渡瀬 マキ(わたせ マキ/出生名:渡瀬麻紀/本名:平川 麻紀/1969年2月22日~)は、日本の歌手、タレント、作詞家。

 

 

 

1969年2月22日、渡瀬麻紀が生まれる。三重県鳥羽市出身。

 

小学生の頃から松田聖子に憧れ、ドライヤーで「聖子ちゃんカット」を作り、母親のイヤリングを借りて着けては「聖子」になりきり、妹とともに歌っていた。


中学3年生から歌手を目指し、名古屋市のジャパン・アーチスト・オフィスにて歌唱などを学ぶ。レッスン費用と鳥羽駅~名古屋駅の近鉄特急の運賃を自身のアルバイト代から捻出し、電車内では尾崎豊、レベッカなどの曲を聴いていた。

 

1986年、約8千人の応募者の中から「1986ヤングジャンプクイーン」グランプリを受賞して芸能界入り。

東京に転居し三重県立鳥羽高校から東京都立代々木高校に転校し、卒業。本名の「渡瀬麻紀」として活動を開始。事務所では、万が一悪いニュースで取り上げられた際、本名では故郷に帰れなくなる等の不都合を心配し、同郷の演歌歌手鳥羽一郎にあやかり鳥羽麻紀と命名しようとするが、本人はそれを断り、本名でのデビューが決定。

10月からフジテレビ『正義の味方株式会社』にレギュラー出演。
 

 

1987年6月1日、“パールモンド・Kiss/涙のキッス”でアイドル歌手「渡瀬麻紀」としてポリドールからデビュー。当時のキャッチフレーズは出身地の鳥羽に因み「真珠のような女の子」。同期デビューには、森高千里、永井真理子、酒井法子、畠田理恵、BaBe、立花理佐、石田ひかり、仁藤優子などがいた。

 

 

9月25日、2枚目のシングル“I Love You/コラ! Lazy Boy”を発売。

 

 

 

1988年4月1日、3枚目シングル“ノーカウント/雨は止まない”を発売。

 

 

この頃、アイドル活動に違和感を覚え、事務所が用意した衣装ではなく、内緒で持参したボロいジーンズにロックTシャツでステージに上がり周囲を驚かせる。事務所社長に呼び出され叱られるが「何か違う気がするんです」と葛藤を訴える。協議の結果、社長が「じゃあ、デパート屋上じゃなくてライヴハウスにして、カラオケやめて生バンド演奏にしようか」と路線変更を決定。その意を受けた音楽プロデューサー佐藤宣彦が名ギタリスト土方隆行に師事していた平川達也を見出しバックバンドを結成。
同年、渡瀬が雑談中、平川に何気なく自作の詩を見せたところ「折角だから曲をつけてあげるよ」と平川が持ち帰り、数日後に完成した曲が初作品の“MINE”であり、自身の想いを綴った詩が歌になったことに感動した渡瀬はその後も多くの曲を生み出す。 “MINE”はアイドル時代最終期に歌われ、後に『LINDBERGⅠ』に収録、作詞渡瀬麻紀と記載される。初作品であるが、飾り気なくストレートに寄り添う歌詞である上、それをひたむきに歌う渡瀬の姿と歌声が相まって多くのファンが癒されるとともに、LINDBERGが始まった曲としてファン達から大切にされ続け、2022年のファン投票で数百タイトルあるLINDBERG名義の曲の中から1位に選ばれた。
同年、アイドル時代のバックバンドメンバーの平川達也、平川の音楽仲間で周囲から一目置かれる存在であった川添智久、平川の高校の先輩で既にプロドラマーとして技術に定評のあった小柳昌法とともに、バンド「LINDBERG」(リンドバーグ)を結成。

 

 

1989年4月25日、シングル“ROUTE 246”、アルバム『LINDBERG I』を同時発売し、徳間ジャパンからメジャー・デビュー。“ROUTE 246”作曲はZIGGY森重樹一。アルバムはオリコン54位を記録した。

 

 

結成当初はプロデューサーの井上龍仁や多方面から楽曲提供のスタイルが多かったが、次第に作詞は渡瀬、作曲は平川・川添・小柳が手がけるようになる。楽曲にも偏りがなく平等に制作され、三人それぞれの楽曲はシングルとしてヒットしている。

11月25日、2ndアルバム『LINDBERG II』を発売、オリコン28位。

 

 

1990年2月7日、2ndシングル“今すぐ Kiss Me”(作詞:朝野深雪/作曲:平川達也/編曲:井上龍仁)を発売、フジテレビ系月曜9時枠のドラマ『世界で一番君が好き!』(1990年1月~3月放送)の主題歌に起用され、同曲が流れるオープニング映像では、歌詞通りに主演の浅野温子と三上博史のキスシーンが使用されていた。オリコンヒットチャートで1990年3月5日から1週おきに計3回1位を獲得、1990年年間シングルヒットチャートでも第3位を記録した。

 

3月28日、3rdシングル“JUMP”(作詞:西脇淳子/作曲:佐藤宣彦)を発売、オリコン9位をマーク。

 

4月21日、3rdオリジナル・アルバム『LINDBERG III』発売、“今すぐ Kiss Me”はアルバム・ヴァ―ジョンを収め、また、収録曲“LITTLE WING ~Spirit of LINDBERG~”(詞:渡瀬マキ/作曲:川添智久/編曲:LINDBERG・須貝幸生・神長弘一)は共同石油CMソング。オリコン週間アルバムチャートでは、初登場3位を記録し、その後も、3週目、5週目に1位を獲得し、最終的に60万枚以上を売り上げる大ヒットを記録した。

 

 

9月26日、4thシングル“Dream On 抱きしめて”(作詞:朝野深雪/作曲:平川達也/編曲:LINDBERG・井上龍仁)を発売、ポーツショップ「アルペン」CMソング。オリコン2位。

 

10月24日、5thシングル“ROUGH DIAMOND”(作詞:渡瀬マキ/作曲:川添智久)を発売、エースコックCMソング。

 

11月21日、6thシングル“OH! ANGEL”(作詞:朝野深雪/作曲:平川達也/編曲:LINDBERG・井上龍仁)を発売、セイコーエプソンCMソング。オリコン4位。

 

 

1991年3月27日、7thシングル“GLORY DAYS”(作詞:渡瀬マキ/作曲:平川達也)を発売、オリコン4位。

 

4月19日、4thオリジナル・アルバム『LINDBERG IV』を発売、2作連続でオリコン1位を獲得した。

 

7月3日、8thシングル“BELIEVE IN LOVE”(作詞:渡瀬マキ/作曲:川添智久)を発売、中日ドラゴンズ英智外野手の現役時代の登場テーマ曲。オリコン2位。

 

10月18日、9thシングル“I MISS YOU”(作詞:渡瀬マキ/作曲:平川達也/編曲:LINDBERG・井上龍仁)を発売、オリコン2位。

 

11月1日、ミニ・アルバム『EXTRA FLIGHT』を発売、オリコン1位。

 

 

1992年4月22日、10thシングル“恋をしようよ Yeah! Yeah!”(作詞:渡瀬マキ/作曲:川添智久/編曲:井上龍仁・LINDBERG)を発売、コカ・コーラCMソング。オリコン1位。

 

5月22日、5thスタジオ・アルバム『LINDBERG V』をリリース、アルバム3作連続でオリコン1位を獲得した。

 

11月6日、11thシングル“さよなら Beautiful Days/千年たっても”(作詞:渡瀬マキ/作曲:小柳昌法/編曲:井上龍仁・LINDBERG/作詞:渡瀬マキ/作曲:川添智久/編曲:井上龍仁・LINDBERG)を発売、オリコン9位。

 

 

11月13日、12thシングル“Magical Dreamer”(作詞:渡瀬マキ/作曲:平川達也/編曲:井上龍仁・LINDBERG)を発売、オリコン17位。

 

12月31日、『第43回NHK紅白歌合戦』に初出場、“恋をしようよ Yeah! Yeah!”を演奏した。



1993年3月17日、13thシングル“胸さわぎのAfter School”(作詞:渡瀬マキ/作曲:平川達也/編曲:LINDBERG・井上龍仁)を発売、オリコン5位。

 

6月18日、14thシングル“会いたくて -Lover Soul-”と、オリコン2位になった6thアルバム『LINDBERG VI』を同時発売。

 

8月11日、15thシングル“想い出のWater Moon/君に吹く風”を発売。

 

 

10月22日、16thシングル“だってそうじゃない!?”(作詞:渡瀬マキ/作曲:川添智久/編曲:須貝幸生・LINDBERG)を発売、オリコン1位。

 

11月19日、2ndミニ・アルバム『EXTRA FLIGHT II -human aircraft-』を発売、オリコン1位。

 

11月22日、17thシングル“大キライ!/二人きりで行こうよ”を発売、オリコン17位。

 

12月1日、18thシングル“夢であえたら -Do you love me?-”を発売。

 

 

1994年3月16日、19thシングル“GAMBAらなくちゃね”(作詞:渡瀬マキ/作曲:小柳昌法/編曲:LINDBERG・須貝幸生)を発売、オリコン1位。同時発売で、バンド初のライヴ・アルバム『Lindy Wingding』をリリース、国立代々木競技場(1993年12月2日)、日清パワーステーション(1993年12月24日)でのアコースティックライヴを収録。オリコン2位。

 

5月18日、20thシングル“清く正しく行こう”(作詞:渡瀬マキ/作曲:川添智久/編曲:須貝幸生・神長弘一・LINDBERG)を発売、オリコン8位。

 

6月24日、7thアルバム『LINDBERG VII』を発売、オリコン3位。


1995年3月16日、21stシングル“さよならをあげる”を発売。

 

5月2日、22ndシングル“水着とBeachとBoys”を発売。

 

6月6日、8thアルバム『LINDBERG VIII』を発売、オリコン3位。

同年、テイチクに移籍。

11月1日、移籍後初となる24thシングル“もっと愛しあいましょ”(作詞:渡瀬マキ/作曲:川添智久)を発売、大幅なイメージチェンジを図った本シングルはオリコン5位、37万枚を超えるヒットを記録する。表題曲はテレビ朝日『かざあなダウンタウン』エンディング曲。その後もリリースした曲が立て続けに数十万枚前後の売り上げ枚数を記録し第二の全盛期を迎えた。

 

9月21日、渡瀬マキ名義で1stソロ・アルバム『message d’amour』をリリース、オリコン8位。

 

 

1996年7月1日、25thシングル“every little thing every precious thing”を発売、オリコン5位。

 

8月19日、26thシングル“Green eyed Monster”を発売、オリコン5位。

 

9月9日、9thアルバム『LINDBERG IX』を発売、オリコン3位。

 


1997年2月13日、27thシングル“YAH! YAH! YAH!”を発売、オリコン15位。

 

3月5日、渡瀬マキ 2ndソロ・アルバム『double berry』をリリース、オリコン9位。

 

4月16日、28thシングル“明日は明日の風が吹く”を発売。

 

5月28日、29thシングル“Sugar free”を発売。

 

6月18日、10thアルバム『LINDBERG X』を発売、オリコン4位。

10月16日、渡瀬マキと平川達也が結婚。

 

 

1998年3月4日、30thシングル“風”を発売、オリコン27位。

 

3月25日、11thアルバム『LINDBERG XI』を発売、オリコン20位。

 

 

1999年、産休に入る。この際、一部メディアでLINDBERGが解散と報じられたが、産休による活動休止と改めて発表している。

10月21日、31stシングル“願いがかなうように”を発売。

 

11月6日、長男を出産。

12月16日、12thアルバム『LINDBERG XII』を発売、オリコン55位。

 

 

2001年、LINDBERGがポリドールへ移籍。

2月21日、32ndシングル“frosty love”を発売。

3月7日、TOKIOの両A面シングル“どいつもこいつも/ボクの未来”の“ボクの未来”を作詞提供。シングルはオリコン10位。

3月28日、13thアルバム『LINDBERG XIII』を発売、オリコン67位。

 

 

2002年1月1日、33rdシングル“you were there”と14thアルバム『LINDBERG XIV』を同時発売。

 

3月27日、奥田綾乃のシングル“ずっとキミがすきだった”の表題曲を作詞提供。

同年、LINDBERGがインディーズレーベルへ移籍。

5月29日、渡瀬マキ 3rdソロ・アルバム『Happiness on The Kitchen Table』をリリース。

6月26日、34thシングル“Teenage Blue”を発売。

 

7月10日、15thスタジオ・アルバム『LINDBERG XV』をリリース。これがバンドとして最後のスタジオ・オリジナル・アルバム発表となった。

8月7日、35thシングル“it's too late”を発売。

 

8月24日、「FINAL FLIGHT TOUR」を最後にLINDBERGが解散。

その後、渡瀬は音楽活動を休止する。

10月23日、2枚目のライヴ・アルバム『FINAL FLIGHT』を2枚組で発売、ツアー最終日の渋谷公会堂でのライヴを完全収録。

 

 

2003年8月26日、長女を出産。
 

 

2006年、自身がプロデュースした子ども服ブランド「Ontembaar」を立ち上げる。
 

 

2007年5月、長男がファンであるという子ども番組『モンすたージオ』のテーマソング制作の依頼を受け、解散以来5年振りの新曲“色々iroiro”(作詞:渡瀬マキ/作・編曲:平川達也)を発表。

11月21日発売の『いっしょにうたおう モンすたベスト』に“色々iroiro”が収録される。

 

 

2008年、平川達也とのユニット「スマイルゴーラウンド」を結成。
12月、グッドイヤー「ICE NAVI ZEA」CMソングとして“鉄腕アトム”(作詞:谷川俊太郎/作曲:高井達雄)を歌唱、CDは未発売だが、CM公開時期にタイヤを購入すると限定でCDをプレゼントされた。

 

 

2009年2月22日の40歳を迎える誕生日に、渡瀬マキの初ソロ・ライヴ「Present」を開催。ステージにて、12月31日まで期間限定のLINDBERG再結成を発表。
同年、テレビ東京系番組『ファイテンション☆テレビ』& ファッション雑誌『nicola』から誕生したアイドル歌手ユニット「merry merry Boo」(女優「川口春菜」や「立石晴香」が在籍)を平川達也とともにプロデュース。

同年、LINDBERG 結成20周年を機に、1年間の期間限定でLINDBERG再活動。野外イベントやフェスにも参加し、約12年ぶりとなる日本武道館公演も開催。

12月9日、36thシングル“LIVE your LIFE”を発売。

 

12月31日、全国ツアー最終日、中野サンプラザ公演にて再び休息につく。

 

 

2010年、平川達也とのユニット「タツマキ」を結成。ユニット初となるライブ『2月の会』を開催。

 


2013年7月22日、タツマキ 5曲入りCD『タツマキベイベー』リリース。

10月、所属事務所をアップフロントクリエイトへ移籍。

 

 

 

2014年1月、LINDBERGが結成25周年を迎えるのに伴い、4年ぶりに始動を再開。完全復活し、復活ライヴ、全国ツアー、イベントなどへ出演し、精力的に活動を行う。

4月25日、Zepp DivercityTokyoでライヴを実施。

7月21日、2枚組/CD+DVDのライヴ・アルバム『LINDBERG 25th Anniversary 感謝祭 〜これからもよろちくね〜』を発売。2014.4.25 Zepp DivercityTokyoでのライヴを収録。限定盤。

 


現在、渡瀬は2児の母として育児に取り組みつつ、子ども服のデザイン・販売、詩の提供など行い、タツマキとしても精力的に活躍中。また、タレントとして情報番組やバラエティ番組にも出演している。
 

 

2015年5月7日、第8回ベストマザー賞音楽部門を受賞。

 

 

2016年、渡瀬マキとしてのソロ・ライヴ活動を再始動。

7月10日、37thシングル『EXTRA FLIGHT SINGLE』をリリース。“パスポート”、“キミハキミ”、“アタシは今すぐアナタを抱きしめる”を収録。

 

 

 

 

2017年7月19日、配信シングル“Fresh”をリリース。

 

 

2018年4月11日、「機能性発声障害」と診断されたことを明らかにする。
 

 

2020年3月9日、先行配信シングル“~種~”をリリース。

 

5月2日、シングル“~種~”を発売、“~種~”、“パレード”を収録。“パレード”は、MMORPG「アルケミアストーリー」(2017)テーマソング。

 

同年、LINDBERG 結成30周年を記念して、30th Anniversary Tour『NO LIND, NO LIFE ?』を全国8ヶ所にて開催。
 

 

2022年2月22日、『Essay 渡瀬マキ エッセイ』を上梓。

同年より、LINDBERGの活動と併行して、渡瀬のソロ・ライヴ「酸いも甘いも」を定期的に開催。

 

 

2023年、LINDBERG 結成35周年を迎える。

3月23日、同年3月末をもってアップフロントクリエイトとの専属マネージメント契約を終了し、業務委託に変更することを発表。
4月1日、平川達也とともに株式会社ティンカティンカの立ち上げを発表。代表者には平川が就いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(参照)

Wikipedia「渡瀬マキ」「LINDBERG」

 

 

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