叶 正子(かのう まさこ/本名:藤井 正子/1952(昭和27)年6月23日~)は、

熊本県出身の歌手。ヴォーカル・グループ「サーカス」のメンバーとして知られる。

 

 

2つ年下の弟・高(かのう たかし/長男/1954(昭和29)年7月26日~)と、

4つ年下の央介(かのう おうすけ/次男/1956(昭和31)年9月27日~)がいる

3人姉弟の長子が正子で、

後に2人の弟は正子の誘いでサーカスに加入、ともにデビューする。

 

正子はビートルズが好きでファンクラブに入っていた。

弟・高の誘いで1972(昭和47)年、ヤマハのオーディションを受けて合格、

ヤマハの研修生となった正子は、明治学院大学仏文科に在学しながら

渋谷のヤマハエピキュラススタジオでヴォーカルレッスンを受ける。

 

研修生時代、正子がリーダーを務め、他の女性研修生だった鈴木ひろみ、影山美紀の2名と

「ピーマン」というユニットを組み、1974(昭和49)年4月にレコードデビュー。

ピーマンの3枚目にしてラストシングルとなった同年12月発売の曲

“部屋を出て下さい”(作詞・作曲 上岡健二)は、

同じヤマハの研修生だった根本美鶴代(現:未唯mie)と増田啓子(現:恵子)、

後のピンク・レディーにより『スター誕生!』(NTV系)のテレビ予選と決戦大会で歌唱された。

 

1976年、知人から紹介され、2人目の女性ヴォーカルとして加入したグループが

後に「サーカス」と命名される。

 

1977(昭和52)年、シングル“月夜の晩には”を徳間からリリースし、

男2人女2人のヴォーカル・グループ「サーカス」としてプレデビュー。

 

この時のメンバーは、すが健、茂村泰彦、叶正子、卯月節子(正子にとって母方の従姉)。

1978(昭和53)年、すがと茂村という正子とは親族関係にない2人が

もともとバンド活動を志向していたため脱退。

急きょ正子の実弟である高と央介を加え、サーカスを再結成。

 

同1978年、設立されたばかりのアルファレコードに移り、移籍第一弾シングルとして

3月25日に “Mr.サマータイム”を発売して再デビュー。

 

ミシェル・フュガンのカヴァーである同曲は、カネボウ「'78夏キャンペーン」ソングに採用され、

同年8月中に100万枚を突破する大ヒットとなった。

また、オリコンシングルチャートではグループ唯一の1位を獲得している。

この曲のヒットによりサーカスは、それまでになかった男女2人ずつ、

しかも三人姉弟と従姉というユニークな編成のヴォーカル・グループとして広く認知された。

また、同曲は第20回日本レコード大賞において、編曲者の前田憲男が編曲賞を受賞した

 

翌1979(昭和53)年にリリースした4枚目のシングル“アメリカン・フィーリング”は、

作詞・竜真知子/作曲・小田裕一郎/編曲・坂本龍一による楽曲で、

「’ 79 JAL COME TO AMRICAキャンペーンソング」に採用されたこともあり、ヒットした。

 

なお、同曲は第21回日本レコード大賞において、編曲者の坂本龍一が編曲賞を受賞。

サーカスの楽曲としては異なるアレンジャーで2年連続編曲賞を受賞することとなった。

 

1980年までのヒット曲が網羅されているベスト盤がリリースされている。

 

サーカスはこれ以降、実に多くの曲がタイアップとなった。

 

1980(昭和55)年、“ビューティフルシーズン”が日本電装(トヨタ)カーエアコンCMに起用。

 

1981(昭和56)年、“美しい悪魔たち”がテレビ朝日『美しい悪魔たち』主題歌、

“時よゆるやかに/愛のカンタータ”がサンリオ『シリウスの伝説』主題歌に採用。

 

1983(昭和58)年、“風のメルヘン”がNTV(日本テレビ)『マンガ日本史』主題歌、

“青い恋人たち”が映画[青い恋人たち]主題歌に採用。

 

1984(昭和59)年、“Tendernessを抱きしめて”がNTV『パパになりたかった犬』主題歌、

“スターダストの海”がNTV『ワールドクイズ・カンカンガク学』テーマソングに採用。

 

1985(昭和60)年、“メネフネ・ラブソング”が全日空ハローツアーイメージソングに採用。

 

1987(昭和62)年、“優しい嘘”がTBS『家庭の問題』主題歌、

“windy Lady”が花王メリットシャンプー&リンスCMソング、

“風色のメッセージ”が和歌山市聖00周年イメージソング、

“いちばん素敵なクリスマス”がケンタッキーフライドチキンクリスマスソグに採用。

 

1988(昭和63)年、“Woman in Love”が銀座ジュエリーマキCMソングに採用され、ヒット。

また”We love harmony!”を合言葉に全国各地でのコンサートツアーを開催。

万博など、様々なビッグイベントにも出演し、服部克久、前田憲男らとの共演を機に

多くのオーケストラ、ミュージシャンとの共演も果たす。

 

1991(平成3)年、“カレンダーガール”がTBS『ブロードキャスター』エンディング曲に採用。

 

 

この間、1984年に、初期メンバーの卯月節子が結婚、

叶央介はソロ活動のため二人はグループから離れ、

オーディションを経て、原順子と嶋田徹の二人が新メンバーとして加入。

1988年、嶋田徹がグループを離れ、叶央介が復帰。

1991年、叶央介と原順子が結婚し、メンバー4人が「親族」となる。

 

2004(平成16)年に、正子は改めて新人としてソロデビューし、

サーカスがオフの期間にはソロシンガーとして活動を始める。

同2004年4月21日、『Inside Journey』をリリース。

 

2009(平成21)年11月18日には、正子が個性あふれる7人の男性ヴォーカリストたちを

迎え、デュエットしたナンバーを集めたアルバム『ザ・デュエット・・・7物語』をリリース。

参加アーティストは、KONISHIKI、ムッシュかまやつ、堀内孝雄、大野真澄、尾藤イサオ、

アルベルト城間、池田聡と、実に多彩な顔触れがそろったデュエット・アルバムとなった。

 

2011(平成23)年5 月にサーカスはニューヨークの「JAPAN DAY」から招聘され、

セントラルパークでライヴを行っている。

 

2013(平成25)年3月、35周年を迎えたサーカスから、メンバーの叶央介、原順子が卒業。

これに伴い、新メンバー募集オーディションを実施した結果、

ソロシンガーとして活動していた吉村勇一(1985年6月22日~)が合格し、

サーカスメンバー叶高の長女である「叶ありさ」(1983年4月19日~)も加入。

 

4月にデビュー35周年の記念アルバム「We Love Harmony!」を、

5月には80年代 JPOPをカバーした「The Reborn Songs~80’sハーモニー」をリリース。

 

 

 

2015(平成27)年から、コンセプトミニアルバム”POP STEPシリーズ”の制作をスタート。

同年10月に第1弾として「Pop Step Jazz」、

2016(平成28)年5月に第2弾「Pop Step Bossa」、

2017(平成29)年1 月には第3弾「Pop Step Ballad」をリリース。

 

 

 

 

2018(平成30)年、デビュー40周年を迎えたサーカスは、

デビュー曲“ミスター・サマータイム”を歴代メンバー7名が集結してレコーディングし、

武部聡志をプロデューサーに迎えたアルバム『POP STEP 40』に収録。

 

YouTubeに公開された同曲のビデオクリップは480万回以上再生された。

アルバムを携えて行ったコンサートツアーで、

10月には『POP STEP 40ツアー』スペシャル版として「Mr.サマータイム2018」を披露。

歴代メンバー7名が揃ってステージで演奏を披露するのは今回が初めてとなった。

 

2020年3月9日、引き続きサーカスは、歴代メンバーによる新レコーディング曲

“アメリカン・フィーリング2020”を各配信サイトにて開始した。

今回の“アメリカン・フィーリング2020”は当時のマルチテープを使用し、

オリジナル演奏に歴代メンバーが参加する形でレコーディングを行った。

現メンバーの「叶 高」、「叶 正子」、「叶 ありさ」、「吉村勇一」に加え、

「叶 央介」、「原 順子」、「卯月節子」の旧メンバーが顔をそろえた総勢7名が、

グループの代表曲である“アメリカン・フィーリング”を現在に蘇らせた。

 

 

2013年にメンバーを入れ替えて、初期メンバーの娘・息子世代を迎えた

新生サーカスの掲げるテーマは「繋ぐ」。

親子世代の4人が奏でるハーモニーは、

世代もジャンルも超えた音楽を生み出し、

これからも繋いでゆくのだろう。

 

 

 

音楽と、人を。

 

人と、人を。

 

 

 

そして

 

心と、心を。

 

 

 

 

 

(参照)

Wikipedia「サーカス」「Mr.サマータイム」

サーカス公式サイト

soundcircus.co.jp

全日本歌謡情報センター powered by BARKS

https://www.kayou-center.jp/22425

PR TIMES

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000121.000020808.html

Idle.ne.jp

https://idol.ne.jp/piman