)をリリース。バンドにとって、ギタリストであるマイケル・ロメオのホーム・スタジオ「ザ・ダンジョン」で全曲レコーディングされた初の作品となった。だが、その後はライヴやメンバー各人の他バンドへのゲスト参加、ソロ・アルバムなど多方面に活動が展開されるようになったため、以降は新作までの間隔はこれまでより長くなった。

同年、ラッセル・アレンは、Arjen Anthony Lucassenとサイド・プロジェクトのプログレッシブ・メタル・スーパーグループ「Star One」を結成。アルバム『Space Metal』をリリースした。

 

 

2004年にダニエレ・リヴェラーニのロック・オペラ・プロジェクトにマーク・ボールズ、エドゥ・ファラスキら数名とゲスト参加した。

 

 

2005年にはメガデスとドリーム・シアターのダブルヘッドライナーの「Gigantour」に参加し、全米ツアーを行った。

同年、ドイツ出身のパワーメタル・バンド「マスタープラン」(Masterplan)のヨルン・ランデとラスト・トライブのマグナス・カールソンと新たなコラボ・プロジェクト「アレン/ランデ」(Allen/Lande)を結成。1stアルバム『ザ・バトル』(The Battle)をリリースした。

 

4月26日、ラッセル・アレンは、自身初のソロ・アルバム『アトミック・ソウル』(Atomic Soul)をリリースしてソロ・デビュー。

 

 

2007年6月26日、前作から4年半ぶりとなる7thアルバム『パラダイス・ロスト』(Paradise Lost)をリリース、ジョン・ミルトンの叙事詩『パラダイス・ロスト(失楽園)』を構想のヒントに制作したオリジナル作品で構成した本アルバムは、スウェーデン39位・ドイツ50位・オランダ59位・フランス60位・スイス61位日本76位・アメリカ123位をマークした。

 

 

同年、アレン/ランデの2ndアルバム『ザ・リヴェンジ』(The Revenge)をリリース。

 

 

2010年、アレン/ランデの3rdアルバム『ザ・ショウダウン』(The Showdown)をリリース。

 

同年、Star Oneの2ndアルバム『Victims of the Modern Age』をリリース。

 

 

2011年には8thアルバム『アイコノクラスト』(Iconoclast)をリリース。アレンは、本作の歌詞は「機械がすべてを支配し、我々が社会に投入したテクノロジーが我々に破滅をもたらす」というコンセプトに基づき作詞したと語っている。スウェーデン22位・ドイツ25位・オランダ75位・フランス69位・スペイン29位・アメリカ76位を記録。ここからは、“The End of Innocence”をシングル・カットした。

 

 

同年、新進気鋭のギタリストとして活躍するマイク・オーランド(G)、当時アヴェンジド・セヴンフォールドを脱退したばかりのマイク・ポートノイ(Ds)らとともに「アドレナリン・モブ」(Adrenaline Mob)を結成。

8月、アドレナリン・モブがセルフ・タイトルの5曲入りEP『Adrenaline Mob』をリリースしてレコード・デビューを果たす。

 

 

2012年3月、アドレナリン・モブ初のフルレングス・アルバム『オメルタ』(Omertá)をリリース、アメリカの「Billboard 200」で初登場70位となったが、翌2013年、マイク・ポートノイがスケジュール上の問題により脱退。

 

 

同年、アレンはベーシスト兼プロデューサーのマット・シナーと国際的なヘビーメタル・スーパーグループ「Level 10」を結成。

 

 

2014年10月19日の「LOUD PARK 14」出演による16年ぶりの来日公演を行う予定だったが、レコーディングスケジュールの都合によりキャンセルとなった。

同年、アレン/ランデの4thアルバム『ザ・グレイト・ディヴァイド』(The Great Divide)をリリース。

 

同年、アドレナリン・モブの2ndアルバム『メン・オヴ・オナー』(Men of Honor)をリリース。

 


2015年1月23日、Level 10の1stアルバム『Chapter One』をリリース。同バンドの公式音源は現在のところ、本作が唯一のものとなっている。

 

7月24日、9thアルバム『アンダーワールド』(Underworld)をリリース。マイケル・ロメオはインタビューで、バンドは本作の制作に当たり、早い段階からダンテ・アリギエーリの叙事詩『神曲』のうち「地獄篇」と、オペレッタ『地獄のオルフェ』から影響を受けていたと語った。本作はいわゆるコンセプト・アルバムではないが、ロメオ曰く「過去の何作かのレコードと同じく、物語を語っていないとはいえ、通底したテーマがある」とのこと。スイス10位・フィンランド12位・オランダ20位・ドイツ23位・スウェーデン31位・ベルギー(ワロン地域)42位・日本46位・フランス54位・オーストリア59位・イタリア65位・ベルギー(フランデレン地域)101位をマーク。とくにアメリカにおいては、音楽誌『ビルボード』の総合アルバム・チャート「US Billboard 200」で89位を記録したのをはじめ、同誌の「US Top Hard Rock Albums」6位・「US Independent Albums」8位・「US Top Tastemaker Albums」8位・「US Top Rock Albums」12位をマーク、目覚ましい躍進を見せた。ここからは、"Nevermore"と"Without You"をリカットした。

 

 

 

同年、元ナイト・レンジャー(Night Ranger)の元ギタリストであるジョエル・ホークストラ (Joel Hoekstra)と組んだプロジェクト「Joel Hoekstra's 13」のアルバム『Dying to Live』をリリース。

 

 

2016年、「LOUD PARK 16」にて18年ぶり2度目の来日公演。

 

 

2017年、アドレナリン・モブの3rdアルバム『We the People』をリリース。

 

 

2020年、スウェーデン出身の歌手で、2007年から2012年10月までフィンランドのシンフォニック・メタル・バンド「ナイトウィッシュ」(Nightwish)のリード・ヴォーカリストとして活動していたアネット・オルゾン(Anette Olzon/結婚後:Anette Blyckert/1971年6月21日-)とのコラボレーション・プロジェクト「アレン/オルソン」(Allen/Olzon)を組み、全曲をマグナス・カールソンが書き下ろしたデビュー・アルバム『ワールズ・アパート』(Worlds Apart)をリリースした。

 

 

2021年、Joel Hoekstra's 13の2ndアルバム『Running Games』をリリース。

 

 

2022年、Allen/Olzonの2ndスタジオ・アルバム『Army of Dreamers』をリリース。

 

同年、Star Oneの3rdアルバム『Revel in Time』をリリース。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(参照)

Wikipedia「ラッセル・アレン」「Russell Allen」「シンフォニー・エックス」「Symphony X」「 Star One (band)」「アドレナリン・モブ」「Adrenaline Mob」「Level 10 (band)」

 

 

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